りこりす
-lycoris radiata-
 
メーカー〔Terios〕 発売日2006年3月24日


つまるところファッションメイド
横田さんが原画に携わる作品は発売日に即購入と、私の住む村の掟で決まっている……のですが、最近はそんな掟を破りまくりなので村から追い出されてしまいそうです。でも、りこりすは麗しいメイドさんに惹かれて、ちゃんと発売日にゲットしましたよ。

Teriosのメイドゲーといえば、ELYSIONを思い出さずにはいられない。メイドゲーが濫立する群雄割拠の時代に、他とは一線を画す骨太のメイドゲーを作り上げ、見事乱世を制した(と私は思っている)大作ELYSION。緻密な世界観が下地となった藤木隻さんによる重厚なシナリオは、壮大なスケールを生み出していました。登場するメイドさんも、見かけだけ、格好だけのファッションメイドとは違う、メイドとしての精神性を兼ね備えた真実のメイド。安易なメイド萌えに走らない本格派メイドゲーとして、私のみならず、多くの人々から賞賛を受けた傑作です。

そんな究極のメイドゲーを過去に排出しているTeriosさんだけに、「今更改めてメイドゲーを出す必要はないのでは?」と思う向きもあったのですが、どうやらこの「りこりす」は、同じメイドゲーでもELYSIONが目指していた方向性とはまったく逆方向のよう。即ち、「メイド萌え」に主眼が置かれた安易なタイプの作品で、他とは一線を画さない骨細なメイドゲーなんですね~。

……って、いきなり悪口っぽくなっちゃいましたけど、別に「だからダメ」と言う気は全然なくて。ELYSIONは確かに類い希なる傑作だったけど、あんな小難しくて面倒臭くて疲れるエロゲなんかより、気楽にメイドさんとイチャイチャしているエロゲの方がいいって気分の時もありますから。ていうか、ほとんど毎日私はそんな気分ですから。


「りこりす」には「りこりす」なりの良さがあればそれで文句はなかった。しかし、実際はそんな思いすら満たしてもらえない、これといった見所のまったくない、何とも扱いに困る平凡なエロゲだったり…。ヒロイン三姉妹は、それぞれ容姿も性格も異なるキャラだったのに、誰1人萌えという感情が芽吹かない有様。穏和で巨乳な長女、気が強くて冷たい態度の次女、元気いっぱいでロリな三女という黄金トリオは、いくらなんでも「そのまんま」すぎでしょ。ありがちゆえに行動は容易く読めるし、何が起こっても「ああ、やっぱりな」で帰結してしまいますよ。

彼女らがメイドである必然性も希薄。恐らく皆さんはメイドさんに対して、「尽くされたい」「世話を焼かれたい」といった願望を抱かれているでしょうが、このゲームはそういった行為に疎いし、動機としても弱い。

というのも、主人公はメイドを従える大層な身分の人間ではなく、ごく一般的な大学生に過ぎないんですね。帆船で自分探しの旅をしている最中に漂流してしまい、偶然メイドさんたちの住む孤島に流れ着いてしまったというわけ。メイドさんらにとっては単なる闖入者ですよ。ご主人様と傅かれるどころか、むしろ主人公は居候的な立場。私は主従関係より、恋人関係の方を好む人間なので大きな不満はありませんでしたが、上記のように「尽くされたい」「世話を焼かれたい」人には絶対的に物足りないはず。浴室で身体を洗ってもらったり、メイドさんらしさを見せるシーンも一応ありますが、やはり「ご奉仕」としての動機が弱いために嘘っぽく感じます

エッチシーンではさすがに献身的な行為が目立つも、際だったプレイはこれといって特になし。Teliosさん的には頑張っている部類なんでしょうが、決して「エロに特化している」と口にできるようなレベルじゃない。今時、純愛ゲームでもこれぐらいのは普通に転がっていますし。最後まで和姦であり続けたことと、裸になってもカチューシャは外さないという姿勢だけは立派でしたが…。エッチの時は勿論、入浴時でも頑なにカチューシャを外していません。「カチューシャを取るとメイドは死ぬ」という学説の信憑性が高まりましたね。


さて…。私の言いたいことはこれでもうなくなっちゃった。いつにも増して中身のないレビューで申し訳ありませんが、これ以上弄りようがないのです。美しいメイドと仲良くなってエッチして終わる話。こんなのを見せられても、「そうですか」としか答えようがない。ストーリーは後半、輪廻転生が絡むチョット意外な展開になったけど、それも盛り上がりを見せたとは言いにくいしなぁ…。りこりすは全部、「○○だけど○○と言うほどでもない」で語れる作品だと思います。

キャラの人数は3人+1人だけなのに、1人辺りのシナリオがすごく短い。あっという間に終了。こんなので喜べるのはレビューサイトを運営している管理人だけでしょ。

ちなみに、+1人というのは隠しキャラ的存在である牡丹という女の娘。ちゃんとエッチシーンも用意されているキャラでしたが、彼女は残念なことにロリなんですよね…。既に玖来(くくる)がいるのにもう1人ロリを追加されても…って正直思う。横田さんロリも描けるけど、魅力が一段下がるから…。

選ぶなら続璃(つづり)かな…。読書するときにはメガネをかけるという設定が良かった。「あ、メガネかけるんだ」って意外性が嬉しくなるね。まぁ、それだけなんですけど…。

このゲームで唯一感心したのはタイトルのセンス。そういうことかと納得の綺麗なタイトルです。
06年3月25日