姉とボイン  
メーカー〔G.J?〕 発売日2004年10月29日

下手なキャラ、数出しゃ萌えるの格言は通用しない
佐野俊英というジョーカーを手札に持ちながら、ワンペアしか作れないメーカー、それが「G.J?」。前身のRipeを含めて、とにかくここの宝の持ち腐れ能力は半端じゃなく、超A級絵師佐野俊英さんの実力を余すことなく無駄遣いしている。よくもまぁ、次から次へとこれだけ駄作が作れるもんですよね…。そろそろ笑えなくなってきました。

駄作たらしめている原因はハッキリとしていて、ズバリ作品コンセプトとシナリオが悪い。逆をいえば、これさえ改善されればあっという間に傑作に早代わりしそうなんですけど、一向に改善されないんですな~。

でも、今回の作品ではようやく佐野さんの持ち味を活かせそうな雰囲気。佐野さんの持ち味といえば、やはり“巨乳で綺麗なおねーさん”なので、この姉とボインはまさにうってつけ。変にアニメのコスプレとかやられるより、これぐらいストレートな方が万倍良いですよ。

もうひとつの懸案であったシナリオに関しても、新人シナリオライターが抜擢されたことによって、もしかするともしかするかもしれないという仄かな期待感。……が、そこはさすが「G.J?」、やっぱり一筋縄でいくようなメーカーではなくて。


端的にいえば、シナリオはつまらなかった。超が付くほど。笑えないギャグコメディって時点で、既に価値は見出せないでしょう。アキバ系彼女と同タイプで、その場のノリで強引に笑いを取りにいく感じ。こういうのって、私はどうも馴染めない。

「お茶の間フラッシュタイム」なんて極悪も極悪。キャラクターがアイコン表示になり、フキダシ形式で会話が進行していくこのやりとりは、冗談抜きで見ていられませんでした。テンポは悪いわ、エフェクトはウザいわ、内容は寒いわで、もう大変。闇鍋パーティーのつまらなさは、ごめんなさいと泣いて謝られてもチョット許せそうにないレベルです。それぐらいひどい。

G.J?さんは出す作品それぞれに、「恋の白兵戦」とか「乳リングシステム」とか訳わかんないシステムをいろいろ用意されておりますが、どれも不要で邪魔なものばかり。奇抜なアイディアを用いようとすることは、姿勢として肯定されるべきですけど、ここは基本部分を放ったらかしで、そのアイディアばかりに固執しているから迷惑なのよね。

その労力を少しでもエッチシーンに回してくれよと何度思ったことか…。いつも的外れな部分ばかりに本気になって、肝心のエロがおざなりにされているのは理解不能ですよ。

今回のエロも「絵が綺麗」以外の魅力は何もないからなぁ。量的にも、1人辺りのエッチシーンはたった2つしかなく、後はエンディングにもう1個ある程度。これじゃあ全然物足りませんって。

そもそも姉が10人という設定は多すぎ。ボリュームが少ない作品なのに、大量10人もの姉を登場させているから、1人1人のキャラが紙のように薄っぺらい。せめて、れもん、りんご、みかん、ももこ、びわの5人に留めておくべきでした。こんなの普通に考えれば、誰でもわかることだと思うんだけど…。

11Pをやりたいがためにムリヤリこんな人数にしたのかもしれませんが、別に11Pなんかいらないです。ゴチャゴチャしてて何がなにやらわからないし、数が多ければエロいってもんじゃないでしょ。こんなのなら3Pで充分。


結局、佐野さんは今日も1人で5打数5安打したのに、他が不甲斐ないばかりにチームは連敗という、見慣れたいつもの光景が、また今回も繰り返されていました。一体、何度同じことを繰り返せば気が済むのやら…。

姉とボインは、恐らく「姉、ちゃんとしようよ」の二番煎じを狙っていたのでしょう。姉ゲーであること、コメディであること以外にも、設定やキャラが被りまくっている有様だったので、比べてはいけない比べてはいけないと思いつつも、ついつい両者を照らし合わせてしまったのですが、それが一層姉とボインの粗悪さを印象付ける結果に。

姉とボインは姉しよの劣化コピーに過ぎないというか、もはや白黒コピー。「姉しよが面白かったから、こっちもやってみよう」なんて愚かで軽薄な考えは今すぐに捨てるべきです。今すぐに。

佐野さんの描く巨乳で綺麗なおねーさんのCGをたくさん見れたのは幸せ~。でも、このためにクソだとわかっているエロゲを買わなくてはならない。罪な人だ。

それにしても、なんで頑なにコメディをやりたがるのだろう。佐野さんの絵はコミカルな絵柄ではないし、コメディをやるには明らかに不向きな原画家さんだと思うんだけどなぁ。これだけフェロモン漂うセクシーな女性が、くだらないジョークを飛ばしている姿は見るに忍びないですよ。誰も佐野さん原画の作品に、笑いなんて求めていないでしょうに…。

どうしてもコメディにこだわりたいと仰るのなら、もっとエスプリの効いた大人のコメディにしてください。それなら佐野さんの絵でも違和感ないはずですから。

無駄に乳を揺らすシステムは廃止されました。代わりに、それぞれのキャラを巨乳にするか爆乳にするかを選べる乳タイプモード搭載。これはあって困るようなものじゃありませんでしたが、巨乳も爆乳も大した違いはなく、単なる微調整に過ぎないので必要だったのかどうかは微妙。

それでも、このわずかな違いにこだわる人がいるのなら、存在意義のあるシステムだったといえますがね。

10人もいたのに、否、10人もいたからお気に入りの姉は1人もいなかった。
04年10月31日