魔法のミルクティーにおねがい  
メーカー〔裸足少女〕 発売日2003年3月14日


魔法とは便利な言葉だ
王都の紅茶専門店「ピシャロ・ムント」。かつては繁盛していた人気のお店でありながら、先々代の店主が亡くなってから途端に客足が遠のき、今では客が疎らにやってくる程度の寂れたお店となってしまっている。しかし、新しく店主として店を継いだミカエル君は、こんな逆境にもめげずに、新しい看板メニュー考案に余念がない毎日。いつか先々代のお爺さんのような美味しい紅茶の淹れられる立派な店主となり、お店を繁盛させ切り盛りしていくのが夢なんだそうです。

まぁ、なんとも微笑ましいやつですな。お爺さんの紅茶に憧れ、お爺さんの紅茶に少しでも近づけるように日夜頑張っているミカエル君には、少し頼りなさげな容姿も相俟って、ついつい応援してやりたくなるものですよ。

だが、皆さん、コイツに騙されてはいけない。この男、これだけ人畜無害さをアピールしておきながら、やっている行為は途方もなくエゲツナイ。子供っぽさ、純情っぽさは言うなら見せ掛けのポーズであって、彼はその印象を巧みに悪用しては、女を食い物にする強かな極悪人だったのですよっ。

順序だてて説明致しますと、このゲームでミカエル君は、お店の看板メニューとなる美味しい紅茶を完成させる為、いくつもの紅茶のブレンドを試作しては、それをお客さんにテイスティングしてもらっているのです。が、実はこの紅茶には恐ろしい副作用が含まれておりまして、これを飲んでしまった本人は、突然身体が疼くようになり、いやらしい気分に陥ってしまう症状が表れるのです!

ミカエル君はこれを「恋魔法ブレンド」と、やけにオブラートに包んだ迂遠な表現で誤魔化していましたが、やっている事実は紛れもなく犯罪行為。こんな毒入り紅茶で女を骨抜きにした後、何だかんだで犯っちゃってるミカエル君は、言い逃れの出来ない強姦魔である事、間違いはないのであります。

夢一杯、頑張り屋な若き店長さんなのかと思いきや、この悪魔の所業。人は見かけによらないとはよく言ったもんですなぁ~。


……と、一部誇張を交えてボロクソ言ってみましたが、まぁ一応主人公は故意でやっている訳ではないですし、女の娘の方ももともとミカエル君に好意は寄せていたので、作品的には鬼畜なイメージは皆無なものなんですよね。この魔法のミルクティーは、エッチへの手段の是非はどうあれ、和姦で占められている作品である事は間違いなく、基本的には私好みな内容の作品であった訳です。

紅茶による催淫効果によって、女の娘は大胆にエロエロになってしまっていますから、当然エッチシーンは無視出来ないエロさを誇っていまして、普段のまったりした日常からは想像だに出来ない変容は、壮大なるギャップ。エッチの内容はか~なり思い切ったプレイが多く、分裂しての複数プレイから、ち○ぽケーキといった食べ物を粗末にするプレイまで、かなりぶっ飛んでいました。

そして、出色だったのがエロセリフ。淫語がかなり弾けていまして、発情したかのように「おち○ちん、おま○こ」を連呼している様には驚きを隠せません。その勢いは、1つのセンテンスに1つの淫語が混じっているぐらいでありますから、淫語目当ての購入だとしてもこれは充分事足りるだけのパフォーマンスを呈していた。和姦主体のエロゲでここまでやられてしまうと、まるで有り難味が違いますね。

しかしながら、純粋にエロテキストとしての出来は、正直それほど良しと言えるものではなくて……。淫語だけがただ詰め込まれていた状態とでも申しましょうか、とりあえずエロいセリフを言わせときゃいいだろうってぐらいの雑なテキストですから、淫語という魔力を借りなければ、かなり不出来といえるものだったんですよ。「とりあえず淫語を喋るなら問題ないよ」って人ならこれでも構わないんでしょうが、「それだけではちょっと…」な人ならば、不服さは残るかもしれませんね。

だからと言うわけではありませんが、私もこれだけ淫語がふんだんに散りばめられていた作品の割には、思ったより高揚感が沸かなかったです。明るくてラブラブ和姦で淫語満載、本来なら私の属性にど真ん中ストライクの作品であるはずなのに、どうも乗り切れない。やはり、淫語だけで繋ぎ合わせたテキストと言うものも味気ないものです。淫語の多さとエロさはニアイコールでも、そればっかりを無節操に詰め込まれても困るという微妙な乙女心。

それに、他の人はどう感じるかはわからないですけど、今回私は声優さんの演技もイケてない気がしました。どこか素人っぽさを匂わせ、キャラクターに感情移入しきれていないようなたどたどしい演技。フェラの音なんかは上手に出来ていたものの、全体的には芳しい演技とは言えず、「淫語だらけのセリフだから、嫌悪感があったのかな~」とかプレイ中いろいろ考えさせられたり。こういった余計な雑念が割り込んできてしまうようでは、私のテンションも低くならざるを得ないのですよ。

最近の声優さんたちの一流すぎる演技で、私自身耳聡くなってしまっているせいもありますが、声優さんから戸惑いが伝わってくるような演技では、こっちも乗り切れません。作品が楽しそうな雰囲気に包まれているのだからこそ、もっと弾けて欲しかった。


まとめますと、この魔法のミルクティーという作品は、淫語と言う直接的なアプローチで、表面的なエロさは確かに高かったものの、その他が決定力不足。淫語の一点突破を評価するべきか、作品としての総合力を評価するべきか、少し迷いがある作品です。

ただ裸足少女さんのこの方向性は間違っていないと思われますし、今後とも「ラブラブエッチ&淫語満載」路線は動かさず突き進めていってもらいたいもの。淫語エロゲとしては、この作品も充分傑作の部類なんですしね。

このゲームには、女の娘の嗜虐度、露出度がパンツの形態で把握できるという、パンチラシステムたるものが用意されています。またアホなシステムが出てきたな~って感じですが、実際アホなシステムでございました。

まぁ、ギャグとしてやっているおつもりなんでしょうけど、苦笑するのには難しい微妙さ。っていうか、毎日毎日女の娘が同じ構図で同じ体勢で同じ角度でパンチラしてくるものですから、逆に私は薄ら寒さを感じてしまいましたよ。

しかも、わざわざパンツで女の娘の心理状態を図らずとも、このゲームはちゃんと普通に数値によるパラメータで確認できる訳ですから、女の娘のパンチラで研究する必要なんてなかったのです。

汁はそれなりに出ていましたが、あまり褒められた描写ではありませんね。透明感が強く、精液っぽくない上、かかり方があまりにも不自然。フェラされて一旦顔射し、続けてフェラが続行された後、もう一度顔射という、眩いシーンはありながら、絵でその素晴らしさを生かしきれていなのは悲しいです。

紅茶のブレンドをちょこっと変えるだけで、女の娘の性感値、露出値、嗜虐値を左右させる事が出来ます。この嗜虐値と言うのはSを好むか、Mを好むかのパラメータでありまして、つまり主人公の匙加減ひとつで、女の娘をSっぽくさせたりMっぽくさせたり出来る訳なんですね。

ですが、如何せんミカエル君はショタ気味な坊やですから、どっちに転ぼうとも女性S、男性Mの構図になりがちなのです。ミカエル君の一人称は「僕」ですし、どうしても彼はSには不似合いでした。

今回は誰もいないです。ヒロインのマリーシア・ハミルトンはそこそこ好きになれそうな女の娘であったものの、一人称が「僕」なんで白けちゃった。男も女も自分を「僕」と呼んでいるのはなんか脱力。
03年3月18日