ちょこれーとDays
 
メーカー〔Xuse【発泡】〕 発売日2003年10月3日

そのダッサい頭、今すぐ散髪してこい!
姉ゲーの黎明は兼ねてよりの願い。以前からこのサイトで何度も主張しているように、私は姉ゲーの台頭を常日頃から心待ちにしております。

そんな折、主要登場キャラの5人総てがお姉ちゃんであるという「ちょこれーとDays」が現れた……と、「姉、ちゃんとしようよ!」のレビューと同じフレーズの使い回しが出来てしまうこの作品。

購入前の印象も似ていまして、「設定はいいんだけど絵がなぁ…」とまったく一緒の逡巡がありました。しかし、そんな不利をものともしないキャラの魅力があった「姉、ちゃんとしようよ!」に比べ、こちらは明らかなフォロー不足。「姉、ちゃんとしようよ!」は6人の姉全員に個別の姉萌えが含まれていましたが、「ちょこれーとDays」の場合、メインの風花以外は、ぶっちゃけ話にもならないような奴らだったんですよね…。

理緒は捻りもない淫乱女教師なんでペケ。阿久沢姉妹はほとんどクラスメートみたいなノリなんでペケ。つばさは……問題外。ていうか、このインチキ関西弁を駆使する女をどうにかして…。

良かったのはホント、風花1人だけでした。彼女は、私が理想とするお姉ちゃん像そのものって感じで、すごく気に入りましたよ。「私はたーくんのお姉さんだもん」と、事あるごとに自分が姉であることを主張する振る舞いが愛しくて堪らない。私は実にこの「お姉さんぶる」「お姉さん風を吹かす」といったものに目がございませんので、気が付くと、ついニヤニヤと下品な笑みが浮かんできます。

風花との初めてのエッチシーンも秀逸。主人公が自慰に勤しんでいる最中に、突然部屋に入ってきた風花にバッチリ行為を目撃されてしまうのがきっかけで、その後風花は、「自慰は身体によくないんだよ!」と主人公を諌め、「でも精子の溜めすぎもよくないって本に書いてあったし…」と悩み、「お姉ちゃんがセックスで発散させてあげる」と結論に至る。主人公の健康を気遣ってセックスさせてくれるという、麗しき姉心。はぁぁ~、なんてハートフルなのかしら。

ちなみに彼女が、ここまで献身的に主人公を溺愛しているのは、昔、男に乱暴されそうになったとき主人公に助けられたという背景があります。本来はこういう笑えない設定は避けて欲しいんですけど、でもこの過去があるおかげで、主人公を弟として溺愛しつつ、同時に男らしさも感じているという微妙な心情に説得力が持たされているんです。この辺は上手く出来ていたなと感心。

ただ、一方で鬼畜ルートという、頼んでもいない余計なものが存在していたので差し引きゼロですがね。ラブラブ甘々なムードを台無しにするこの展開は、私の気分をひどく害してくれましたよ。

風花は前述の通り、とっても優しくて弟思いなお姉ちゃん。でも、鬼畜ルートの主人公はその思いやりがうざったらしくなって、風花に冷たく当たっては、彼女の善意や好意を逆手にとっては、自身の性欲の捌け口にしてしまうんですよ。

私はこういうのが最も嫌い。好意を悪意で返したり、恩を仇で返すような人とはお友達になれません。こんなのならまだ、嫌がる女をムリヤリ犯すような奴の方がマシですよ(お友達にはならないけど)。だって、これじゃあ風花がすっごく不憫で惨めに思えてきますもの…。

「そんなにイラつくなら、陵辱ルートの存在なんて無視すればいいじゃん」とのご指摘は道理ですが、この陵辱ルートの存在を無視出来なかった理由として、エッチシーンの対比というものがあります。純愛ルートと鬼畜ルートのエッチシーンの数を比較するとズバリ1:4。エッチシーンは完全に鬼畜側に分があり、純愛は随分ぞんざいな扱いを受けている。鬼畜はエロいけど、純愛はエロくない。こういう純愛=エロ薄、陵辱=エロ濃の構図を見せ付けられたから我慢ならんのです。

唯一良かったと思えた風花のシナリオに、こんな惨い不条理が混ざってしまっていれば、もう「ちょこれーとDays」を褒め称えるなんて無理ですよね。「姉、ちゃんとしようよ!」は絵が受け入れられなくとも、キャラクター性やストーリーでフォローしてくれていましたが、こちらはその追い風が微風。風花お姉ちゃんが1人必死に扇いでも限界がありました。姉ゲーはこれから広く普及してもらいたいので、あまりその姉ゲーの芽を摘むようなレビューは書きたくなかったのですが、これではさすがに致し方ない。ま、次に期待するとします。

実質、風花単独の作品。その他のキャラに関しては、興味も沸かなかったので碌にシナリオを読んでいなかったり(つばさに至っては攻略してません。ごめん…)。最初は登場人物がおねーさんばかりってことで、なんて贅沢なエロゲなんだと思ってましたが、ただ数が多ければいいってもんでもないね。
03年10月7日