発売日 2003年6月6日
メーカー elf 

鬼作の人と信じていいのか
古すぎて前作はさすがにやっていない河原崎家の一族。とはいえ、前作のキャラは一切出ていないようなので、続編という意味合いはほとんどないように思えます。前作をやってない人でも問題なくプレイできることを殊更強調していますし、ここは安心しても良いでしょう。

ただ、この河原崎2は何処か親しみと懐かしみのあるテキストで、往年のelf(Silky’s)のゲームをやっているという思いがすごく強く伝わってくるんですね。そういった点では、紛れもなく河原崎家の続編と言えるのかもしれません。当然、内容はすごく面白い。テキスト量は相当ありましたけど、一言一句噛み締めるようにじっくりと味わわせていただきました。

そんな物語は、河原崎家当主縄綱の「誕生日」が中心となって語られています。縄綱とは、一言で言えば狂人。河原崎家は既に斜陽となり、自身も高齢のため老い先は短いという状況が彼を狂騒に駆り立てるのか、自らの子供(養子)たちを一堂に集めて、回春を目的とした狂気の宴を広げる。

主人公はこの宴を幾度も体験させられることになります。どういうことかと言うと、例え主人公が宴の途中で死を迎えたとしても、悪夢から覚めるように、また誕生日の前日に話が戻されてしまう。延々と終わらぬ悪夢を断ち切るために立ち向かうようになってからが物語の本番です。

秀逸なストーリーには、ルートの豊富さで面白さの拍車を掛けています。これはもう、チョットやそっとでは全部のルートを埋められるようなものでなく、チャートでルートを把握できるナビマップ機能を頼りにしても、コンプリートには相当な労力を要します。作っている方を想像するとゾッとしますね。フラグ立てだけでも地獄のように面倒臭い作業だったでしょうに。差分を含まずに250枚以上はある莫大なCG量を含めて、手間は他のエロゲの5倍ぐらい平気でかかっていそう…。

次にエッチシーンですが、正直こちらはあまり歓べない内容でした。館内で繰り広げられる狂乱は、読み物としては大変面白いものの、エッチシーンとして評価すると話は違う。当然、陵辱志向のエッチシーンになっていますから。

しかも、ただの陵辱に留まりません。なんというか、縄綱の悪趣味ワールド全開。脳が焼かれているジャンキーには通常のセックスで愉悦を感じられるはずもなく、他人の屈辱や羞恥や落胆も加味しないと興奮できないという迷惑振り。よって主人公は、ムリヤリ命令されたり、否応ない状況に追い込まれたりと、自主的ではないエッチのシチュエーションが多いんです。爺さんの掌の上で行われる行為といった感じで、主導権が全然こっちに回ってこないもんですから、ただ陵辱が趣味に合わなかったという理由だけでなく、とても気分の良くないエッチシーンだったんですよ。

せっかく主人公には可愛くて健気な恋人杏奈がいたというのに、館にいる間は彼女との普通のエッチシーンが1つもないんですもの…。てゆーか、寝取られの方が普通に多かったし! 物語が始まって5分ぐらいで、「うわ、寝取られそう!」とシックスセンスが働いてしまいましたが、そんな悪い予感はズバリ的中。あの「うちの妹のばあい」の後ですから、少々の寝取られなんて平気……とはやっぱりいえず、彼女が寝取られるシーンで気分はガクッと落ち込みました。2週連続の寝取られは骨身に堪える…。Ctrlのスキップ速度が高速だったので、シーンそのものは速攻で飛ばせられたのがせめてもの救いか。

寝取られ以外には、これまた大嫌いなSMが充実していたということもあり、今回の河原崎家2のエッチイベントは、ことごとく私のテリトリー外の出来事でした。そりゃ確かに私のテリトリーは常人より狭いですけど…。

あ、でもSM関連で実は1つお気に入りのシーンがありましたね。メイド美香に車の鍵の在り処を吐かせるため、椅子で拘束し拷問するというシーン。これ1つだけは、本来SMが大嫌いなはずの私を燃え上がらせてくれたのです。

この美香というメイドは、非情冷徹サディスティックな性格で実行犯的なキャラクター。主人公も度々彼女には辛酸を舐めさせられていたので、初めて優位が逆転するこの拷問シーンは、今までのお返しとばかりに気分が大いに高揚してくる。

苛虐心を一層煽ってくれるのが、彼女の態度。涙目で「や、やめて…」と哀願されたら拷問なんて絶対にできなくなる軟弱な私ですけど、彼女の場合は窮地に陥っても怯まず、高圧的な振る舞いで余裕の表情を崩さない。この気丈な態度が、苦手な拷問でも意欲を奮い立たせてくれるんです。

実際に責め苦を与えても、美香はまるで動揺を見せようとせず、主人公への嘲弄を止めようとしません。鋭い眼光で睨み付けながら脅し文句を吐く彼女には、しばしば自分が劣勢に立たされている気分にさせられるほど。そんな彼女の気迫に飲まれまいと、こちらも拷問をエスカレートさせていって、途中からは完全に悪者の心情でしたね。「いつまでその余裕の表情でいられるかな?」と楽しくてしょうがない(最後は心が痛んだけど)。気が触れるまで強がりを吐き続けられる彼女は、敵ながら本当に天晴れなやつでした。


しかし! このサイトは和姦エロゲ推奨サイトであり、「拷問が良かった」なんて不埒な理由で、エロゲを評価するわけにはいきません。ここはビシッと断罪しておかなくては! 矛盾しまくっているようですが、これは私の譲れぬこだわり。結果的に和姦が1つしかなかったこのエロゲは、なでしこやまと的に認めるわけにはイカンのです。このエロゲのエッチシーンを認めるってことは、縄綱と同じ穴の狢ということにもなりますしねぇ…。

ギロチンの紐を女の口に咥えさせ、爺さんはその女を後ろから容赦なく責め立てる。やがて、女が耐え切れず喘ぎ声を上げてしまったら、ギロチンの刃は落ち、恋人の首が飛んじゃった。一部始終はご親切にもムービーで表現されている有難迷惑。エッチシーンにギロチンを扱うような真似は金輪際やめてね~。

恋人の杏奈ではなく、敢えてメイドの美香を推したい。怯まず不敵な彼女に惹かれてしまいましたよ。顔射口射を選ばせておいて、その通りにさせない憎たらしさも、むしろ褒めてやりましょう。
2003年6月10日