3Dカスタム少女
メーカー〔Tech Arts 3D〕 発売日2008年6月13日


グラビアモードでZを連打した人は手を挙げなさい
女の娘をカスタムして、エッチシーンを見る。これがこの作品の総てです。ストーリーもなければ、クリアすべき条件もない、究極的にシンプルな内容。

でもね、その選択は決して間違っちゃいないと思うのですよ。Illusionさんの人工少女3はハッキリ言って面倒臭すぎました。エッチシーンを見るためにわざわざ操作性最悪な3D空間を動き回り、小学生のように野外や室内を走り回っている女の娘を捕まえなくちゃいけない。それだけでウンザリさせられたものです。

この手のカスタマイズ系作品の楽しみは、1にも2にもキャラメイク。そこに心血を注ぎたいので、ぶっちゃけ、それ以外で煩わしい思いはしたくないんですね。ですから、キャラメイク以外の余計な要素を徹底排除し、シミュレーターとして割り切った3Dカスタム少女は、実に理に適った仕様であると評価したい。

とはいえ、その肝心のキャラメイクが弱いのは問題…大問題っ! パッケージでも3300種以上のカスタムパーツと大きくアピールしていたように、カスタムの幅広さが売りとなっているソフトですが、実際にやってみるとちっとも自由さが感じられなくて。色違いやリボン・タイなど細部が異なるだけのパーツも数字に含まれているため、実質的にはかなり制限された範囲の中でのキャラメイクを余儀なくされます。既存の版権キャラクターに似せようとすれば、一苦労も二苦労もある。この辺は言葉で説明するより、実物を見てもらった方が早いと思いますので、どうぞ私の手掛けたキャラクターたちをご覧ください。滲み出る苦労の跡が、これで伝わるはずですから。

遠坂凛(Fate/stay nightより出典) ※メガネは趣味

……ええ、似ていませんとも。しかし、待って欲しい。これでも私は精一杯やったんですよ! 遠坂凛への有り余る愛を振り絞ってもこれが限界ッ…! そんなに似せるのが難しいキャラではないはずなのに、イメージと全然合っていないのは、やっぱり長袖カットソーが再現できていないからでしょうね…。この作品、衣装は制服系に偏っていて、私服がほとんどないのが苦しい。あっても、キャミソールとか露出の高いノースリーブの服ばかり。だからこれ、実は上着はスクール水着なんです。赤いスクール水着で代用しなくてはいけないほど、素材が乏しかったのです。普通の服がないというハンディはキャラメイクの幅をかなり狭めています…。

遠坂凛(Fate/hollow ataraxiaより)

なので、水着バージョン。これならギリギリ凜っぽいとも言えるでしょうか。本来はもっとスポーティーなビキニなんですけどね。これもブラジャーとショーツを赤く塗ってビキニっぽくしているだけ。

シャーリー・フェネット(コードギアスR2 第5話「ナイトオブラウンズ」より)

水泳部カフェバージョンなのは趣味……というより、他の衣装では再現不可能でした。それなりに特徴を掴んでいると思いますけど、顔と体型が似ていないので無理はある。細くて頭身の高いコードギアスのキャラクターを再現しようとしたこと自体が間違っていたか…。でも、シャーリー好きなんですよ。ものすごく。彼女の恋は絶対報われそうにないから泣けてきますけどね…。それでも片想いしているシャーリーが可愛らしくて仕方ない。ルルーシュ何とかしてやれ!

カレン・シュタットフェルト(コードギアスR2 第1話「魔神が目覚める日」より)

こ、これは犯罪的に似ていませんね…。普通に単なるバニーさんでしかない。原因は、カレンの髪型に近いパーツが1つもなかったこと。カレンのというより、セミロング自体バリエーションが全然ないんですよ。ショートかロングかって感じで。ツインテールは7つもバリエーションがあるくせに…。本当に偏っているなぁ。

綾波レイ 転校生(新世紀エヴァンゲリオン 第26話「世界の中心でアイを叫んだけもの」より)

眼帯がパーツとしてあったので、衝動的に作ってみました。第3新東京市立第壱中学校の制服が無理だったので、パンをくわえて走るあの妄想綾波を。顔はこの中では一番似ているんじゃないかと。

藤岡ハルヒ 中学時代(桜蘭高校ホスト部より)

涼宮ハルヒならそれっぽいパーツが用意されているので簡単に再現できたでしょうけど、私は敢えて藤岡ハルヒ。しかし、ボトム系はホットパンツ1つを除いて全部スカートだったので、高校時代のハルヒは再現不可能。仕方なく、中学時代で我慢しました。特徴的なおかっぱ頭と大きなくりくりお目々が再現できていない時点で、似ているとはとても言い難いものですが…。まぁ、元ネタ知らない人が多いと思うから、似ていなくてもバレないか。


このように、手持ちの材料だけでは、どれだけ工夫しても満足なキャラに仕上がらないんですよ~。人工少女のようにキャラを作り出すのではなく、カスタムするという趣旨なので、結局代わり映えしないものばかりが量産されてしまうのが辛いですね…。顔には一切手を加えられませんし…。せめて釣り目ぐらいは用意してくれなきゃなぁ。体型も胸の大きさしか弄れませんから、おねーさんキャラやロリキャラも不可能。性格も気弱で恥ずかしがり屋な少女に統一されていて、ボイス変更もできません。あくまで素体となる少女を着飾らせるだけの、着せ替え人形遊びに過ぎないのです。

それならそれでも構わないですけど、じゃあ、もっと衣装の幅を広げろよって話になりますね。普通の私服が皆無に等しい状態ではお手上げ。鎧なんかを充実させるより、他に用意しておくべき服装はいくらでもあるでしょうに。表現の幅では、人工少女3と雲泥の差があります。


エロ方面の評価も芳しくない。プレイ内容は全部で14種類しかなく、愛撫を除けば、たったの9種類。どれも同じ動きの反復運動で、喘ぎ声やセリフのバリエーションも乏しい。ストロークを激しくしたり、途中で自然に体位を変えたりすることも無理。おっぱいは巨乳限定(貧乳に対応していない)のくせに、乳揺れやパイズリがないのも憤懣やるかたなしですね。エッチする場所も限られていて、室内は教室とラブホテルだけというのだから呆れてしまう。いくらなんでも「足りない」ものが多すぎますよ、この作品。

個人的に最も痛恨だったのは、相手となる主人公のモデリングがなく、かまいたちの夜のように常に半透明(もしくは透明)表示であったこと。私はパントマイムのエッチシーンって全然ダメなんで、主人公の身体は必須なんです…。それとモザイクがバカみたいに大きすぎ。性器だけにモザイクをかければいいものを、周辺をモザイクで醜く塗りつぶしているものだから、フェラの時はちっとも顔が見えません。何を考えているんでしょうか、まったく…。


キャラメイクとエッチシーンしかない作品なのに、そのどちらも満足な出来に至らないようでは、さすがに擁護は厳しいな。ブランド処女作とはいえ、これだけチープさが目立ってしまうとねぇ。「手軽である」のは間違いないので、特に作りたいキャラがいなければこれで事足りるでしょうが、結局飽きるのは早いと思われますよ。

しかし、こんな箸にも棒にもかからぬ作品にも、唯一の光明がある。それはズバリ汁描写。何の因果か、汁描写だけは抜群にいい!!

3D作品なら、おっぱいの揺れだとか、腰の動きだとかを頑張ればいいのに、この3Dカスタム少女は、本来3Dとは何ら関係のない汁描写に力を入れているという、愚かしくも素晴らしいこだわりがあるんですよ~。あらゆる面でIllusion作品に見劣りする3Dカスタム少女でも、ここだけは竹槍と戦闘機ぐらいの優位性がありました。質感といい、掛かり方といい、本当によくわかっていらっしゃる。同じ部位に続けてぶっかけるいわゆる重ねがけは出来ませんでしたが、汁が引っ付いたまま別の体位でエッチすることはちゃんと可能ですし、汁好きを唸らせるだけのパフォーマンスは充分見せてくれていると言っていいでしょう。

3Dエロゲの最大の欠点だと思われていた汁描写が、これだけ見事に表現される日が来ようとは感無量。他はてんでダメなくせに、汁描写だけはこんな神懸かり的なレベルにあるなんて、本当に訳のわからない不思議なエロゲですね~。投手としては大したことなくても、牽制球だけは死ぬほど上手かった元阪神の三東を思い出しました。なんてマイナー(失礼)な。

モデリング・モーション・細部に至るその他諸々、Illusionさんには遠く及ばない。3Dカスタム少女をプレイすることによって、「やっぱり、なんだかんだでIllusionってすごいんだな」と再認識してしまいました。とはいっても、3Dエロゲ業界をIllusionさんに独占させるのは健全でないので、ライバルとなりうるメーカーの台頭は望ましいところ。まだまだ差は果てしなく大きいですけど、TechArts3Dさんの今後の成長を期待したいと思います。それまで、出来るだけお布施しますから。コンコルド錯誤にならない程度に。

残念ながら納得出来るキャラは作れませんでした。
2008年6月18日