発売日 2010年5月28日      
メーカー Atelier KAGUYA 
私を抱いた責任、とってもらうからね
開巻劈頭、謎の差出人から手紙による呼び出しを受けた主人公時津大輔が、理由もわからぬまま霧谷家の豪奢な屋敷へ赴くと、娘と契りを交わし懐妊させて欲しいと女主人に懇願される超ご都合展開。なんでも霧谷家の入り婿となり、次期当主になって欲しいんですって。館モノにありがちな「買ってもいない宝くじが当たっちゃった」状態ですね。いい加減、誰かに祭り上げられるんじゃなく、自分の力で当主になってくれませんかねぇ。

ともあれ、妍(けん)を競う4人の姉妹たちから、将来の伴侶となる女性を選ぶことに。意志決定までには7日間の猶予があり、その間は「夜伽」によって、閨を共にできるという至れり尽くせり。

姉妹側としては、そんな家の仕来りだか習わしだかに従って、どこの馬の骨かわからないような男に抱かれて子を宿すなんてたまったもんじゃないと思うんですが、意外にも皆さん前向きでいらっしゃる。「アンタが次期当主なんて認めないわよ!」的なポジションかと思われた紅も、「お母様も、そのお母様もずっと、そうやって霧谷家を守ってきたんだし。私だって出来るわ」と自身の境遇を受け入れた上で、大輔に素直な好意を向けていました。夜伽でも、「今夜は私の部屋に来なさいよ!?」と超乗り気。

即ち、エッチシーンは和姦が基本線であったということ。策謀渦巻くおどろおどろしい洋館で日夜繰り広げられるラブラブ和姦……って、どう考えてもミスマッチだと思うんですが、私としては無論大歓迎。使命や義務感で仕方なく身を委ねる風でもなく、それぞれが積極的にエッチに臨んでいて、夜伽自体を楽しもうとしている姿勢は大変喜ばしいです。大人しそうな末妹の菫ですら、「えへへ、大輔さんを気持ちよくさせられました♪ また私の口で、気持ちよくしてあげますからね♪」と初っぱなからエロエロ。

ただ、全員が全員そんなスタンスでしたので、あまり代わり映えがしなかったというのはありますね。夜伽で誰を選んでも、結構シチュエーション的には似たり寄ったりなんですよ。「これは!」と目を瞠るシーンも数えるほどしかなく、エッチシーンの量が相当数あった割には、イマイチ有難味が薄い。打率の割に出塁率と長打率がそんなに高くないみたいな。そういう意味では、瀬里奈と似ているようで正反対。

メインの紅は、それこそ瀬里奈と匹敵するぐらいの魅力があったんで、彼女をもっとフィーチャーしてくれれば、あの名作の再来になり得たかもしれませんが、如何せん、他にヒロインがわんさか登場する作品。姉妹以外にも、奥さんやお付きの女中さんやセクシーなロシア人を含めて、総勢10名も存在します。これだけ攻略対象が豊富なのは贅沢なことであるものの、私のように特定のヒロインに入れ込む人間にとっては、必ずしもメリットになり得なくて…。サブキャラに労力を費やすぐらいなら、メインである姉妹に、紅にもっと愛を注いで欲しかった。紅と結ばれたあとのエッチが夜伽の数より少なかったのは拍子抜けですよ。

ちなみに、彼女には寝取られ陵辱シーンもあり。しかし、陵辱輪姦要員として、胡散臭い男性キャラがたむろしていましたし、これは最初から充分想定できた事態。私も覚悟の上でしたので、全然気になんかなりませんでしたよ!

「ぁ……ふ、んっ……!そぉらのっ……わらひ、もっ……お便器……らのぉっ♪」
「くっ、紅っ……くれないいいぃぃッ!! 目を覚ませ! 俺を見ろッ!」
「ふあ、あ、んっぷちゅりゅ……ンンンンンッ♪ イク、イクっ! ぁむ……んっぢゅるるるるるる!!」
「やめっ……やめろォォォォォッ!! これ以上、紅をっ……紅を穢すなァァァァァッ!!」

ん、なんだ…? 俺の……涙か……。

まぁ、この寝取られ陵辱は単なるバッドエンド扱いで、そんなに尾を引くものじゃなかったのが救い。瀬里奈のときのようなトラウマはないです。せいぜい2,3日身体の具合が悪くなるぐらい。和姦と陵辱の割合は2:1ぐらいかなと思っていましたが、実際はほんの一握りしか陵辱がなく、思った以上に和姦中心だったんですね。


Atelier KAGUYAのかつての名作、人形の館と瀬里奈が混ざ合わせたような作品でありながら、人形の館らしさを求めたり、瀬里奈らしさを求めたりすると、不満が残ってしまうかもしれません。お互いの特徴を持ち合わせているようで持ち合わせていないのが霧谷伯爵家の六姉妹のややこしいところ。とはいえ、ヒロインもエッチシーンも膨大で、万人受けしやすい作品であるとは思います。「○○が好きな人に是非!」という薦め方はしにくいのですが、誰がやっても一定の満足感は得られるでしょう。

MWCやら夏神やら、エロ離れと共に宿星の輝きが失われていたKAGUYAさんでしたが、これで本来の輝きを取り戻しつつあるのは何より。

六姉妹は単なる華族のお嬢様ではなく、実は吸血鬼の一族だったことが判明してからは、お話も面白くなってきました。紅は催眠術を使えたり、それぞれが異なる特殊能力を秘めているのも見どころ。長女の撫子だけ、「母乳が出る」という非常に役に立たない特殊能力だったのは可哀想でしたが!

良家のお嬢様でありながら、変に構えたり畏まったりせず、恋人気分でフランクな態度で接してくる紅は超カワイイ。初っぱなから速攻エッチできちゃうんで、瀬里奈のときのような落差の美はありませんが、「きゃんっ♪ あんっ、もう……襲われるっ~」とノリノリで、楽しそうにいちゃつきながらのエッチはやっぱり最高

次点は、次女の霧谷牡丹。遅れてやってくる享楽的なエッチなおねーさんで、HBではなくBYに出てきそうなタイプ。夜伽候補じゃないのに積極的にエッチをお誘いしてくるのがたまらない。
2010年6月10日