発売日 2017年11月24日
メーカー Frill 

円交少女2
うんうん、それもまたアイカツだね…
タイトルに円交とありますが、テーマとなっているのはアイドルの枕営業(色恋営業)。主人公黒川真鈴は遊ぶ金欲しさに春をひさぐのではなく、芸能界での名声を勝ち得るためその若く美しい肉体を差し出す。需要切れのジュニアアイドルから始まり、グラビアを経て、本格的アーティストに転身するという壮大な夢を、自分の身一つで成し遂げていく痛快サクセスストーリーです。

#metooがトレンドとなり世界的な社会問題になっている昨今、パワハラ・セクハラの極致といえる枕営業は絶対に許されざる悪行なのは間違いありません。枕営業などという悪習は断固として糾弾していくべき! ……ですが、この生き馬の目を抜く業界、行儀良くチャンスが訪れるのを待っているアイドルより、泥水を啜ってでも、自力でチャンスを掴みに行こうとするアイドルに惹かれるのも本心でして。出世のためなら男と寝る野心に満ちた女性、正直嫌いじゃございません(好きってこと)。

もし主人公が悪徳プロデューサーで、可憐なアイドルに枕営業を強要する卑劣な内容であったら、私はただただ嫌悪感しか抱かなかったでしょうが、円交少女2はアイドル黒川真鈴の視点で語られているため、やっていることは同じでも、良心の咎を感じにくい。自ら進んで枕営業を仕掛ける立場なんで、むしろ「よっしゃ! スケベオヤジどもを転がして、アイドルのてっぺんとったんで!」とやる気が沸いてくるぐらい(笑)

ただ、枕営業に意気込む私とは裏腹に、当の真鈴ちゃんはそこまで割り切れておらず、望まぬ相手に抱かれることへの抵抗感は非常に強いです(当たり前よね)。気持ち悪いオヤジに抱かれるなんて絶対に嫌、でもアイドルとして自分はこのままで終わっていいのかと渦巻く葛藤。あるときは状況に流されながら、あるときは自分の気持ちと折り合いをつけながら、渋々枕営業をこなしていくのが興奮ポイント。

不憫といえば不憫なんですが、真鈴ちゃんは結構逞しい性格していますので、そこまで悲壮感がなかったのが自分としては救い。普段は猫撫で声でカワイイ子ぶっている彼女も、裏ではファンを徹底的に扱き下ろし、容赦なくキモオタ呼ばわりで見下している腹黒アイドルだったり。それ自体は割とありがちな設定というか、そもそもアイドルで二面性を持っていない奴なんていないので、もう一捻りほしかった思いがありますけど、この性格のおかげで「可哀想」という邪魔な感情が混じらなかったのは大きいです。

思いっきり軽蔑しているキモオタ相手に、自身のイメージDVDを売るため、思いきり媚び入るシーンはお気に入りの1つ。DVD購入特典のハグ会で、興奮のあまり真鈴ちゃんのお尻を鷲掴みにし、ズボンのポケットに手を入れてシコり始めるファン。最初こそ「や、やめてっ……、い、いい加減に、してっ…」と必死に抵抗を見せる真鈴ちゃんでしたが、(こいつは単なる養分…。夢を見させて、引っ張れるだけ引っ張る…それしか利用価値ないし…。だったら、さんざん利用したほうが…)と考え直し、セクハラを受け入れてたくさんDVDを買わせる方針にシフト。覚悟が決まった真鈴ちゃんに、私のボルテージが上がったのは言うまでもありません(笑)

そして、ここから真鈴ちゃんの枕無双が幕を開ける! 業界に蔓延る下劣な変態野郎どもを契っては投げ、契っては投げ。アイドルとエッチする上で、男は「こういうことを言ってほしい」「こういう反応をしてほしい」という願望が必ずあると思いますが、真鈴ちゃんはそういった相手の趣味嗜好を的確に酌み取り、求められる言葉を言ってあげて、求められる反応を見せてあげられるところがプロ

セックスの最中にファンへの謝罪を口にすることで、アイドルを独占する男の優越感を煽ったり、オタク相手に思いっきり甘えて恋人気分を味わわせてやったり、ドMな性癖を秘する日本有数の大物プロデューサーには、ドSになりきって言葉で詰ってやったり、実に多才な枕プレイを披露してくれるんですね~!

枕営業は、「自分を引き立ててもらう」という目的意識がしっかりしているだけに、相手の歓心を引くためのセックスになりやすい。一方的な性的搾取ではなく、あくまでギブアンドテイクの相対売買であるので、望まぬ相手とのセックスでも、真鈴ちゃんはすごく積極的でノリノリなのがいい(演技ですが)。

そうして、真鈴ちゃんがどんどん芸能界で成り上がっていことも楽しくて仕方ないです(笑) グラビアアイドルとして確固たる地位を確立し、夢であった歌手デビューを果たし、デビューシングルもたくさん売れて(オタクに色目使ったおかげ)、とうとうサマフェス出場まで決まった順風満帆なアイドル生活。こういう立身出世の物語、すごく楽しい!

しかし、その快進撃にも落とし穴があり、最後はこれまで積み重ねてきた枕営業の強烈なしっぺ返しを喰らい、不幸のどん底に叩き落とされるというオチ。「悪いことをすればいつか自業自得で痛い目に遭う」と諭したくなる気持ちもわかりますが、果たしてエロゲにそんな日本昔ばなし的道徳観は必要だったんでしょうか…? そんな通り一遍の教訓を突きつけられるより、このまま行くところまで行って、枕営業で国民的トップ女優まで登り詰めた方がよっぽど気持ちよかったと思うんですけどね。

選択肢を誤った結果、悲惨なバッドエンドに陥るならまだ納得ですが、この円交少女2は選択肢のない完全一本道のストーリー。それでこんなつまらないラストを見せられると甚だ興が削がれますよ。いいじゃないですか、枕営業で掴み取る天下があっても。ファンとの関係が暴露された致命的スキャンダルをものともせず、総選挙を3連覇して国民的アイドルとして君臨する現実のアイドルだって存在するのですから、もっと破天荒なストーリーであっても良かったはず。枕営業がバレてAV堕ちとか、そんな誰もが想像できるようなショボい展開は望んでいません! フィクションであるエロゲが現実にスケールで負けてちゃだめでしょ! 

ただ私が危惧していたもう1つの未来、真鈴ちゃんがセックスに溺れて色情狂になるという未来を避けられたのは不幸中の幸い。陵辱エロゲにありがちでしょ? 最初は嫌がっていた彼女が何度もセックスを繰り返しているうちに、セックスの快感に取り憑かれてしまって、やがてアヘ顔ダブルピースしながら「おほーっ!」とか叫んじゃったり(片手ピースはしてましたが)、避妊もせず腹ボテになって身体に「○○専用便所」とマジックで落書きされたりする人。

当初の目的を見失い、ただの色情狂になってしまった真鈴ちゃんを見せられたら、「あ、もういいです」と完全に興味を失ってしまっていたところなんで、そうならなかったのはこのエロゲの良心かな。残念ながら、真鈴ちゃんは後半病んじゃいますが、それでもアイドルとしての意地と矜恃を忘れなかったのはありがたい。おかげで、私は最後まで真鈴ちゃんのことを好きでいられました

画像のように、セリフ形式でストーリーを進められるのが特徴ですね。変わり映えしないウィンドウ式AVGに辟易してエロゲから遠ざかっていた自分ですが、こうした些細なヴィジュアル的工夫があるだけですんなり楽しめるんだなと気付かされました(ウィンドウ式にも切り替えは可能です)。こうやって画面いっぱいにCGを堪能しながらプレイできる方が絶対いい!

黒川真鈴ちゃんの見た目の可愛さに反した性格の悪さがいいね(笑) 特に先輩アイドルの伊野先輩に対する辛辣なディスが面白くて、「大人っぽくて憧れちゃいます~」と表向きは褒め称えつつ、内心では芋先輩呼ばわりで見下して、(目頭切開しすぎでしょ…)と冷静にツッコミ入れてるのが爆笑。いや、確かにそこ見ちゃうけど! 自身のファン、業界のお偉いさん、事務所社長、マネージャー、母親、先輩&後輩、イケメンアイドルと、全方位に毒突きまくっているのはむしろ清々しい。
2018年2月7日