実姉妹~濡れた相姦図~
メーカー〔ANALOG FACTORY〕 発売日2002年7月12日


インディーズ露払い
まさに言葉の通りである空前の問題作。衝撃の製作発表から、発売までの平坦でなかった道程(みちのり)が、それを裏付けています。

まず最初に訪れた「こみっくパーティー」を模倣した絵の問題。これで版権元からのクレームがつき、製作発表直後からいきなり躓いてしまう格好。急遽グラフィックの全面差し替え作業を余儀なくされ、それに伴ったスケジュールの遅延を引き起こしてしまうことに。

その後も店舗販売でのゴタゴタに、某倫理機構(っぽい所)からの妨害工作なども複雑に絡み、発売日は相次ぐ延期。送金を早くから済ませてしまっていた私にとって、制作進行と並列して綴られてきたタドコロニッキにハラハラドキドキの毎日でした。

紆余曲折あってようやく手にすることのできた実姉妹ですが、実のところ、今にして尚評価を決めかねていたりしています。一応便宜として80という点数はつけさせて貰いましたが、これが依然正しいものなのか間違っているものなのか、自分自身まったく以ってわからない。といいますのも、今までのエロゲとは明らかに性質の異なる作品であるので、「他と比べる」という事が極端に難しくなっているのです。

余計な雑念は捨てて、純粋に単体のエロゲとして評価をしてみれば、文句なしで良かったとは言えます。これだけ愚直にエロティシズムに邁進している姿は潔い。決してストーリーを疎かにしている訳ではありませんでしたが、それでも怒涛といえるのエロシーンの連続は、ユーザーのニーズをよく理解しておられます。

そして、実姉妹のレゾンデートルとも言うべき「タブー破り」。この破壊力もやはり甚大なものでした。主なタブー破りはといえば、「近親相姦」と「淫語無修正」の2つで、それ以外のものもまとめてみますと、「18歳未満少女」「アナル無修正」「モザイク薄消し」といったところでしょうか。

しかし、これら破壊力抜群のタブー破りが、「賞賛」の二文字へ収斂(しゅうれん)されるのかといえば……それはチョット微妙なところであったのです。例えば近親相姦。これがどうにも「血を分けた姉や妹とまぐわっている」と感じにくいんですよね。テキストでは実の姉妹とセックスしているとなってはいますが、「あぁ、血縁の姉とやってるのか」ぐらいにしか思えず、正直「同級生2」で鳴沢唯と交わされるエッチシーンの方が、背徳感という意味では数段上でした。

即ち、血の繋がった姉妹とのセックスというものは、まず精神的なものありきであるかと思われます。邪魔っ気であっても、行為の前に一定のプロセスを踏まなくては、せっかくの近親相姦もあまり意味を為さないもの。血が繋がっているとはいっても、肉眼で確認する事は出来ないのですから、結局のところ、今ベッドに横たわっている人間が本当の姉(妹)であるのだと錯覚させなくては、背徳的な興奮に直結していかないものではないでしょうか。と、近親相姦属性のない私は思いますけどね~。


今、最も解り易い例として近親相姦を取り上げましたが、他のタブーに関しても同等のことが言えまして、どうもこの実姉妹は、タブー破りをただ詰め込んだだけという感が拭えず、それを活かし切っていたのかどうかという大事な点はあやふや。

もしこの実姉妹が、音声に修正が入っていて、近親相姦や年齢制限も遵守して、モザイクも他メーカーと同じ大きさの作品であったら、言い換えればソフ倫の枠内で作られた一般作であったのならば、これはまるで取るに足らない凡作であったでしょう。実姉妹の意義は「枠の外にあること」と「枠の外にあったこと」この2点。穿った見方ではありますが、ただ単に法(ソフ倫の)を破っただけのエロゲであったとも言えなくはないのです。

勿論、こういった「もし、たら、れば」の話は無意味ですし、法を破っただけでも充分賞賛に値する行動である事は確か。私が冒頭に「判断を決めかねている」と申しましたのも、こういった「点在した不満」だけでなく、確実に「存在した功績」も同時に認めているからなのです。粗悪な部分をもひっくるめて是認されたものがインディーズであると思っていますから、ここを槍玉に持ってくるのはお門違いであるのかなと。ある一種を極限まで特化させたものが、インディーズとしての正しい姿であるはずですからね。


最後に値段的な事について言及させて頂きますが、様々な功績を承知とした上でも、さすがにこの実姉妹を1万円のエロゲであったとは認めにくい(定価は8800円・現金書留で購入した私はいろいろ含めて1万円)。実姉妹の適正価格は、他の店頭で買うエロゲと同程度、6000円前後が関の山でしょう。

私見としては、インディーズ作品第1弾としてなら条件付きで納得。現時点でこの地上に類がないわけで、他と比べようがないのですから仕方なしです。ただし、この実姉妹と全く同じ性質の「実姉妹2」が、再び同じ1万円で売られたとしても、私が購入する事はまずないと断言できます。あくまで1万円という値段は第1弾であったからこそ。

次回作からはもう、この実姉妹で多用したインパクトをそっくりそのまま引き継ぐ訳にはいかないのですから、また何かしら新しいタブー破りを考案するか、値段を妥当なものに引き下げるかの工夫をしない限り、実姉妹を上回ることは難しいでしょう(セールス云々ではなく)。

近親相姦であろうが淫語無修正であろうが、絵が下手であったのなら買う事はなかったといえる程、私のエロゲの評価の拠り所はグラフィック面。しかし、実姉妹のグラフィックに関しては、みつみ美里さんを真似たような絵であったので(ようなはいらないか)、この点については取り立てて心配はしておりませんでした。

しかし、画面拡大を多用しているので思った程グラフィックは美しくなかった。実姉妹の売りの一つでもある薄消しモザイクが、拡大によって台無しになってしまうという、致死的なデメリットも存在しましたので、これは明らかにマイナスイメージです。

名目は同人ソフトですが、システムまわり等はしっかりとしたもので、粗悪さは感じさせません。もっとも、最近は同人作品であっても、一般作と見紛う程に優秀なものが多くなっていますがね。

さて、実姉妹の基本的なシステムですが、大抵のものは装備されていました。ですが、大きな欠陥としてバックログがなかった。更には、既読未読判別スキップもついていなかったので少し不便さを感じる所ですね。回想モードでは、淫語(卑語)を再生できるモードがあったりと、ユーザーフレンドリーな一面も見せているだけにチョット残念でした。

初回特典で封入されていた「卑語ディスク」。このディスクには大別して「歌」「ドラマ」「自慰用エロボイス」の3つの種類が収録されており、どれもが素晴らしい出来の必聴モノではありましたが、この中で白眉といえる存在なのが「卑語ドラマ」。

これにはもう、メチャクチャ笑わせて頂きましたよ。史上最低の下ネタです(この場合最低は誉め言葉)。特にヨウコのドラマ「しりとり」は素晴らしすぎるっ。いつかこういうノリで一本のエロゲを作って欲しいものですね~。

今回、お気に入りキャラクターに選ぶのは、実の姉でもなく実の妹でもなく、結局主人公の恋人であるユキ。これだけ強烈なエロシーンが数多く用意されている作品なのに、私が一番良かったと感じたシーンは「彼女と一緒にお風呂に入っているシーン」。ここら辺で私の人畜無害さが窺えます。

でも、実際ユキのシナリオではかなりの期待感がありました。彼女は淫乱や強制や嫌々でなく、自らの意志で、恋人のシュンスケ(主人公)に「チンポ舐めたい」と無邪気におねだりしてきたりする。これは最高です。
2002年7月12日