発売日 2010年7月23日       
メーカー Atelier KAGUYA 

エロゲとか興味ないんだけど、友達がやれってしつこくてさ~
クエストからスタッフを引き抜いたスクウェアが、「ファイナルファンタジーでタクティクスオウガみたいなゲームを作って!」とお願いしてできたのがファイナルファンタジータクティクスであるように、ωstarからスタッフを引き抜いたKAGUYAが、「プリマ☆ステラで彼女×彼女×彼女みたいなエロゲを作って!」とお願いしてできたのが、このクラ☆クラって感じ(あくまでイメージです)。さしずめプリマ×ステラ×彼女と言ったところでしょうか。ベースはプリマ☆ステラでも、色合いは彼女×彼女×彼女の方が断然強いです。

よって、今回の主人公も、ガチガチの受け身恋愛主義者。石橋を叩かないと先に進めないタイプで、自分からは絶対に安全圏の外へ出て行こうとしない慎重派(=ヘタレ)。ま~、厳密には、石橋を叩こうとすらしない彼のために、女の娘がわざわざ代わりに叩いて確認してくれているといった方が正しいんですけど。

彼女×彼女×彼女では、そんな怠惰なマグロ主人公様のために、「逆レイプ」という禁じ手を用いて強引にエッチシーンへ持ち込んでいましたが、クラ☆クラでは、更に理解に苦しむ展開が待っています。落馬したところを助けてもらった直後、寝込みにフェラチオし始める処女とか、恋愛映画でセンチメンタルに涙した直後、酔った勢いでパイズリし始める処女とか、薬品の爆発から守ってもらった直後、恥ずかしそうに手コキし始める処女とか…。どれも因果関係の見出せない支離滅裂な難事件ばかり! コナン君でも、真実を諦めて敗走しかねませんよ。

主人公は、嬉しいとも嫌とも取れる曖昧な態度で、済し崩し的に受け入れるお決まりのパターン。ここまで強硬な痴女行為に及んでいるヒロイン側も、「お友達が言ってたわね……確かこう……」「わ、私は……よく知らないんですけどっ、お、お友達がそういっていたのでっ……」謎の清純アピール。「おもむろに男の子のチンポをシゴいちゃうアタシだけど、ホントはエッチなことなんか全然わかんないのよ♪」とでも言いたげ。“友達が言ってた”と聞いてもいない言い訳をするのは、ヒロインの処女性を強調するためなんでしょうが、友達のせいにして自分は潔癖でいようとする薄汚い人間性の方に私は引くわ! とことん玉虫色な男と、見苦しくカマトトぶる女。どちらも本心ここに非ずといった感じで、こんな虚飾にまみれたエッチシーン、ちっとも楽しくなかったです。


しかし、途中から主人公に積極性が芽生えることで、風向きは変わってきます。彼女×彼女×彼女のときもそうだったんですが、相手が自分に惚れていると確信したら、主人公は急に態度をコロッと変えて積極的になるんですね。意識的にヘタレな自分から脱却したのであれば好感が持てますけど、自分が優位に立った途端、突然偉そうに増長し始めるんですから、この本多零という男の卑小さが浮き彫りになるってもんですよ。

とはいえ、ずっと受け身のままグズグズになられても困りますので、ここはもう割り切るしかありません。兎にも角にも、主人公が積極的になってくれたおかげで、ヒロインとのイチャイチャっぷりが加速。彼女を見据えて優しく愛を囁いては、公衆の面前であろうとお構いなしに、大胆なキスを繰り返すように。2人のお熱いラブラブっぷりに当てられた友人たちの反応が、バカップルの構図をより克明にしてくれます。特に世枝瑠と紫子は零の対して強い恋心を抱いていますから、その激しい嫉妬が心地好い。バカップルは、異性に妬まれ、同性に疎まれ、全員に呆れられてこそ! 男女ともにキャラクターが豊富に揃っているクラ☆クラの強みが、ここで出ていました。

邪魔臭いプリンセス選びも思ったより早期のうちに終わり、中盤のうちから恋人同士としての和姦エッチで埋め尽くされていたのは重畳。一度のエッチシーンは、2回戦3回戦と連続するのがデフォルトなので、ボリュームは相当なもの。紫子の三度続けてのパイズリで、汁まみれになっていく様は大変エロかった。

ベッドでは常に主人公がイニシアチブを握って離さず、時折乱暴な行為に及ぶことがあったのが多少気になりましたけど、とびっきり(見た目が)カワイイ女の娘と、一心不乱にエッチに耽る夢のような日々を思えば、ある程度の不満は見て見ぬ振り。清純ぶっていたヒロインたちも、肌を重ねるごとに本性を……もとい、成長を見せてきて、おちんぽ・おまんこと淫語を多彩に交えながら段々とエロくなっていくのが最高です。しかも、淫語は、Atelier KAGUYAとして初(だよね?)の無修正。“KAGUYA消し”という日本の誇る伝統技術が、文明の進化によって失われていくのかと思うと、一抹の寂しさを感じなくもないですが…。


「主人公が積極的になる」。たったそれだけで、グズグズだったエッチシーンがこんなにもスムーズに、躍動感溢れるようになったのですから、最初からこうしておけよって話ですよね~。それなら、私も余計な文句を言わずに済みました。従来のKAGUYA作品のように、相手が享楽的なエッチなおねーさんなら、主人公は受け身でもバランスが取れるんですが、清純派風ヒロインとパッシブ主人公の組み合わせでは、どうしたって相性が悪い。お互い、自陣に引きこもって90分スコアレスドローという凡戦は見たくないでしょ?

江戸川コナンにそっくりなキャラが登場した彼女×彼女×彼女に引き続き、今回もコナンネタが満載。そもそも主人公とその友人のキャラクターデザインは、完全に工藤新一と服部平次。疑問なのは、一体何故ここまでコナンに執着する理由があるのかってことですね。単純に作品をリスペクトしているだけ?

コナンをパロディが特に面白いとは感じなかったのですが、紫子のルートでコナンのメインテーマにメチャクチャ酷似したBGMが流れたときは思わず笑ってしまいました。キャラやテキストのパロディには慣れていましたけど、BGMのパロディは予想外! 微妙に音が外れているのが逆に面白い(笑)

評価がイマイチ伸び悩んでしまったのも、クラ☆クラにはこれといった目ぼしいヒロインがいなかったせい…。これはキャラ萌えがヘタクソだったというより、単純に私の好きなタイプがいなかったと申した方が良いでしょう。だって、みんな主人公にベタ惚れなんだもん。

強いて挙げるなら、花山院紫子かな。もし彼女が黒髪だったら、即答で選んでいたような気がします。彼女の髪の毛は真っ赤すぎて目が痛い
2010年7月26日