発売日 2005年4月28日
メーカー Atelier KAGUYA 

贅沢の味を覚えるのは一瞬
Atelier KAGUYAさんは安定期に入られたのでしょうか。

グラフィック、テキストの両面で高いクォリティを保ち、今回もさすがと言える濃厚なエロ。これまでKAGUYAさんで培われてきたものは、この家庭教師のおねえさんでも如何なく発揮されており、信頼を裏切らない、安定したパフォーマンスを見せつけてくれていました。

ただし、サプライズはない。良くも悪くも従来通りの内容でして、毎回新作が出るたびに新たな驚きのあったKAGUYA作品としては異例なほど、これといった新鮮味がない作品。スタンスやノリはほぼ前作のナースにおまかせと同一で、単にナースが家庭教師に代わっただけの作品とも取れてしまうのですね。

キャラもエッチの内容もナースにおまかせと平気で被っていますから。被っているなら被っているで、ナースにおまかせと同等のレベルであればまだ良かったですが、キャラクターの個性は前回より微妙に劣っているし、プレイも全体的にやや大人しめ。一回り萎んでしまった印象が拭えないので、どうしても見劣り感はあります。


今ひとつ私が釈然としない気分である理由の1つに、「家庭教師」という題材が活かしきられていなかったこともあります。家庭教師の魅力って、先生と友達、その両方の側面を持っているところでしょ? 学校の先生ほど禁断でもなく、友達ほど親密でもない……そんな微妙な距離感が家庭教師の良さだと思うのですが、この作品における家庭教師は完全に友達感覚。教師としての威厳ってものがまったく見られません。フレンドリーな関係が悪いわけではありませんけど、それならタイトルは「ご近所のおねえさん」で充分だったわけで。タイトルに家庭教師と付くからには、やはり家庭教師としての魅力が私は欲しかったですよ。

勉強もろくに始めないうちに、いきなりエッチから入ってしまうのは何だかね~。「おねーさん(のおっぱい)が気になって、勉強が手に付かない!」状態への追い込みが急すぎます。具体的に言えば、もっと焦らして欲しかった。この辺、MILKジャンキー2の房野友香が上手にやっていたんですけど…。家庭教師のおねーさんが一様に「私も私も~」の軽いスタンスであっさりエッチを迫ってくるのは拍子抜けですよ。ナースにおまかせではそれが利点でしたが、単純にそのまま繰り返しちゃダメでしょう。

あと、これは個人的な嗜好になりますが、「何故なんだ!」と声を大にして叫びたかったのは、メガネをかけたキャラが1人もいなかったこと。キャラクター紹介の時点でメガネキャラが1人もいないのはわかっていましたが、授業中だけメガネをかけるとか、必ず隠れメガネがいると信じていたのになぁ…。メガネ好きな私はガックリですよ。メガネなくして何が家庭教師か!(偏見)


ま、何だか批判めいた内容が続いてしまいましたが、本心で言えば、私はそれほどこの作品に対して不満を抱いているわけではないんですけどね。むしろ、喜んでいる方。そりゃ、前回のナースにおまかせと比べると劣っている事実は否めませんが、あの大傑作を少々下回ったところで、結局傑作であることには違いありませんので。

大体、ラブラブ和姦遵守で、年上のおねーさんがヒロインで、ChocoChipさんの美しくも可愛らしい絵で、フェティッシュな描写と効果的な淫語が冴えるテキストで、汁描写への配慮もしっかり欠かしていないこの作品に、私が不満を感じる道理などあるわけがない。批判だなんて滅相もございません…。「家庭教師っぽくない~」とかウダウダ言っていたのは、他にこれといって記述することがなかったから、ムリヤリ粗探ししていただけに過ぎませんよ。

最初に「サプライズがない」なんて生意気も言っちゃっていましたが、KAGUYAさんに無理にサプライズを要求すると、また陵辱や触手や寝取られで驚かされる可能性が高いので、それなら今のまま安定路線で突っ走ってもらった方が何倍もマシです。「和姦は行き詰ったから陵辱に戻そうか」という発想こそが、私は何よりも怖い。まだまだ伸び代はあるのですから、自分を信じてこの道を真っ直ぐ突き進んでくださいね、KAGUYAさん!

更なる上達を経たChoco Chipさんの絵。家庭教師のおねえさんが前作のナースにおまかせを上回る唯一のアドバンテージはこれ。

ロリ専門の原画家さんだと思い込んでいたのに、いつの間にやらこれほど完璧なおねーさんを描ける人に成長されるとはね~。セクシー小学生だったドキドキお姉さんの頃の絵と比べてみると一目瞭然。ご自身も弱点と認めておられた胸の不自然な描写も完全克服して、もはや何の欠点もございません。右利きの人が弱点の左足を鍛えている内に、左足のシュートの方が強くなってしまった感じですね。

お気に入りは汐乃渚(しおのなぎさ)。でも見た目から想像していた感じとまったくと言っていいほど変わらないキャラだったので、あまり印象には残りにくいかも。そういった意味では、雨宮天音の方が印象に残りました。

やっぱり4人もいるんだから、1人ぐらい教師と教え子の距離を保つキャラが欲しかったなぁ。距離が近すぎると、「憧れ」の対象になり得ませんから。作品では4人の家庭教師と同居をしていましたが、これも明らかに逆効果だったかと。
2005年5月3日