白衣のご奉仕  
メーカー〔U・Me SOFT’s〕 発売日2004年11月5日

挿入もセックスの選択肢の一つに過ぎねぇ
「売れなくていいの?」「お金儲けたくないの?」

思いっきり余計なお世話ながら、ついそんな心配をしてしまうこの作品。ハッキリいってこれ、偏りすぎです。同日発売のラブぽたの方にばかり目を奪われていたので、購入前はあまり気に留めていなかったのですけれど、まさかこんな恐るべき野心を抱いた異端作品だったとは…。

もう、これでもかと言わんばかりの手コキ足コキの総攻撃。精液を採取する「採精」のために、ナースたちがあの手この足でコキまくるという大胆な内容で、同等にフェラやパイズリの数も多く、非挿入系エッチの占める割合が異常なほど高かった

類似作品に、先日発売された「ナースにおまかせ」がありますが、白衣のご奉仕はそれよりももっと徹底されており、偏執的。同人作品のDISCODEやパーフェクトホールと比べても遜色ないレベルの偏り方ですよ。一般エロゲでこの偏り具合は通常ありえない…。

オナニー介助、着衣パイズリ、野外手コキ、電気按摩、アナル舐め。こういった特殊奉仕(?)の数々が、朝昼晩キッチリ3回、規則正しく行われています。ゲームの期間は一週間なので、単純計算でも、3(人)×3(回)×7(日)で計63種のエッチシーン。他にイレギュラーなエッチが含まれてきますので、総数は当然この数を軽く上回ってましたね。CG被りもほとんどなかったですし、量的にはかなり圧倒していた。

ただし、行為と行為の間の会話、雑談のようなものが乏しく、本当にエロの数珠繋ぎといった簡素な作りですので、シーンの実数ほどボリュームは多く感じられなかったかな。流れ作業的にエロをこなしていくだけの抜きゲー(ストーリー抜きのエロゲの意)では、やはりなかなか満足感には結びつきにくいもの。エッチシーンの尺も「短い」というほどではありませんでしたが、喘ぎ声を主体としたテキストで、事後の余韻もなくあっさり終了。これでは、あまりに味気ない。

あと、シーンのどれもが似通った性質であったのも、物足りなさを感じた理由のひとつ。“純情処女”のまゆり、“サドメガネ”の涼香、“人妻M女”の慧子と、ヒロインにはそれぞれ役割分担がありましたけど、その実、ほとんどが「一方的に射精させられる」であったり。本来Mである慧子ですら、いつの間にか、立場が逆転してこちらが責められていたりしますしねぇ。

元々、手コキや足コキにはマゾヒスティックな性質があると思うので、その数が多ければ多いほど、M的な作品になってしまうのは仕方がないことなんでしょうが、ここまでマゾヒスティックなムードが全体に及んでいたのは、さすがにどうなのかなーって気持ちがありますよ。

単に受身系のエッチなら私も嫌いじゃない(好きってこと)んですが、悪口(言葉責め)がどうしても受け入れられないのと、卑屈な主人公が嫌いという理由があって、フラストレーションは溜まってしまった。「うあ、はぁ、はーっ、はぁーっ……」とか「ひ、ひっ、あぎぃぃっ!?」と奇声を上げてよがっている惨めな主人公の姿には、見ていて激しく萎える。余裕綽々な態度ってのもムカつきますが、卑屈すぎるのも困るなぁ。


ま、これだけ逸脱した内容のエロゲだと、人を選ぶのは当然でしょうし、誰にでも大なり小なり「これは勘弁」と口出ししたい点は出てきますわね。趣味にピッタリ合致する人は10人に1人……いや、20人に1人程度の割合かもしれない。だからこそ、こんな無謀なエロゲを作った勇気と心意気は、大いに賞賛しなくてはならないと思うのですが、如何せん、私もターゲットから微妙に外れてしまっていたため、心の底からは褒め称えにくくて…。

敢えて、私から良かった部分をアピールするのなら、ストリークが充実していたことか。3連続フェラ、3連続パイズリ、3連続膣出し、4連続手コキとかね。これは大感謝。それでも、全体的に私の求めているものと方向性が違っていたので、残念ながら評価は低めですけど…。ホント、あと一歩なんだけどね。惜しい。

なので、もし貴方が「20人に1人の逸材」であるのなら、是非、私の代わりにこのシナリオライターさんを温かい言葉で労ってあげてください。お願いします。

原画の金目鯛ぴんくさんは昔、世界最高峰のクソゲー「ファイト!まこと」の原画に携わっていた方なので、ずっとトラウマに似た嫌悪感がありまして…。

でも、前回のフェチ2を境に、段々そんなわだかまりも解けてきました。今では金目鯛ぴんくさんの絵は普通に好き。可愛いし肉感的だし、非常に私好みの絵。背景が超手抜きなのは相変わらずだけどね。

手コキ足コキへのこだわりは当代一。今回は更に尻コキ(尻ズリ)までやらかしちゃう始末。となると、今回もやっぱり“アレ”はあるのか? ……と、ある種期待感のようなものをもってゲームを進めていましたが、慧子ルートの最後の方にやっぱり“アレ”は存在した! 腋コキがっ!

フェチ2では明らかに存在が浮いていて、不可解極まりなかった腋コキが、今回もまた、性懲りもなく使われている。数こそ1つだけに留まっていましたが、主人公を担当する医師が腋コキの素晴らしさを雄弁に説いていたりするなど、腋コキへの偏愛は相変わらず光っていましたね。

前回のレビューでは、浅慮ゆえ「こんなのいらねーよ!」と厳しい口調で批判してしまいましたが、自分の趣味を意地でも突き通そうとするシナリオライターさんの矜持に今は強い共感。こうなったら腋コキと心中する勢いで頑張ってください!

消去法で嶋まゆり。サドメガネと人妻M女は私の手に負えません。助けてください。
04年11月9日