パーフェクトホール
メーカー〔Autobahn〕 発売日2003年8月16日


フェラチオゲームを造りし者の真骨頂
なんともまぁ、下品極まりないエロゲ。呆れ果てるほどに低俗な内容。通常のセックスに見向きせず、全部が全部、口淫を初めとする常軌を逸した変質的な性行為ばかり。とても正気じゃ口に出せない卑猥な単語が臆面もなく連呼され、浅ましいまでにむしゃぶりつくのはあろうことか婦警さん。こんなトチ狂った作品で歓んでいるような人間は、間違いなく品性を疑われますね。

……だが、OK! 下品、低俗、大いに結構。私の品性も疑ってくださって構いません! このパーフェクトホールは確かに下品で低俗だけど、いや、下品で低俗だったからこそエロかった! これ程までに「エロ」というものをダイレクト且つ、全力でぶつけてくるような作品は、そうざらにあるものではありませんよっ。

本番行為どころか脱衣すら一切存在しない大胆不敵は、購入の対象を大幅に絞ってしまう代わりに、その分好きな人には堪えられない魅力が溢れています。やっぱり広く浅くで煮え切らないエロゲなんかより、絶対に狭く深くの一点突破の方がいいですよね! でも、それだとあんまり儲からないという大問題があるから、なかなか商業エロゲで狭く深い作品のは実現されない。だからこそ、こういう同人ソフトがもっともっと普及してくれると嬉しいんですけどねぇ。私がインディーズレーベルの繁栄を願ってやまないのも、こういった狭くて深いエロゲがもっと増えて欲しいという、純粋な気持ちからなのですよ。

同人といっても、この作品なんかはもう完全に商業レベルに匹敵しちゃってますから、侮ることなかれです。物足りないのはボリュームぐらい。声優さんだって普通にプロの声優さんを起用していますので、フェラチオシーンにとって大切な「音」の部分だってま~ったく心配は要らない。

ト書きの最中でも響く唾液音に加え、啜ったり、咥えたり、鼻を鳴らしたりの細かな演技も完全にフォローしている迫真の演技は、現有のエロゲ総てをひっくるめて比べてみたとしても、敵うものはないと断言できます。ラリったセリフに情感込めながら、ぢゅぽぢゅぽと延々音を鳴らし続ける声優さんのパワーには、改めて畏敬の念を抱かずにははいられません。メグ役の榎津まおさんなんて、演技の途中、口の中を切って血だらけになりながら頑張っていたそうで…。ホントご苦労様です。

そんな声優さんの熱演に負けないように、ゲームシステム面でも完璧な仕事。2人同時にフェラされる場合では、ステレオとなってスピーカーの双方から別々の唾液音が聴こえてくるなど、心憎いまでの演出です。このテクニックは、1人がセリフを喋っている間、もう1人は休まずしゃぶり続ける時なんかでも応用されており、とても臨場感溢れるフェラシーンとなっていましたよ。

ただ、一方のグラフィックに関しては、どことなく256色のような塗りが気になったのと、A-10さんのあくの強い絵が少し苦手という個人的な理由が相俟って、あまりポジティブなものではなかったかな。それでも、頬を窄めてむさぼるフェラチオ描写には感動致しましたが。恍惚とした笑みを浮かべた淫蕩な表情は、驚くほどにエロティック~。決して好みの絵ではなくとも、エロさは充分に伝わってきましたね。

音に絵にテキスト、あらゆる角度でパーフェクトホールのフェラシーンは完全無欠。フェラチオに必要と思える総ての要素が揃っており、フェラチオの邪魔と思える総ての煩わしさが排除されているなど、フェラを思う存分堪能してもらうための数々の献身が、この作品の評価へ多大なる貢献を果たしていました。フェラチオに対して絶対的な矜持を持つパーフェクトホールは、名実ともにパーフェクトなフェラチオゲーであったと申し上げて良いでしょう。


作り手側は、これ以上にない最高の仕事をして、完璧な物を作っていたのですから、後はもう、受けて側がこれをどう捉えるのかというだけですね。この作品を評価する上での優劣は、すでに作品そのものの良し悪しから乖離していて、個人個人の趣味嗜好で計るしかないものだと思われます(やっぱり人を選ぶ代物ではありますんでねぇ)。

私の場合は残念ながら、「痴女」という部分に若干のわだかまりがありましたので、パーフェクトホールを大絶賛することができませんでした。しかし、繰り返すようにこれはあくまで私個人の好き嫌いであって、パーフェクトホールの落ち度ではないことをわかってもらいたい。最高のパフォーマンスを誇っているパーフェクトホールに、何処まで貴方がついていけるのかが目下の問題なのです。

パーフェクトホールの私のイメージは、脂っこい肉料理。1つ1つは美味しいのですけど、それが続くと嫌気が差してくる。パーフェクトホールの脂っこいエッチシーンは、2、3ですぐに胃がもたれて食べ飽きてしまうのですよ。濃厚なエッチシーンは願ってもない話ですが、そればかりだと食傷になる。必要なのはバランスの良い食事ですね。

同人ゲームの利点で淫語が無修正ボッキチンポとか口マンコとかチンポミルクとか言いたい放題です。しかも、ただ淫語を羅列しているだけでもなく、セリフの中で齟齬のないように絡めているから、一層その効果は高い。

メグとマドカ、どっちが好きってのはなかったです。2人とも同じ痴女なんで。

相手が痴女だと、確かに濃厚な行為による絶大なエロを期待できるんですが、即物的なエロであるがゆえに後に残るものがなく、精神的な充足感に乏しいために、私はどうしても痴女相手のエッチシーンが好きになれません。同じフェラシーンでも、うちの妹のばあいの優香の方が私は何倍も好きだったりします。どことなくパーフェクトホールはエロゲというよりAVに性質が近い作品だったともいえますね。
2003年8月19日