? 十六夜の花嫁 なでしこやまとレビュー
発売日 2003年7月11日
メーカー Mink 
続発、腹上死
お嫁さんの理想は昼は淑女で夜は娼婦! 淑やかなだけじゃ味気ない。旦那をベッドで歓ばせられる娼婦の顔があってこそ、至高の妻と呼ぶに相応しい…。今宵、至高の妻を娶(めと)らんために、我は夜這いを以って候補たる花嫁の身体を吟味する!

「夜這い」とはいささか恣意的で、ムリヤリ手篭めにしちゃうような手荒なイメージが付きまとってしまいますが、この作品の場合、ヒロイン側が全員主人公の来訪を歓迎していますから、単なる逢瀬であると捉えてもらって結構ですね。雰囲気的にも、一足先に新婚生活の房事が始まったかのようなまったりした空気。これは非常に私好みのシチュエーションであったといえましょう。

でも、そんなこと以上に私を歓ばせてくれたのが、なんといってもエッチシーンの素晴らしさです。十六夜の花嫁、これはものすご~くエロかった。多少の期待感は持っていましたが、まさかここまでやってくれるとは。


エッチシーンの内容は限りなく直球勝負。小細工なしの裸と裸のぶつかり合いといった、本来のセックスの魅力に主眼が置かれている感じ。変化球的な、いわゆるアブノーマルなプレイは織り交ぜられておらず、これだけ種類の多いエッチシーンであってもフェチな要素は盛り込まれていません。この辺は、婚前交渉であるがゆえに、あまり無茶な真似ができなかったという理由でしょうか。

しかし、そこには正統派の凄みが溢れています。体位とオーラルの多さは目を見張るほどで、700を優に超える膨大なCG数に裏付けられた幾多のエッチシーンのバリエーション。テキストも良好で、グラフィックは最上級、INOさんの最高の絵がエッチシーンの破壊力を2倍3倍に増幅してくれています。INOさんの描くにはそれだけの価値がありますよ。

もう一つ、「汁」に関してもコメントしておきたいです。最近、全然汁の話をしていなかった(する機会がなかった)ので、自分が汁好きであることも危うく忘れかけてしまいそうになりましたが、この十六夜の花嫁はそんなかつての自分を取り戻してくれるのに充分なポテンシャル。どんな体位のエッチでも必ず射精シーンがセットになっているぐらいで、膣内射精と膣外射精の両方が常に選べる嬉しい気配りを見せてくれました。フェラ&パイズリも同前、ほぼ総てのシーンで口射と顔射が用意されていたのが泣かせますねぇ。


極上のエッチシーンを思う存分堪能できる十六夜の花嫁は無類の傑作であることは揺るぎない真実。……ですが、それだけに専念することが許されなかったという欠点が1つあったことも事実。レビューする上で、ここは指摘しておかなくてはなりません。

この不満は、作品の大きな特徴、主人公が吸血種であるという設定に起因します。吸血種ということは即ち、人間の血液を欲する生き物。主人公には不満度というパラメーターが設定され、この数値が蓄積されていくと、セックスの最中であろうが我慢できずにヒロインの首筋に噛み付き吸血し始めてしまうのです。従って、こちらは考えなしにエッチシーンを楽しむばかりでなく、常に自分の吸血衝動に注意を払っておかなくてはならないんですね。

好き勝手できるけど、好き勝手したらゲームーオーバーというのは、案外ストレスが溜まってくるものです。楽しくセックスに耽っている真っ只中で、(渇ク、血ヲ、早ク血ヲ…)と唸りながら突然噛み付いてちゅるちゅる血を吸われると、興が殺がれること必至。後半になると、一鎖のエッチシーンの中で何度も何度も血を吸うことになり、最大5回連続吸血シーンという惨劇も目の当たりにする羽目になりました(当然ヒロインはご臨終)。挿入するごと、体位を変えるごとに主人公がちゅるちゅる血を吸いだすようになりだすと、さすがにこっちも堪忍袋の尾が切れかかってきます。

まぁ、慣れてくれば吸血を控えさせるやり方もわかってきますし、クリア後のフリープレイでは吸血なしで思う存分楽しめますから、実際にはそれほど気を煩わせなくてもよかったりしますが…。エロを主目的とする作品として、十六夜の花嫁は紛れもなく傑作のひとつですから、小さな不満点に目を奪われるよりエッチシーンの素晴らしさに目を向けた方が有意義でしょうね。

火付きの悪いMinkさんでも、一度点火してしまえばこれぐらいの作品は作れるってこと。後は、せっかく燃え上がったこの焔が、あっさり消えてしまわないよう願うのみです。

パラメーターが絡んでいるので必然的に難易度はシビア。一筋縄で罷り通れるほど生易しいエロゲではありません。吸血衝動によってヒロインが廃人になり台無しなることは度々ありますが、「選択肢ロード」という常に1~5個前の選択肢に立ち戻れるシステムのおかげで、面倒臭さは幾分軽減されております。もしこれがなかったら、か~なり印象の悪いものとなっていたでしょうが。

顔で選ぶなら霧生いより、性格で選ぶなら柘植彩美、身体で選ぶなら指木淑音。つまりは、みんなそれぞれに魅力があったってことですね。なかなか1人には絞りきれないなぁ。

それなのに、更に隠しヒロインまで存在するという贅沢。主人公の嫁探しを補佐してくれる三枝御琴を、一定の条件をクリアすることで「花嫁候補」に加えることができますので。エッチシーンも、申し分程度に2、3あるのではなく、メインの5人にも匹敵するほど充実。登場キャラの中で一番バストが大きく、アナルセックスが唯一可能な貴重の人材です。
2003年7月14日