発売日 2002年11月29日
メーカー Cronus 
虫酸の走る睦まじさ
作品を要約すれば、「バストの大きいメイドさんとラブラブでエッチ三昧のゲーム」。このフレーズだけですと、もろ私好みの内容になっているんですが、残念ながら実際は、それほど高尚なものではなかった。表層的には、「巨乳なメイドさんとラブラブなエッチ」という作品に仕上がっていても、中身は散々な出来で、満足の結果はほとほと得られない問題作だったのです。

では、その問題点とは一体何なのか。それは、ズバリ、ヒロインの個性の乏しさに他なりません。いきなり最初から主人公を盲目的に恋慕しているメイドのヒロイン。慕ってくれること自体に嬉しさはあるものの、彼女はあまりに傾倒しすぎていて、自らの個性を喪失してしまうほどに極端なので始末に負えないのです。

このゲームは、はじめに2人の中からヒロインを選択するシステムになっているのですが、何故か2人とも大差がなく性格はまったくもって一緒なので、結局どちらを選んだとしても、相手が御主人様依存型メイドであることに変わりはないんですよね。

こうなってくると、もう彼女たちに愛着は湧いてこなってきます。従順こそがメイドさんの美徳であるかもしれませんけど、従順なだけのメイドは考えもの。特にこのエロゲの主人公とメイドの関係は主従関係でなく、対等な恋人関係なはずなんですから、一方的に付き随うのは不自然さがありました。

それにメイドさんが自分を擲(なげう)ってまで惚れ込んでいる当の相手(主人公)、これがまたつまらない奴でして…。これは個人的感情になってしまうかもしれませんけど、ゲームの主人公レオン君は、生理的にとても嫌悪感を抱かされるような人物なのですよ。

馬鹿の一つ覚えみたいに「可愛いよ…」を繰り返すわ、会話はウィットもなく全然盛り上げられないわ、自分を曝け出すことを極端に避けて、全部客観的な言い回しを心掛けるわと、ホント救いようのない成金お坊ちゃん。特に最後のは癇に障りましたよ。情事の最中でも、「気持ちいい」ではなく、「ああ、気持ちいいからね」と常に余裕ぶる客観的言い回しが。この成金は変なところで臆病というか、プライドが高い。とてもじゃないですが彼に感情移入なんてできませんね。

そんな主人公と恋人のメイドが、互いをひたすら褒めちぎりあって満足している歪な関係は、愛というより馴れ合いといった意味合いが強い。これでは私と水が合わないです。恋人同士といっている割には、主人とメイドという主従関係の枠組みから脱却していませんし、ラブラブな雰囲気はどこか空虚で欺瞞的でした。

っていうか、2人の本当の関係は、「成金お坊ちゃまと、その財産に目が眩んだメイド」なのかも…。

淫語はそこそこ。女性側から積極的に淫語を発するような事はしませんが、情感が高まればそれなりにエッチな台詞も洩らしてくれます。ピー音の消しも短かった

ただ、必要以上に修正をかけていたのがたまったもんじゃない。例えば、フェラチオという単語。これにも途中ピー音が掛かっているんです。何でフェラチオ如きにピー音をつける? こんな言葉を誤魔化す必要なんかないじゃないですか。文字表記でもフェ○チオといった感じで、完全にチ○ポやマ○コと同列の扱い。まったく何を恐れているのやら。別にいいじゃないですか、他のエロゲは堂々と表記しているんですし。フェラチオもアナルも表記できないような弱腰淫語は、大反対です。

メイドの2人は個性がなかったのに、脇役のオリーブちゃんは見事なまでにキャラが立っている皮肉。彼女は、いつもエロいことを妄想していたり、天然で済まされないほどに行動が奇異だったりと、ゲーム中、存在が一番光っていました。立場的に主人公を仄かに恋する少女という役割なのかと思いきや、実は主人公の彼女の方(メイドさん)が好きで、バイセクシャルだったというオチも秀逸
2002年12月4日