Grope  
メーカー〔May-Be SOFT〕 発売日2003年3月28日


ドラゴンヘッド蛇尾
あのMay-Be SOFTさんも、めでたく10周年を迎えられたそうで。大したヒット作もリリースしていないのに(私の勝手な想像であり、事実が必ずしもそうであるとは意味しません)、なんだかんだで10年間も頑張ってこられたのですから、これはすごい事ですよね。

今回はそんな10周年を記念してか、はたまたテックアーツさんからリバーヴルさんにブランド譲渡継承された事に起因してか、これまでのMay-Beさんの印象を覆しちゃうような超大作……っぽい作品を用意してきました。

使用HD必要容量は2GB以上と多く、メディアはDVD専用。プレイ時間も膨大な量を要するとの触れ込みなんで、これはいつになく気合が入っておられる。過去、「慾」や「歪み」なんかのゴミ同然の作品(私の勝手な感想であり、以下同文)をプレイさせられた事がある私にとっては、なかなか感慨深いものがあります。私もしっかりと本腰を入れて、プレイに取り組ませて頂きましたよ。

(今回のレビューはネタバレが多いんで、もし気になさる方はクリア後、もしくは金輪際買うつもりがないと決心した上でお読みくださいね)


この作品は、タイトル通り「暗中模索」を表現したかったようです。突然見舞われた大地震の災害により、瓦礫の校舎に閉じ込められる生徒たち。この閉塞空間からの脱出方法は? 他の生存者は? 食糧の問題は? 息が詰まりそうな逼迫した状況で、主人公は生き残る為に模索する。ゲーム導入部分は痺れるよう。遺作、慟哭を彷彿とするサバイバルに、私の胸は躍りましたね。緊張感は否が応でも高まり、これから先への期待感は加速度的に上昇していきました。

が、このGROPEが盛り上がりを見せたのはそのプロローグまで。ゲームの進行が進むに連れ、段々段々ボルテージは下がっていっちゃうんですよね~。

とにかく、緊迫感が全然ないんだもん。「このゲームの何が気に食わなかったの?」と尋ねられれば、「シナリオがつまんなかった」と私は第一声で答えますが、「では何故つまらなかったの?」となると、それは「緊迫感がまるでなかったから」に繋がります。

設定はこれだけ緊張感が溢れているというのに、実際の主人公をはじめとしてみんなの気持ちはどこか楽観的で、探索している最中にも他愛ない日常会話に華を咲かせていたりする。緊迫感、閉塞感、絶望感といった「不安」のムードが漂ってこず、この盛り上がりに欠けるテンションのまま、大したハプニングもなく、あっさり閉じ込められた校舎からは脱出できちゃった…。

こんな感じですから、もう全然ドキドキ感がなかったのです。この手のゲームで、緊迫感が伝わってこないってのは、もはや欠陥というか、あってはならない事態でしょう。笑えないコメディ、悲しくないトラジディと同義で、極めて無価値に等しい物語です。

1回のプレイが、わずか数時間程度で終わってしまうというのも「まさか」の思いでしたね。壮大と思わせられたこの物語は、実をいうと思いのほか短くて、数時間ほどであっけなくクリア出来てしまう。いや、1度クリアすると新たなルート、新たなキャラがどんどん追加されていって、そこからまた新たな新展開が望めるっていうシステムですから、確かに全体的なボリュームはあったんですよ。でも、1度のプレイが短いせいで、あっけなく脱出出来てしまったという不満は確実に存在しましたし、やっぱりこういうのって何度も何度も繰り返しプレイするような性質ではなかったと思うんです。

それに、どの物語のルートを選んでも、内容がほとんど重複してしまっているものですから、複数回のプレイは気だるさしか残らなかった。最悪だったのが、他のキャラクターを攻略する度に、ヒロイン吹雪の寝取られを見せられるって事…。バッドエンドとして彼女の寝取られシーンが1つあるのならまだしも、吹雪以外のキャラをクリアする都度、彼女が寝取られてしまうってんだから我慢なりません。こんなシーンまで重複しないでって。

エッチシーンは、もう概ねこういった寝取られや陵辱が主体ですから、その向きを好まない人はエッチシーンへの希求も捨て去った方が宜しいでしょう。私も当然ダメだった人なんで、あまりエッチシーンに関しては書きたい事がないぐらいです(レビュー放棄)。「どうせ死ぬなら好き勝手に犯ってやるぅ」といったやけくそセックスは見苦しいの一言。

ま、そんな感じで、私としてはお話にもエロにも大した価値は見出せず、時間だけを浪費したエロゲでした。短くてつまんないエロゲより、長くてつまんないエロゲの方がダメージは大きい。

ヒントつきフローチャートは親切。分岐するルートへ向かうためのヒント(というかアンサー)がわかりやすく明示される為、シナリオで迷うような事はほとんどありませんでした。手探りで進めていくシナリオだけに、このヒント&フローチャートはとても便利でしたね。これがなければ、今頃私はこのGropeのレビューを書いていなかった訳ですが。

DVD専用ソフトで、2GB以上も容量を喰うくせに、ボイスはパートボイスだった馬鹿らしさ。最も驚いたのは、蓮実と絵里華のレズシーンで音声がなかった事ですね。エッチシーンにボイスをつけないってどういう了見なんでしょう。たまたま私はレズシーンに興味がなかったので実害を被りませんでしたが、もしそうでなかったのなら、今頃匿名で中傷メールを山ほど送っていた所でしたよ。

それは冗談としても、こういった手抜きに近いパートボイスは印象が悪すぎます。こういう些細なところで、一気に2流臭くなってしまいますんで、ちゃんとしてください。

なんていったって突然起きた大災害ですから、女子たちは着の身着のまま。着替えを探す暇なんてなく、水着のまま、体操着のまま、あるいはテニスルックのままと、着の身着のままでの行動が余儀なくされているんです。

これはGrope一番のアイディアなのかも。非常事態であるがゆえに、体操服姿、水着姿のままで行動しなくちゃいけないといったシチュエーションには、なんか言いようのないエロティックを感じますもの。え、感じない? じゃあ、いいです。

───む! これは良いぞっ。

効果的な淫語の使い方だったとは言い難いものの、単語の消しが極めて小さかったのは見逃せぬ利点。文字で書き起こしてみると、「おち んちん」といった感じでありまして、空白の部分に一瞬消しというか、タメみたいなのはあるんですが、おちんちんという元の単語はちゃんと淀みなく聞こえちゃいます。ほとんど無修正に近い、限りなく黒に近い灰色の淫語なんですよ。

今回、これだけ微妙な淫語が為しえられた理由は、恐らくメディ倫審査の賜物ではないかと。これは私、購入後に気付いた事だったんですが、このGropeは従来のソフ倫の審査ではなく、メディ倫審査を経て発売されている作品だったんですね。

淫語の他にも、陰部モザイクが同人ソフト並に薄かったり、アナル描写にはまったくモザイクがかかっていない等、メディ倫規定はソフ倫のものと比べて、幾つかのアドバンテージがありました。ソフ倫の縛りに慣れている私にとって、この恩恵は大きい。

淫語ももしかすると、修正を入れる必要すらなかったのかな…? だって、メディ倫審査のAVには、淫語の修正がまったくありませんし、同様に考えるなら、エロゲにおいても淫語を修正する必要はなかったことになりますからね。もし、私のこの希望的観測が正しいのであれば、近い将来、メディ倫から淫語無修正、モザイク薄消しといったエロゲが当たり前のように発売されるようになるやもしれませんよ? なるやも。

瓦礫に埋まる廃校舎を悠々とブルマで闊歩する吹雪ちゃんがお気に入り。でも、上述の通り、彼女は寝取られまくる人ですからねぇ。これだけ何度も寝取られるシーンを見せられると、どうでも良くなっちゃった気分…。
03年4月9日