あねいも2 H’sもっとHにステップUP!
メーカー〔boot UP!〕 発売日2008年3月28日


恐るべき子供たち無計画
掛け値なしの和姦、それもとびっきり甘々なLOVEエロであったというのに、後味はまるでタチの悪い陵辱作品のような苦々しさ…。これは鬼畜和姦と呼べばいいのか、それともラブラブ悪寒とでも呼ぶべきなのか。とにかく、考えなしで種付けを始めようとする主人公の気持ち悪さは異常。まぁ、ひとまずそのことに対する批判は飲み込んでおいて、先に良かった部分を挙げていきたいと思います。後回しにすると、多分褒める気なくしちゃうと思うので。


評価したい点は、まずなんといっても、あねいもシリーズに蝕む癌をバッサリ摘出したことですね。あねいもにおける癌というのは、当然ながらシナリオ。エロは一級品でも、シナリオは中古といった感じで、古臭く手垢の付いたストーリーはまるで存在価値を見出せないものでした。この目当てのLOVEエロに到達するまでの無駄な前置きがなくなっただけでも、随分印象は良くなっています。

ただ、シナリオの水増しがなくなった分、かなり内容が萎んでしまっていることも事実。用意されている深月編、皐月編、沙織編、唯編のそれぞれのエピソードはいずれも短編で、特に沙織&唯はまともな選択肢のない一本道。ものの数分でエンディングになってしまった時には、私も思わず青ざめましたよ…。

そんな中、ハーレム編だけは割とボリューム感がありましたので、どうやらファンディスクの力点はここにあるみたい。眼目のハーレムエッチのみならず、選択肢分岐で個別エッチシーンも盛り込まれていたぐらいですから、なかなかに頑張っています。とはいえ、ハーレムエッチ自体は1パターンしかなかったので、やっぱりコストパフォーマンス的には微妙な感じ。いくらファンディスクとはいえ、お値段は7140円とそこそこするのですから、もっと頑張って欲しかったなぁ。

エロさに関しては概ね満足。バカップルの如くイチャイチャとエッチに耽るLOVEエロはやはり強力です。どのエッチシーンも1発で簡単に終わることなく、連発・連鎖で次の行為に繋がっていくのがいい。膣出し8連発など、主人公が張り切っていました。

東雲一彦さんの絵はとても綺麗で、構図1つ1つが上手いから実にエロいんですよ。塗りも艶(つや)やかという言葉がぴったりの美しさ。オマケに汁描写も完璧と、言うことなし。しかし、今回絵のクォリティがやや不安定で、特にみぃ姉の顔は縦に潰れたようなものがチラホラと。塗りを含めて全体的な統一感を欠いており、その辺はチョット印象が悪かったと言わざるを得ません。

って、あれ? 「良かった部分」という割にはなんだか批判ばかりのような…。まぁいいや。とりあえず、私が褒められるのはここまで。次にH’sの悪かった部分……ではなく、気持ち悪かった部分に言及して参りましょう。


既に冒頭で述べていますが、気持ち悪さの元凶は、ズバリ主人公の拓己君。とにかく、彼の「孕ませ」に対する異様な執着心が気持ち悪い。無論、ムリヤリではなく、お互い合意の上ではありますけど、まだ自立もしていない学生の身分で軽々しく「子供を作ろう」と宣うこと自体、気持ち悪いですよ。相手の女の娘はというと、「赤ちゃん、本当に出来たらどうしよう」と一応戸惑いを見せつつも、根拠のない「大丈夫だよ」「心配しないでいいよ」「俺は本気だよ」の言葉で、あっさり「すごく嬉しい…」と感化されてしまう始末。おいおい。

程なくして、案の定妊娠。親にその事実を打ち明けにいくと…。

親父「どうやって生活していくつもりなんだ? 私や母さんのことを当てにしてるんじゃないだろうな?」
拓己「してないよ。俺、学校をやめてどこかに就職する」
親父「まともに卒業できなかった奴が、まともに就職なんて出来るわけないだろうが」
拓己「それは……。でも、やってみなくちゃわからないだろ、そんなの!」
親父「もし働き口が見つからなかったら、その時はどうするつもりだ?」
拓己「……」

ええっ! そ、そこで無言なの!? 頼むから、無為無策で子作りしないでくださいよ…。出来ちゃったのではなく、出来させたのに、この神をも恐れぬ無鉄砲。子供が欲しいなら、結婚してから、働いてから作りゃいいじゃないですか。なんでアンタらは先に子作りから始めるの? なんで子作りという重大事が泥縄式なの? 私にはまったく理解できない。勇ましく啖呵を切っておきながら、結局、拓己君は学校を辞めることなく、親の金銭援助に頼ることになりますし…。やれやれ。


でもね、この主人公が頭おかしいのは本編でわかりきっていたことですし、これだけなら今更とやかくは言わなかったですよ。……いや、やっぱり言っていたかもしれないですけど、もっと優しい口調でしたよ! それを小汚い言葉で再び罵りたくなってしまうのは、みぃ姉のエピソードが最低すぎたから。これがまた、小学生時代の拓己君がみぃ姉とセックスして、膣出しして、孕ませて、子供を産ませるというシャレにならない話だったんで…。

前回の4人同時妊娠もドン引きでしたけど、今度は小学生の身で子供を孕ませることになろうとは。なんでこんな気持ち悪いシチュエーションばかり思いつくんだろう。しかも、1人で懲りることなく、ぽんぽん次から次へと子供を産ませやがります。親はどう思ってるの? 学校は? 倫理は? 養育費は? 子供の人生は!? 気になることいっぱいいっぱい! でも、その気になる部分を「いろいろあって大変だった」「割愛させてもらおう」で軽くスルーして、強引に大団円で幕引きしているのだから恐れ入る。

フィクションに対して、というかエロゲに対して、常識を振りかざす真似はすべきでないと重々承知していても、ここまで脳味噌エンプティなバカ男を見せられて、愉快な気分がするわけありません。そんな彼と同レベルのバカ女にもねっ! 初めて「バカップル」という単語を、悪意と侮蔑の意味を込めて使いたくなりましたよ!

男女が仲睦まじく愛し合い、新たな生命を授かるという人類の尊い行為を冒涜し、LOVEエロとバカップルに対する世間の著しいイメージダウンを招いた罪は重い。ファンディスクなんですから、“社会人として家庭を持った主人公”という後日談にすりゃ良かったのにねぇ。これなら思う存分膣出しして構いませんし、思う存分子供を拵(こしら)えて構いませんし、思う存分LOVEエロを名乗って構いませんよ。それなのに、どうして“小学生が子作り”なんていうトチ狂ったエピソードを盛り込むのやら…。ホント理解に苦しみます。理解しようとしている私が間違っているのかもしれませんが。

エロをどれだけ頑張っていても、やっている当人同士がこれだけ気持ち悪けりゃ無意味。男女の合意がないセックスが和姦ではないように、子供の合意が得られない子作りも和姦ではないでしょ。自分たちの一時的な快楽のために、子供の人生を巻き添えにするのはおやめください。

CG枚数は全部で82。ファンディスクとしては充分である気もするけど、価格を考えると物足りない気もする。ファンディスクの価格は、5040円がベストかな…。

前回のレビューではみぃ姉のことを掃き溜めに鶴だと褒め称えましたけど、やっぱり取り消します。所詮、同じ穴の狢。性知識が充分備わっている中学生にもなって、して良いことと悪いことの区別が付かないとは、幻滅しましたよ。

一方で、前回最下位だった唯ちゃん株が急上昇。唯ちゃんといえば、両手を胸元でグーにした媚び媚びポーズでお馴染みのぶりっこちゃんですが、今回はそこから1年経過した姿を見せてくれていて、これがもうメチャクチャ綺麗でびっくり! 別人と思えるほど、グッと大人びた風貌に成長している! 中身はあんまり成長しておらず、未だに「えへへ」とか抜かしていますけど、これだけ眉目麗しく成長するとは嬉しい誤算でした。勿論、この姿でのエッチシーンもありましたよ。このファンディスク唯一の見所だったといえましょう。
2008年4月13日