めいどさん★すぴりっつ!~わたしの中にいるあなた~
 
メーカー〔Sirius〕 発売日2006年1月27日


メードと抜かす不心得者に死の鉄槌を
お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様! 最近は道を歩けばメイド喫茶にぶち当たるようになり(歩いている道が特殊っていうな)、TVではアキバ系オタク文化の象徴としてメイドさんが人気者(晒し者)になっていますね。

でも、世間のメイドブームとは裏腹に、エロゲのメイドさんはすっかり下火。かつては「俺はご主人様か? それともお兄ちゃんか?」ってぐらいメイドと妹がエロゲの主力を担っていたものですが、ELYSIONというメイドさんゲーの決定版が出てしまった辺りから、段々とメイドさんは活躍の表舞台から遠ざかっていきました。

そんな中で久々となるメイドさんゲー。従順で恭しく控え目でお淑やかなフィエナは、まさにメイドさんの鑑というべき正統派メイド。どちらかというと私は、こういった王道を好まない傾向なんですけれど、今は正統派メイドの方が逆に珍しくなりつつありますので、このストレートなメイドさん像は新鮮に映りましたね。

彼女はメイドさんであるのと同時に「館の精霊」でもあります。主人公が家を購入したら、一緒に彼女も付いてきて、そのまま主人とメイドの間柄になっちゃったって流れ。レオパレス21で部屋を借りたら、藤原紀香がリアルに付いてきたみたいな話ですよ。精霊の特性として、彼女は館と自分の感覚がリンクしており、例えば館内で勢いよく扉を開け閉めを行ったりすれば、びくっと身悶えながら崩れ落ちてしまうんです。直接触れもしていないのに、顔を真っ赤に染めながら、1人ではぁはぁと息を絶え絶えに嬌声を押し殺しているのはものすごく艶っぽい。この設定は堪んないな~。

エッチのときでも、フィエナの感じやすさと恥じらいやすさは顕著。1つ1つの行為に対して敏感に反応するので、それだけエッチシーンに身が入るってもの。「研究」という名目で毎週行われるエッチでは、キス・オナニー・フェラ・69・愛撫・挿入など、様々なプレイから3つを選択し、自由に組み合わせることができます。このとき、1番目・2番目・3番目の選択に関連性がなかったのは残念でしたが…。別個のエッチシーンを単に3つ続けて見せられるだけでは、有り難味も希薄。最初のエッチで身体に掛かった汁が、2回目のエッチシーンに突入すると綺麗サッパリ消えているだなんてね。「汁は掛かったまま」なのがSiriusさんの「わかっているところ」だったのに。

しかしながら、全体としてめいどさん★すぴりっつ!はかなりエッチシーンを頑張っている方。フィエナの豊かなおっぱいを思いっきり弄ぶことができたり、お仕着せは絶対に脱がせようとしなかったり、素敵なこだわりが多々ありましたよ。やっぱりメイドさんはメイド服あってのメイドさんだからね! 前作の魔法はあめいろ?でガクッと落とした信頼も回復。フィエナ以外の店子(サブヒロイン)の皆さんは中盤までエッチシーンがありませんでしたが、後半に入っての怒涛のエロ攻勢は凄まじかった。エロが終わったら、え、またエロかよって感じで、感心したところで更にエロ。まさかここでは…と思ったらエロ。もうさすがに…と思ったらエロ。「畳み掛ける」という言葉がぴったり

やっぱりSiriusさんの作品はこうでなきゃ。元々シナリオの保住圭さんはエロもお話も両立できる優れたライターですから、どちらの魅力が欠けていても好ましくない。「ONE and ONLY」や「まいにち好きして」に比べると、めいどさん★すぴりっつ!はまだエロで及んでいないと思いますが(特に汁の量がねっ)、本来の“Siriusさんらしさ”が戻ってきた良作であると言えましょう。


って、レビューが締めに入る前に、最後にもう1つだけ言及しておきたいことが。

それは主人公のこと。といっても、今回は「受動的過ぎる!」という聞き飽きたいつもの批判ではなく、彼の口調について。「ちょっと待っておくんなさい娘さん方」といった江戸っ子口調が曲者でしたのでね~。

先に言っておきますけど、江戸っ子自体に否定的なわけじゃないですよ。細事にこだわらず、物事に動じず、どっしり構えた貫禄があって、侠気に満ち溢れている。そんな江戸っ子気質の主人公は素直にカッコイイ。ただ、口調まで江戸っ子なのは…。どうしても年配のイメージが強くなってしまって、私の貧困な発想では、腹巻をして、煙管を咥えた白髪混じりの小粋な爺さんになっていましたから。ところが、たまにCGで見せる主人公の姿は、そんなイメージとはまったく懸け離れた線の細いスラリとした超美形の青年。もうイメージの齟齬(そご)が甚だしくて。

そもそも、メイドさんと江戸っ子っていう組み合わせが私の中で成立しないのよ。江戸っ子がメイドさんを従えているミスマッチが、最後まで得心できませんでした。

主人公は魔導師であり、魔法使いシャロのお師匠様という一面も持っていますが、こっちは逆に「江戸っ子」としての部分が活きている。職人気質なイメージの江戸っ子と、魔法を教えるお師匠様は結び付きやすかったのでね。でもやっぱり、「お師匠様」は受け入れられても「ご主人様」は無理~。

これで台無しって思えるほどの大きな問題ではなかったものの、ずっと喉元に引っかかるようなモヤモヤが残ってしまった。江戸っ子という設定は、出来れば別の作品で用いて欲しかったな。

事前のイメージは「メイドさんとその他」って感じで、ほとんどフィエナオンリーの作品だと思っていたけど、それは間違い。サブキャラにもしっかりストーリーがあり、エッチシーンがあり、扱いはほぼフィエナと同等。だからメイドさんゲーと呼ぶのはあまり正しくないかも。「メイドさんも出てくるゲーム」ですね。

フィエナは勿論、みんな可愛くてお気に入りのキャラクターでした。特に良かったと思えるのはアヤリ・アヤリエ。私の好きな「お姉さんぶる」ならぬ「お母さんぶる」キャラでしたが、背伸びをしている可愛らしさは同様。和服にミニスカートというコモト衣装のセンスも素敵です。
06年2月1日