発売日 2010年6月25日       
メーカー Illusion 
日進牛歩
すくぅ~るメイトの続編を謳いながら、前作との相違点があまりに多すぎて戸惑いを隠せません。1には存在していたものが、2には平気で存在しなかったりします。不要だったものを切り捨てるのは「進化」と言えなくもないですが、明らかに「退化」だと言わざるを得ない部分も多々ありました。ですので、今回のレビューは、いつもと趣向を変えて“進化か退化か”に焦点を当ててお送りしたいと思います。


無駄なシナリオがバッサリなくなったのは、「進化」。前作の1では、無理して純愛ゲームの真似事みたいなことをやっていましたが、自分たちにそういうのは向いていないと悟ったのか、潔くシナリオ部分を短くカット。いつもの即物的エッチシミュレーターに戻っています。そのこと自体は正しい判断であっても、以前はリアルタイム3Dで描かれていたシナリオパートが静止画になっているのは「退化」ですね。

ヒロインが1人になったのは、「進化」か「退化」か微妙なところ。少数精鋭主義の私にとっては「進化」ですが、単純にキャラクターが減ったことで、「退化」だと見る方は多いかもしれません。

ただし、ヒロインは確かに藤田紫子(ゆかりこ)1人ですが、彼女にお地蔵さん(三姉妹)の霊が憑依することで、性格と見た目(髪型)が三様に変化するのです。そういう意味では、ヒロインは4人。三姉妹はやたらとエロく、紫子の身体を操りながら、本来彼女が絶対にやらないような行為に及んでしまう。その度に、紫子が内心で「やめろ~」と抗議しているところが可愛らしかった。自分がしているエッチを客観的に見ながら、段々エロくなっていく紫子もたまらないですよ~。


セルフシャドウが加わったキャラクターのモデリングは、「進化」。静止画で見るとやや微妙に感じるかもしれませんが、実際に動いているところを見ると、これは拍手を送りたくなる立派な出来でした。

モデリングの向上と共に、エッチシーンも確実に「進化」していると言えましょう。上手く言葉で説明しにくいのですが、ものすごく「いやらしさ」を感じるんですよね。体位も「え、そんなことまでしちゃうの?」と言いたくなるアグレッシブなものが多く、躍動感溢れる動きがエロスを喚起させます。技術に秀でた者は、技術のみに走りがちですが、Illusionさんは、ちゃんとエロさも追求してくれるから嬉しい。

特に私がピックアップしたいのは、「Hは続くよどこまでも」。これは“セックスしまくったあとのセックス”という非常にレアなシチュエーションでありまして! ぐったりと虚脱感に満ちている中、尚続けられる性行為は凄まじくエロい! 恍惚に浸り、とろんと微睡んだ目つきの紫子が、「まだするの…? しょうがないなぁ」と呟く様は激しく劣情を誘います! 表情も恐ろしくリアルで、それを見ているだけで私は飽きません。

しかし、体位を変えるとき、シームレスではなく画面の切り替えで処理していたのは「退化」。細かな部分かもしれませんが、私はすごく気になりました。せっかくの3Dの優位点が1つ失われてしまったのですから。

衣装着せ替えの廃止も、完全なる「退化」。すくぅ~るメイトは、ヒロインの服装や下着や装飾品を自由にコーディネイトできるのがポイントでした。人工少女ほど敷居が高くなく、気軽に着せ替えを楽しめるところが私は気に入っていたのに、今回それが一切合切カット。基本セーラー服で、下にブルマとスクール水着を合わせられるだけ。いくらなんでも、これはダメでしょ~。

前作で感動的だった3Pも丸々削られていて、「退化」以外の何物でもないのですが、オフィシャル直販で購入した人は追加パッチで3Pを拝むことが可能という条件があるため、憤りをぶつけていいものか迷う…。でも、いくらなんでもこの差別はひどくない? オフィシャルで購入した人にある程度特典があるのは構いませんけど、3Pの有無というのはさすがに差が大きすぎですよ。


最後に、目下Illusion最大の課題である操作性。これにつきましては…一応「進化」かな。従来の無駄なマウス愛撫が廃止され、ホイールを回すだけでエッチシーンがさくさく展開するようになったのはありがたい。ただ、一筋縄でいかないのがIllusionマジック。なかなか素直に絶賛しにくい事情があるんですねー。

というのも、操作は画面右上にあるHパッドなるもので行わなくてはならないんです。Hパッド上でホイールを転がしながらヒロインの感じる部分を探り当て、同じくHパッド内にあるハートマークを点灯させることで、エッチが進行するという仕組み。こうなると、どうしても右上のHパッドばかり注視してしまうんですね。私は画面中央で行われている男女の色事を見たいのであって、画面右上に意識を集中させたくはないんです! 車の運転でハンドルがフロントガラスの右上に付いていたらどうしますか? 前方不注意で事故多発でしょうに。

フィニッシュの際に膣出しを選ぶときは、Hパッド上で右クリックしながらのマウスを上移動とか、何故かマウスジェスチャーによる操作が要求されるのも意味不明。普通にコマンド式でいいじゃないですか。カメラアングル操作でも、クリック・ドロップ・ホイールはフルに用いますので、両方で似たような操作を求められると、混同して非常にややこしい。

頑なにコマンド選択を拒否するのは、何かIllusionさんにポリシーでもおありなのかと思いきや、エッチの最中に女の娘にかけるセリフは普通にコマンド式だったり。じゃあ、全部それにしようよっ! 頼むから、エッチシーン最中の余計な操作は減らしてくださいって…。


進化と退化が混在し、3歩進んでも3歩下がるもどかしさで、結局同じ場所を行ったり来たり。賛否両論・毀誉褒貶があって当然のエロゲだと思います。前作は、4打数1安打のエロゲと評しましたが、今回は3打数1安打1四球2失策。なんて微妙な成績。着せ替えと3Pの未実装は、タイムリーエラーに匹敵します。

汁描写は、進化退化を論じる以前に有機的なサイクルに入っていない感じ。つまり、論外ということ。物理演算による液体表現が良くなったと自負しておきながら、実際は過程が描かれずいつの間にか汁がべっとり付いているだけの最低な描写だったもんで。

やっぱり素の藤田紫子ちゃんが一番。クリア後のエンドレスモードでは、これまで憑依されていた状態で行われたエッチも、全部紫子ちゃん相手でできるのが嬉しい。
2010年7月3日