発売日 2002年8月2日
メーカー Escu:de 

マ、マルチ?
エスクードさんはそれこそ、一流どころのブランドにも引けを取らない開発力を持っている侮れないブランドです。

取り揃える原画家陣は皆一流といえる画力を誇っておりますし、それを彩るグラフィックも超美麗。仄かに漂う上品さと丁寧さを織り交ぜたそつのない作品は、粗製濫造が蔓延(はびこ)るエロゲ世界においては極めて異質な存在。ド田舎の学校に都会から転校してきたいいとこのお譲さんのような、スタイリッシュなブランドなのです。

ただ、垢抜けているいいとこのお嬢さんには、どうにも世間知らずな所がチラホラ見えまして…。

なんというか、見てくれや第一印象なんかはとっても良いのですが、長く付き合っていくうちに段々と嫌な点が露見してくるんですよ。エスクードさんの作品をプレイしているうちに感じるのは、例外なく「ダルい」「しんどい」「飽きる」といった負の感情。同じ場所を何度も行き来させるのが余程お好きなようで、作品の都度、苦労させられます。

ラブリーラブドールは、テキストをしっかり読めば1プレイで軽く10時間を越えるほどのストーリーなのですが、これも長すぎたという感が否めません。この手のゲーム、この手の話であれば、半分程度にまで圧縮できるはず。つまり、余計な付加が多く、冗長さをワザと感じさせているかのような作品なのですね。1プレイでコンプリート出来るようなエロゲであるなら、これでも構わないという事になりますが、繰り返しのプレイが要求される作品でこのダラダラした展開は厳しすぎる。

特にゲームの要諦とも言うべき、ドールの調教シーン。この調教シーンが一番ダルいです。ドールのアイリちゃんとは、バッテリーが切れるまでの時間内エッチが可能になっていまして、そのバッテリー容量、スタート時点では4と設定されています。これは、そのままこちらがエッチのコマンドを4回選択できるということを意味しており、「優しく愛撫→激しく愛撫→焦らす→挿入」といったように、4回のコマンドを消費すれば1度のエッチシーンが終了するという仕様なのです。

問題は後半。彼女をどんどんバージョンアップさせていきますと、伴ってバッテリー容量も増えていく事となり、最終的には7つにまで膨れ上がってしまう。こうなってくると1回のエッチシーンが、「いきなり挿入→優しく愛撫→挿入→優しく愛撫→激しく愛撫→焦らす→挿入」などと、嫌気が刺すほどに長ったらしいエッチシーンになっちゃう訳なんですよ。しかも、これがほぼ毎日で、延々と。

調教エッチシーンにおけるアイリちゃんの反応、CGといったものはほとんど変化を見せてくれませんので、途中で飽きてしまうスピードは速い。中盤以降は、完璧にスキップに頼らざるを得ない状況で、本当に「仕事でやってる」という感覚に陥ってしまいます。

ゲームの肝となる部分で苦痛を感じさせられるようでは、ゲーム全体の評価も下げざるを得ませんでした。あらゆる点まで丁寧に作り込んであるその姿勢は、頭の下がる思いですが、結果として納得のいかないエロゲとなってしまっているのです。

是非、次の機会では、プレイヤーの利便性に配慮したコンパクトな作品を期待したいものです。この点を留意するだけで、エスクードさんの作品は見違えると思われますから。

アイリちゃんに様々なコスチュームを着用させて、エッチを行う事となります。彼女とわざわざコスプレでエッチしなくてはならないのには、何かもっともらしい理由があったような気がしますけど、ムリヤリのこじつけである事は明白でしたので、あまり詳しいところを憶えておりません。

コスチュームの種類ですが、とりあえず基本的な路線は総て抑えていました。学園系コスチュームに、和洋中に通じたコスチューム。変わった所では、流聖天使プリマヴェールのコスチュームも。全部ひっくるめれば、種類はおよそ20以上。

そして彼女が、主人公の指定した制服に着替えれば(着替えさせれば)、お待ちかねの調教エッチシーン。服装に応じたシチュエーションのエッチが始まります。「服装に応じた」とはつまり、「メイド→ご主人様」「ブルマ→コーチ」「セーラー服→先生」等のイメージプレイ。主人公は「コスプレ趣味は俺にはない」みたいな事を言外に匂わせているくせに、プレイでは思いっきり役になりきっています。

ちなみにその時に着ている制服は、私の提唱する非脱三原則(脱がない、脱がせない、脱いで欲しくない)に則るカタチで、全裸にしてしまう愚行は一つとしてありませんでしたよ。

イメクラマッシーンのアイリちゃん。彼女はロボット(ドール)という設定ですので、人間でないものを忌み嫌ってしまう私としては萎えさせられる要素でもあったのですが、幸い彼女は他のロボ達と比べれば断然人間に近しい存在でした。

どんなに可愛いルックスであっても、ジョイント部分に継ぎ接ぎが見えたり、耳に訳のわからん装置がついていたりしているようなロボット女と、愛を語らい合うのは不可能ですからね。その点、アイリちゃんは見た目的には全然普通の女の娘ですので一安心。

この作品、3~4度クリアしますと、オマケで完全調教モードというものがプレイ出来るようになります。これはなんと、ゲーム中に取り損ねたコスチュームやシーンをも総て補完できてしまうという、ユーザーフレンドリーなモード。私がどんなに頑張っても発生しなかった3Pも、このモードで回収する事が出来ました。

ま、これを出現させる3~4度のクリアってのが大変な苦労になるんですけれどね。
2002年8月10日