あねいも2
~Second Stage~
メーカー〔boot UP!〕 発売日2007年4月27日


明るい家族無計画
目の覚めるような荘厳なBGMを背景に、薄墨色の空からゆっくりと俯瞰するように映し出される冬の街並み。思わず感嘆の声が漏れてしまうほど美しいタイトル画面には、これから始まるであろう壮大なドラマを予感させる……って、あれ? これ、タイトルは「あねいも2」じゃなかったっけ?

まったく、何故にあねいもの続編が、こんな感動スペクタクル巨編っぽい装いになっているのやら。私みたいな「LOVEエロ」目当てのお客さんには、この気合いの入り方が逆に不安に感じますよ。ま~た余計なシナリオ面に力を入れているんじゃないかって。案の定でしたが。


あねいも2は2部構成になっており、目当てのLOVEエロに辿り着くまでには、まず恋愛パートをこなさなければなりません。相変わらず長ったらしくて、懲りもせず超ベタベタな展開。どれもこれも一度は見聞きしたことのあるような話で、雪の中で彼女が来るのをずっと待つとか、心臓病に罹患していて余命幾ばくもないとか、ここでネタバレしてもちっとも心が痛まないほど、有り触れて見え透いたものばかり。

ま、これでも前作に比べると幾分マシになったと言えます。前作は、主人公のお寒いリアクションが見るに堪えず、LOVEエロまでの過程が苦痛以外の何物でもありませんでしたが、今回シナリオの体裁は割とまとも。主人公はぶっちゃけヘタレ系でしたが、周りに流されるだけでなく自分の気持ちもしっかり持っていたので、イライラさせられることは少なかったですね。後のLOVEエロのための布石だと割り切れば、我慢出来なくもないレベルです。

で、そのLOVEエロなんですが、これはもう、文句なしに良い。散々叩きまくった私も手放しで褒めそやしたいっていうか、あっさり手の平を返したくなるぐらいに良かったです! 心通わせた途端、たがが外れたかのようにお互いを求め合い、冬休みの間ずっと毎日エッチに耽るという爛れた性生活。第2部は、余計な雑事(イベント)に気を取られることなく、心行くまでLOVEエロ三昧の幸せな日々なのですよ~。

最初辿々しかったセックスも、回を重ねるごとにステップアップしていき、大胆さが増してくる。エッチシーンの総数は1人頭10個を超える大ボリュームで、それも1回のセックスが1度の行為で果てることはなく、常に2回戦、3回戦と続いていたのが嬉しいところ。

みぃ姉こと、深月とのエッチはホント最高でした。主人公との結びつきが最も強く、愛情豊かなヒロインだけあって、恋仲になってからは完全にデレデレ甘甘。主人公の先走る性衝動を、優しく受け止めるみぃ姉の甘やかせっぷりは堪りません。彼女の包み込むような愛情に酔い痴れてしまいます。

そして、伝家の宝刀ピロートークも健在。「みぃ姉だけだよ、俺がエッチなことしたいって、そう思うのは……だから、毎日ここに来ていい?」 「ええ、いいわよ、拓己が好きなだけ、いっぱいいっぱいエッチさせてあげる」 エッチが終わった後には、そんな甘いベッドでの語らい、冷めやらぬ興奮の余韻を堪能することが出来るのです。この閨房での睦言は、もはや和姦エロゲに欠かせない要素だと断言したいですね。事後の甘美な余韻こそ、まさに和姦の神髄! 他のメーカーさんもこっそり真似して欲しい!

ちなみに、このピロートーク時の深月添い寝CGは凄まじく綺麗でした。東雲一彦さんの絵は、ますます磨きが掛かって魅力がアップしています。汁描写も実にお上手な方なので、私としては今後とも贔屓していきたい原画家さんですね。


このように、LOVEエロに関しては、もう一分の隙もないぐらい完璧なものに仕上がっていました。しかし、その完璧なLOVEエロを有していながらも、あねいも2は完璧なエロゲからは程遠いものでして…。

問題点は極めてシンプル。ヒロインに魅力を感じないんですよ。いくら素敵なLOVEエロが待っていようとも、肝心の相手が好きになれないようでは、何の意味もないでしょう? ヒロインの好き嫌いは好みの問題なので、あまり強くは言えませんが、私はみぃ姉以外の3人、特に白川姉妹はまったくと言っていいほど受け付けられなくて。

沙織は、他人の家にご厄介になっているくせに、不躾で喧嘩腰で接してくる難癖系ツンデレですし、唯は、胸元で両手をグーにする媚びポーズが基本姿勢の今時エロゲでも珍しいぶりっ子ちゃん。さすがに私にはこの2人は無理。ただでさえ、唯には心臓病という極めて迷惑な設定がありますし…。あと5年で死ぬとか聞かされた後、脳天気にLOVEエロできますか?


それから「子供を作る」ことに対する認識が、主人公を含めて全員低いのも、魅力を低下させている大きな要因だと言わざるを得ませんね。

だって、彼等は本当に軽い意識で子作りし始めますから。「わあ、ゴメン。膣出ししちゃった」「気にしないで。貴方の赤ちゃん産みたい」「そうなの? じゃあ、孕ませちゃうぞ!」的な軽~いノリ。ついさっきまで童貞と処女だった男女が、初体験を終えた途端、舞い上がっていきなり結婚しようとか子供産みたいとかって話になるのはどうかと。主人公はまだ学生で、経済的にも自立していません。そんな人が、軽々しく子供を作ろうと口にするのはねぇ…。

極め付けは、ハーレムルートでの4人同時妊娠。これはもう、鬼畜行為以外の何物でもないでしょ。貴方たちは、産まれてくる子供の人生なんて何も考えていないのですか? 確かにハーレム自体非現実的なことではありますけど、いくらなんでもこれは異常だと思いますよ~。胎児をお腹に抱える4人が、こちらに向かって幸せそうに微笑みかけているCGは、途轍もない気持ち悪さを感じました。前作になかったハーレムルートが搭載されて喜んでいましたが、まさかこんな後味の悪いものになるとは…。


いくら最高のLOVEエロが備わっていようとも、これだけシナリオが古臭くて、軽佻浮薄なキャラが揃っているようでは、素直に褒めにくいものです。一応、前作よりは良くなっていますので(値段の違いもありますけど)、それ以上の点数を付けさせてもらいましたが、なんとも釈然としない終わり方。すごくいい物持っているのに、それを使いこなせていないのがじれったい

フェラで3連発といった素敵なシーンもありましたが、全体的にオーラルセックスの意識は低い。基本的に膣出しゲーなので、そっち方面の性癖を持つ人に相応しいです。

第一印象では断然白川沙織でしたけど、程なくして失望。もう難癖系ツンデレは見たくないや。白川涼子(CV一色ヒカル)は最高だったのに、白川沙織(CV一色ヒカル)は最低です。

代わりにFAVORITEに躍り出たのは、大人っぽさと可愛らしさを兼ね備えた愛しきおねーさん霧島深月。掃き溜めに鶴とはこのことですね。そんな彼女とのピロートークは、後半子作りの話ばっかりだったのが残念…。
2007年5月10日