発売日 2005年10月21日
メーカー ブルゲ ON DEMAND 
えっ、そっちと結婚したの?
2003年9月、MILKジャンキーの登場により、乳ゲーなるものが広く世間に膾炙(かいしゃ)されたことで、今では「おっぱいにこだわった作品」は珍しくないまでに普及しました。チョット前にはこの手のエロゲが皆無に等しかったことを考えると、非常に喜ばしい傾向でありますね。MILKジャンキーの功績と世に与えた影響は大であると言えましょう。

しかも、MILKジャンキーは単なる開拓者に終わらず、今も現役として、先陣に立ち続けているところがすごい。跡を追うように様々なメーカーから類似した乳ゲーが出てきても、まだまだMILKジャンキーのレベルには一歩も二歩も及んでいないのが現状。このジャンルにおいて確固たる地位を築き上げており、MILKジャンキーの、引いてはシナリオライター鏡裕之さんの独走はこれからも当分続いていきそうな勢いです。

その由緒正しきMILKジャンキーの3作目は、1作目に登場していた美月さんが再登場。当時の夫と離縁し、今では正式に主人公の妻となりました。新婚ほやほやのラブラブ夫婦生活で、当然のことながらエッチは和姦一色。私好みのシチュエーションであるのはもはや言うまでもございません。

念願の巨乳妻を娶った主人公は、その巨乳を毎夜独り占めして堪能している薔薇色の日々。揉む、掴む、吸う、舐める、抓る、押す、引っ張る、持ち上げると、MILKジャンキーお馴染みの「おっぱいコマンド」で、100cmIカップの巨乳を自由に弄ぶことが可能です。

この素晴らしき「おっぱいコマンド」の更なる充実が、3の大きなセールスポイント。ずらっと縦に並んだ選択肢の中から自由に好きな行動を選べるのはとても幸せですね~。「何だ選択肢が増えただけか」と言われればその通りなのですが、選択肢が多ければそれだけプレイヤーの意思を介入させられるということであり、「目の前の巨乳を好きなようにしたい」というプリミティブな衝動を存分に満たせるということ。選択肢が増えたのはとても重要なことで、侮ってはなりません。この辺はさすがMILKジャンキー、求められていることがよくわかっています。

ただ、「おっぱいへのこだわり」という根幹部分への信頼は微塵も揺らがなかったものの、今回はそれ以外……いや、それ以前の部分で納得のいかないところが多くて…。1,2と比較すれば、急激にその魅力は落ちたと言わざるを得ないのですよ。

最たる原因は、ヒロインへの不満。美月を再起用する意味ってあったんでしょうかね…? 彼女が嫌いというわけではありませんが、鏡さんの作品はただでさえ代わり映えしないというのに、同じキャラクターを再登場させちゃうと、そのマンネリ感は一層強まるんですよ。ものすごい人気を博したキャラというなら頷けますが、美月がそんなに広く愛されたキャラとも思えないですし…。どうせ再登場させるなら、娘の玲奈ちゃんにするのが普通だと思いません? 結婚してグッと大人っぽくなり、更にグラマラスに成長した玲奈ちゃんなら、1との区別化も付きますし、再登場させる意義もあった。しかし、美月さんでは伸び代が…。もう結構なお年であるはずなのに、そのパーフェクトなプロポーションを維持し続けているのは素直にすごいと思いますけど。

片割れの瞳さんは新キャラですので期待を寄せていたものの、なんと彼女は個別で攻略すら出来ない完全なる脇役。3ではおっぱいコマンドの充実と並んでハーレムルートの強化が売りになっていましたが、実はこれ、瞳のエッチシーンを削った上での結果だったのね。即ち、従来は「キャラA+キャラB+ハーレム(少)」だったものが、「キャラA+ハーレム(多)」になっただけ。ボリューム的には綺麗さっぱりプラスマイナスゼロなんです。これは納得いかないなぁ~。

ぶっちゃけ、MILKジャンキーはシリーズを通して内容に大きな差があるわけではないので、作品の優劣はほとんどヒロインの魅力で決まるんですよ。そのヒロインにあまり魅力を感じなかった今回は、それだけ評価も下がってしまいます。2の房野姉妹が恋しい…。


そして、もう1つ苦言を呈すのなら、それはテキスト。今回はいくらなんでもテキストが受け付けられませんでした。

鏡さんは元々癖の強いシナリオライターで、特徴ある言葉遣い、乏しい言い回し、過剰なレトリックがあり、その筆致に拒否反応を示す人も少なくありません。喘ぎ声は相変わらず「ンフン、アフン、ハフ~ン」ですし、一歩間違えればコントの域。私はどちらかというとそんな独特なテキストも個性であると好意的に見ていたのですが、さすがにこれほどまでに突き抜けられてしまうと、立場を変えたくなってくる…。

美月&瞳 「欲望溌剌~?」
主人公   「オフコース! オッパインC!」
美月    「ンフフフフ」
瞳      「ンフフフフ」

ですからねぇ…(どのようなシーンなのかは各自ご想像ください)。楽しくやっているのは大変結構なことですけど、恐らく大多数のユーザーはこのやり取りに置いてけぼりを食らっていますよ。「ぐほ~~~!」「ぎょは~~~!」と奇声を上げながら異常な興奮をしている主人公を見て、逆に冷めてしまう人も多いのでは。確かにこんなフェチに偏った作品では、クールを気取った主人公なんかより、欲望丸出しな主人公の方が絶対適していると思う。大好きなおっぱいに囲まれて無邪気にはしゃいでいる姿には好感も持てるんですが、何事にも限度というものはありますわね…。彼のテンションの高さは酔っ払っているオヤジに近いものがあって、他人が同調しにくいものだと思います。

まぁ、鏡さんのテキストは以前よりこんなスタイルですし、今更どうこう不満を述べても不毛であるのはわかっていますが。でも、今回のように作品自体が物足りない出来に終わってしまうと、今まで看過していた部分も途端に許せなくなってくるもの。短所が気にならないぐらい、長所が秀でていなければダメですよ。


MILKジャンキー3は、乳ゲーとして依然ナンバーワンに輝く存在であることを証明しましたが、同時に限界も薄っすら見えてきました。このままキャラのすげ替えだけで遣り繰りしても、メッキが剥げるように劣化していくだけですし、傑作だった2を超える作品は二度と出てこない気がしますね。次は単なるマイナーチェンジではなく、何かしらのイノベーションがなければ苦しいでしょう。

映画の3作目は鬼門であるように、今回のMILKジャンキーはジンクスに当て嵌まってしまったものだと諦めて(ゲームは3作目が傑作である場合が多い気もしますけど)、素直に次の4を待ちたいと思います。最終的には10作目まで出してもらわないと困りますからね!

あれ? そういえば乳揺れシステムがなくなっている。あの中途半端な乳揺れが良かったとは思えないけど、会話の途中で無意味に乳を揺らすというのが好きだったのに~。なくなると寂しい。

豊原美月さんより、豊原瞳さんの方が好きかなぁ。それだけにぞんざいな扱いに終わっていたのが悲しかった。それから、エッチシーンではことごとくメガネを外していたのはどういうこと!? 断固抗議する。
2005年10月23日