発売日 2010年10月29日
メーカー Illusion 
合成関数の微分法とbe動詞
毎日毎日、仕事もせずに朝から晩まで浜辺で女の娘のお尻を追い回し続ける優雅なリゾート生活。お気に入りの彼女と会話を重ねては、デートに持ち込んで、せっせとオイル塗り&マッサージでご機嫌取り。親密さが増して恋仲になれば、ようやく念願のエッチへと持ち込めるようになります。面倒といえば果てしなく面倒なゲームですけど、簡単にエッチシーンが見られても有難味がございませんので、私としては割と楽しくやれた方ですね(3人目ぐらいからさすがに嫌気が差しましたが)。

自腹切って購入した水着をプレゼントすると、次のデートから彼女にそれを着させることができるのは喜びの1つ。ですが、正直SexyビーチZEROは衣装のバリエーションが少なすぎます。「着せ替え」は、私が3Dエロゲを好む理由の4割を占める重要なファクターなので、どうしても厳しい目で見てしまいますよ。

Sexyビーチですから、私服が用意されていないというのは我慢致しましょう。でも、その分水着のバリエーションが豊富かというとそうでもなく、色違い柄違いがほとんどという手抜きっぷり。フリルやラッフルをあしらったキュートなワンピースや、健康的なバンドゥービキニ、セクシーなモノキニ(下着っぽいものならある)など、用意されていて当然であろう水着が存在していないのはどういうことかと。ていうか、パレオすらないぞ、この野郎! 小物はアクセサリー類に偏りすぎですし、靴すら履かせられないお粗末さには閉口。

好感度が上がるにつれ、徐々に大胆な水着を着てくれるというならそれが推進力にもなったりもしますけど、バエルさんなんて最初から最終形態なんでねー。背面から見たらほぼ全裸の超マイクロヒモビキニ。初期装備からこんな最強クラスの防具を装備をされては、ミスリルアーマー程度の水着は買う気しなくなります。

しかし、初見でのバエルさんには相当なインパクトありました。水着がエロ過ぎるってのもあるんですが、その肢体、挙動の美しさ。そう、SEXYビーチZEROは、何と言ってもモデリングとモーションのクォリティが一番の魅力! 元々Illusion作品の最大の長所ではありますが、今回は一段とその長所が際立っています。肉質がとてもリアルになったというか、背筋の陰影など細かな部分まで実に手が込んでいて、これまでの人形っぽさからグッと人間らしさを感じられるようになりました。

水辺で楽しそうに戯れる姿、ハンモックで寝返りをうつ仕草、身体を伸ばしての入念なストレッチ、そのどれもが自然な所作になっていてドキドキさせられます。ダンス鑑賞でぬるぬる動くその滑らかさにはエロティシズムを感じずにはいられません。“スタイル抜群の水着美女を鑑賞する”という一点においては、文句の付け所がないレベルにまで達していると言えますね。


ただし、Illusionさんの問題点はその次。一歩離れた場所で眺める分にはパーフェクトであっても、そこに自分が介入する、つまり彼女にタッチする・エッチするとなると途端にクォリティがガタ落ちしてしまいます。Illusionのスタッフは、明らかにモデリングとモーションに全精力を傾けて、そこで仕事に飽きている。「あと誰かやっといて」と無責任に仕事を放り投げては、誰もやらないまま発売している。

ここから先は既存のレビューの繰り言になっちゃうんですけど、ホント操作性が最悪なんですよ…。ユーザーインターフェースは非直感的で分かりづらい上に煩わしく、誰が考えたんだと突っ込まずにいられない意味不明なアイディアの数々。厄介なのは、Illusion作品は操作方法が統一されていないため、前回せっかく面倒な操作を憶えても、新作ではまた新たに面倒な操作を憶えなくてはならないってこと。

キスシーンなんて呆然とさせられましたね。画面に向かってヒロインが唇を突き出してくるんですけど、何故か落ち着きなく顔をフラフラ動かしてしているんです。そして、不規則に動く彼女の唇にカーソルを合わせながら左クリックを連打しなくちゃならないという…。このシステム、誰が幸せになれるの? そもそも連打って何? キスに連打の要素はない!!

前戯では、マウスを使って胸部や秘所をまさぐり快感ゲージを上げていくいつもの作業で、揉もうと思ったら突っついたり、突っつこうと思ったら引っ張ったり、なかなか自分の意志が反映されずにイライラ。そのくせ、愛撫のときに使う手を右手か左手か自由に選べる不気味なこだわり。そんなのどっちでもいいわ! ていうか、両手は!?

やっとこさ挿入シーンに入ったかと思えば、今度はパネルの上でクリック&ドラッグを求められ、目の前のセックスに集中できない仕様。その間は視点変更できないというありがたいオマケ付き。体位を変えようと思えば一度前戯に戻らなくてはならず、時間経過で快感ゲージが下がってしまったらまた愛撫をやり直し。Illusionさんって、ユーザーのこと嫌いなの? ねぇ?


勘違いして欲しくないのは、私は別に操作性を改善してくださいとお願いしているのではないです。シミュレーター路線をやめろと言っているんです。ハエ叩きのようなキスも、マウスを激しくこする愛撫も、ホイールをコロコロ転がす挿入も、インベーダー退治のような射精も、まだ人類には早すぎます! 2050年ぐらいに再チャレンジしてください。やりたい行為をコマンドで適当に選んで、あとは鑑賞するだけでいいじゃないですか。

長所は伸びているのに、短所はいつまで経ってもそのまま。これはもうIllusionさんのポリシーなんでしょうね。私も基本的には長所を重視したい派なので、その方針に賛同できなくもないんですが、ここまで短所をおざなりにされ続けるのはさすがに困ります。せっかく数学が学年トップクラスなのに、英語が毎回赤点ではもったいないですよ。合成関数の微分法をきちんと理解しておきながら、英語は未だに「be動詞って何?」という中1レベルだもんなぁ。

「えくすとら」では、キャラクターの体型を自由に弄れるのがグッド。モデルのようなスリム体型から、豊満なダイナマイトボディまで。当然、胸の大きさも変えられます。しかし、頭身が全員6.5頭身ぐらいしかないので、小顔にしたり股下を伸ばしたりしたかったのが本音。スタイル良くても、頭身が低いとあまり様になりません。

強いて言えばバエルさんですが、5人で特別好きな人はいないかな。ていうか、5人全員がショートカットってどうなの? あと、今回モデリングが非常にリアルなだけに、バエルや刹那のアニメ的な青髪はすごい違和感あるんですね。このレベルになると、自然な髪色じゃないと厳しい。そういう意味で、髪の色、髪型をエディットさせてくれればな~。

人工少女がプラモデル、すくぅ~るメイトがドール(2はソフビ人形)だとすると、Sexyビーチはフィギュアに近い。造形の美しさはピカイチで飾って鑑賞するのに適していますが、手を加えたり遊んだりする代物ではないという感じ。SexyビーチZEROは、グラビアアイドルのイメージビデオ的なものを想像して購入するのがよろしいのではないでしょうか。
2010年11月4日