ANGELIUM
-ときめきLOVE GOD-  
メーカー〔Terios〕 発売日2003年3月14日


ハーレムエンドはあったんですけど
横田さんが原画に携わる作品は発売日に即購入と、一応私の住む村の掟で決まっているので、このANGELIUMも発売日にちゃんと買いに行きました。

でもこれって、実際に横田さんはどれだけの絵を描かれておられるのやら。Teriosには土代昭治さんという有能な影武者がいるせいで、本当に横田さん本人が描いている絵なのかどうか、素人目には見分けがつきません。横田さんはキャラクターデザインだけで、後は土代さんに任せっきりな可能性も否定出来ないぐらいです。まぁ、例え土代さんがほとんどの絵を描かれていたのだとしても、その絵は文句なく横田守さん風味なんですから、そんなに問題がある訳ではないんですけどね。グラフィックはいつも通りの最強レベル、Teriosさんの場合、グラフィック面では安定しまくっているので、一先ずの安心は得られます。

ANGELIUMは、神様、天使、悪魔がどうのこうのと、なにやらスケールの壮大さを感じさせる作品でありながら、実際にやっている事はせせこましく、天界を統べる全知全能の神ゼウスが、3人の新人天使たちの修行に託(かこつ)け、奥さんの目を盗んでは愛人教育をするというようなお話です。修行の方も、早い話が単なるアルバイトだったりしますし、荘厳な設定ながらやけに世俗的。

3人の天使の教育に携わるゼウス、つまり彼を操るプレイヤーは、天使たちが行うアルバイトのスケジュールを立てて、3人の天使たちをレベルアップさせていくのが仕事になりますが、ここではただ単に成長パラメータを上げていけばいいという訳だけではなく、根城となる花屋さんを繁栄させる為の資金集め、外敵からの防衛等、いろいろ気を回さなくてはなりません。エッチシーンを拝む際に使用されるゴッドパワーも使いすぎてしまうと奥さんに察知されてしまうので、その点にも配慮が必要。イベントの回収も怠ってはならず、選択肢の分岐にも気をつけなくてはならずと、このゲームはやる事は思いの外多くて、いろんな所に目を向けなくてはならないんです。

こういったややこしさを少しでも軽減させようと、Teriosさんもいろいろな手を打ってはいて、確かに操作性なんかはかなり良好になっていました。が、それでもやはり難易度の高騰は避けられなかった。なかなか思うように狙ったエンディングに辿り着けず、私がこのレビューを書いている現時点でも全部のエンディングは見れていません。というか、自力では不可能だと悟りました。

こういった攻略の苦労も、ご褒美のエッチシーンさえしっかりしていたらもっと頑張れていたんですけど…。でも、苦労の割には報われないからなぁ…。

先述したように、このゲームでエッチシーンが起こるのは、主にバイト中。下界で修行(アルバイト)している天使たちを覗き見している主人公が、ここぞでゴッドパワーを悪用し、エッチなハプニングを起こしては、今やっているお仕事に関連したエッチイベントが見られる按配なんですけど、これがなんというか、言葉通り「ハプニング」といった程度の小粒さだったんですよ。

そもそも、バイト中にエッチなハプニングが起きたところで、所詮、主人公ゼウスは天界からそれを俯瞰(ふかん)しているだけの立場。現場には居合わせていない訳ですから、お相手の男が自分とは全く別の男になってしまう訳でありまして。寝取られって程の痛いレベルではなかったにせよ、これは面白くありません。

ゼウスと天使とのエッチシーンをこれほどまでに焦らしているのは、ラストの正式なエッチシーンを迎えたときの喜びを演出するためなのかな~とも思いきや、最後は最後で、なんだか純愛ゲームの締めのような非常にお行儀の良いエッチシーンになってしまっているんですから…。普段、下品なまでに欲望に正直で、スケベ親父を地でいくあのゼウス様とは思えぬ行儀良さ。 何で何で? もっと普段どおりの感じで行こうよ~ゼウス様~。


そんなこんなで、結局ANGELIUMは、その豊富なエッチシーンに見合うだけの満足感は得られませんでした。主人公主観のエッチシーンが少なかっただけで、物足りなさがたんまり残ってしまうってのは、なんとも勿体無い話ですねぇ。ゼウス自身は、とってもいい味出しているキャラだったんですから、もっと彼をエッチで活躍させて欲しかった。勿体無い。

横田守さんのグラフィックに目を奪われがちですが、Teliosさんは抱えているシナリオライターもとびきり優秀なんで、シナリオに関しても安心して見れます。登場するキャラクターなんかもいつも魅力がいっぱい。今回のANGELIUMも例外でなく、シナリオは笑えて面白いし、キャラクターも男性キャラを含めて一癖も二癖もある好印象な人物が揃っていた。

で・す・が、これらは主に脇役に対して言えることであって、悲しいかな、肝心のヒロインの3天使、彼女らには当てはまらなかったんですよ!

とにかく、脇役の我の強さと比べて、ヒロインの3人の天使たちが大人しい事、大人しい事。ヒロインなのに没個性、強烈に匂ってくる脇役臭さ。ゲームの中心となるキャラであり、エッチシーンもほとんどが彼女らに注ぎ込まれているというのに、最後まで彼女たちをヒロインとして認めることは出来なかった…。

なんというか、この娘とのエッチシーンが見たい!と思わせられる、エロゲに大切な「そそるもの」を感じさせてくれないんですよね。Elysion、はぴベルのヒロインと比較して、今回の天使3人組は圧倒的に訴えかけてくるものがない。この様では、彼女たちを育てようとする気力も、愛情を注ぎ込もうという気力も沸いてこないのですよ。

だって、こんな小娘3人なんかより、ゼウスの奥さんヘラの方が数倍キャラが立っていて、数倍良い女なんですもの。素敵な奥さんを尻目に、どうでもいいような小娘と浮気なんてしたくないでしょう。奥さんのヘラに限らず、天使長、淫魔ペルセポネ、魅力があったのは押し並べて脇役。3人のヒロインは、男性キャラにすら負けていたような気がしました。いや、ホントに。

ANGELIUMは良く出来ている作品だとわかっていながら、私がイマイチ好きになれなかったのは、この顔となるヒロインの不甲斐無さが原因かもしれません。

ゼウスの奥さんであるヘラ。恐妻なれど良妻。さすが結婚、貞節を司る女神だけあって、妻として最高の女性です。私もわざと浮気がバレるように仕向けて、嫉妬に憤る彼女とのエッチシーンを堪能する、歪んだ愛のカタチを体験しましたよ。

私個人の感想として、ANGELIUMは前作いきなりはっぴぃベルを満足度で下回りましたね。延期も繰り返して散々焦らされた割には、不完全燃焼で終わる結果に。なんかTeriosさんはElysionをピークに段々テンションが低くなっていく気がしないでもないなぁ。この次は女神企画(仮)? うーん、更に期待出来ないぞ。やばいやばい。
03年3月17日