キミといっしょにデキること
メーカー〔ハイカラ喫茶〕 発売日2004年8月12日


尋常ならざる普通さ
ハイカラ喫茶さんの作品は、これが初購入。ここのサークルさんは以前より気になっていて、Nestel Closeシリーズなんかは出るたび、買おうか買うまいか悩んでいたものです。

惹きつけられるのは、何といってもその美しいCG。志乃武丹英さんという方が描く絵は素晴らしく、大いに購買意欲を掻き立ててくれる。ただ、それ以外に訴求するものがないのもまた事実。どうもハイカラ喫茶さんの作品には、これといった特徴が見られなくて、私がいつも後1歩のところで逡巡させ続けられてきたのは、「最後の一押し」がなかったからに他なりません。やはり、数あるエロゲの中で選び抜くためには、他とは違う大きなセールスポイントが欲しいもの。総合力で劣る同人ソフトであるなら尚更。

そういった意味では、この「キミといっしょにデキること」も特徴の見当たらない作品になるんですが、今回こうやって購入を決意するまでに至っているのは、登場キャラの1人、“織梓路巳緒(おりしろみほ)さんに一目惚れしたから”という至極単純な理由だったり。黒髪ロングの綺麗なおねーさんという、個人的趣味にジャストミートしている巳緒さんは、私の心を掴んで離さなかった。ともあれ、彼女が足りなかった「最後の一押し」となって、ようやく私はハイカラ喫茶さんの作品を初購入する運びとなったわけなのです。……長い前置きでした。


さて、気になる中身に関してはというと、これは想像していた通りというべきか、やっぱり「普通」でしたね。あまりに普通すぎて、のっけからコメントに苦しんでしまう程、本当に特徴のない平々凡々としたエロゲでした。

ストーリーは、大学時代の憧れだった由愛(ゆめ)さんと偶然再会した後、何だかんだあるうちに、いきなり彼女が「えっちしていいよ」と切り出してきて、後は寝て起きてバイトしてエッチするだけという超適当な話。エロは、愛撫と挿入が主体のごくごく有り触れたセックスで、特別なことは何もない(コスプレぐらい)。未亡人ですが、背徳感があるわけでもなく、巨乳ですが、胸にこだわりがあったわけでもなく、ただただ普通にセックスを営むだけ

誤解して欲しくないですが、ダメって訳じゃないんですよ。エロくなかった訳ではないし、テキストが特別拙い訳でもない。落ち度と呼べる点は特に何もないのですが……普通すぎる。昨日今日エロゲを始めたような初心者ならまだしも、擦枯らしな私には、さすがに物足りるものではないんですよね…。普通であることは非難の対象にならないとしても、やはり無個性であることはつまらなさに繋がるものでがないでしょうか。これだけ味も素っ気も色気もないフツーなエロゲでは、印象に残らないし、面白味が感じられません。

そして、更に追い討ちをかけるのが、目当てとしていた巳緒さんが実は単なる脇役だったという笑えない現実。

そう、大変ショッキングな話なんですが、この作品、ヒロインは未亡人の由愛さんオンリーで、黒髪ロングで綺麗なおねーさんである巳緒さんの出番は、ほとんどなかったのですよ~(泣)。

てっきり、私は由愛さんと巳緒さんのダブルヒロイン制だと思いこんでいましたが、まさかまさかで巳緒さんは脇役。エッチシーンは一応あるにはありましたけど、たった1つだけで、それもパッケージの裏に載っていた3Pのみという俄かに信じ難い悲惨さでございまして…。一体、何のために私はこのソフトを購入したのか、その意味を途中で完全に見失ってしまいました


てなわけで、残念ながら私には何の益体もないエロゲだったと言わざるを得ません。落ち度のない作品を批判するのはメチャクチャ心が痛むんですが、つまらないと正直に感じてしまったのだから仕方がない。これはもう、完全に相性が悪かったってことでしょう。ハイカラ喫茶さんが今後も「普通」であり続けるなら、私はこの作品が最初で最後になりますね。絵は大変魅力的なので、お別れは告げるのは非常に名残惜しいのですが…。

クレージュさんと同じく、吉里吉里のシステムで作られています。従って、雰囲気や操作感覚はまったくの同一。塗りの感じもどことなく似通っているし、プレイ中はふとクレージュ作品をしているような錯覚に陥ってしまうこともしばしば。だからこそ、どうしてもクレージュさんの作品と比較してしまわざるをえないんですが、あの異常ともいえる強烈な個性と比べてしまうと、この作品の個性のなさが余計に際立ってしまって…。

少しでも良い部分があれば、私は脚色して褒めまくるし、少しでも悪い部分があれば、私は脚色して貶しまくるけど、普通なのはどう脚色しても普通なのですから、何ともレビューが書きにくい。

はい……織梓路巳緒さんでした。今日はもう勘弁してください。
2004年8月21日