あまえんぼう
~もう!イケない子ね~  
メーカー〔祭企画〕 発売日2004年2月13日

癒しからあやしへ
とりあえず、こののろのろしたメッセージスピードを何とかしてください。瞬間表示すら出来ない鈍行テキストには、ストレス溜まりまくり。お話をじっくり読ませるようなタイプのエロゲでもないんだから、テキストぐらいパパッと表示してもらわないと。文字速度だけに限らず、その他諸々の動作がもっさりしていてましたし、ハッキリいってプレイ環境はかなり悪い部類。今時、こんなシステムでは辛い。元からB級イメージの強い作品ですが、これでは一層の拍車がかかってしまいます。

でもこの作品、プレイ環境は劣悪でも良いところはちゃんとあるんですよ。それはエロ。エロが良かった。一線を越えた後、一気に傾斜が強まっていくエッチシーンは、プレイ環境の問題を一先ず棚上げにしておきたくなるぐらいに魅力が溢れていたのです。

エロに関して特徴的であったのは、女の娘のモノローグがあったこと。行為の最中、今彼女たちの感じている内心が窺い知れる仕組みになっており、 「おっぱいを揉んで欲しいなんて、あそこをいじって欲しいなんて……絶対言えない!」 といったような赤裸々な告白が聞こえてしまう。普段は対面を気にして言い憚られるような言葉でも、独白においては抵抗なくすんなりと出てきますから、エロエロなセリフが連呼されていたのは大きなメリット。「若い子の射精って勢いがあるから、上着、脱いでおいた方がいいわね」 とかのセリフがごく自然に出てくるのは嬉しい。

しかし、こんな独白よりも~っと特徴的だった部分といえば、やはりなんといっても主人公の「甘えっぷり」ですよね~。極度な甘えん坊さんだった主人公こそ、このあまえんぼうの最大の特徴に他なりません。

とにかくこの作品は主人公の甘えっぷりが尋常でなく、想像を遥かに上回る甘えん坊さんでした。「亜麻遠望」と名前からしてその甘えん坊振りを発揮していた彼は、幼少の折から甘えて甘えて甘え倒してきたという筋金入りの甘えん坊将軍。「相思相愛で甘え甘えられてのエッチ全開」という作品の触れ込みでありながら、その実、甘えていたのはほとんど彼だったというぐらい。

「あまえんぼう」というタイトルのエロゲなんですから、主人公が甘えん坊なのは当然のことだと思われるかもしれませんけど、それを差し引いたとしても、彼の甘えん坊振りは強烈だったのです。言葉の端々に赤ちゃん用語を交え、母親への依頼心に満ち溢れ、ぶっちゃけ彼はマザコンですよね。登場キャラクターの中に藍子さんというお母さんキャラがいたんですが、彼女のシナリオでの主人公は完全に童心に返っていて、恥も外聞もなくママーママーと甘えまくる始末。もうほとんど赤ちゃんプレイ一歩手前って感じ。

大の大人が幼児退行し、甘えん坊と化している姿は正直見ていて痛々しい…。でも、ここまで開き直ってしまっていると逆に嫌味を感じなくなるもので、途中から抵抗感は感じなくなってきました(はじるすの主人公と一緒)。女性側もこの依存しきった主人公を優しく受け止めてくれていたし、無茶なおねだりでも快く聞き入れてくれていたから、段々この甘えん坊な関係が心地好く思えてきてしまうんですよ。私も甘えん坊に感化されてしまっているのかも…。

実際、今となってはそこそこの満足感があります。私が求めていた「恋人同士のイチャイチャベタベタな甘えっぷり」とは性質の違う作品であったのは残念でしたけど、一風変わった世界が覗けた気がするので、これはこれで良かったかなと。皆さんも最初は主人公の痛々しさに引いてしまうかもしれませんが、そこを少し我慢して慣れてき始めると、「たまにはこんなのも良いかな」と思い直すようになるはずですよ、多分。

まぁ、作品としての方向性はこのままで間違っていないと思うので、後はプレイ環境の改善、B級スメルの換気が必要になってくるでしょうね。ハーレムシーンがなかったのも心残りだったので、次回からはここら辺もキッチリ修正をお願いしたい。

この作品は主人公の名前が固定ではありません。亜麻遠望なんて訳のわからない名前が嫌な人は、各自自由に改変することが可能です。

しかし問題なのは、セリフの中で主人公の名前が呼ばれるとき。これが文字表記通りに「  さん」と発声されてしまっているんですよ。デフォルトネームの亜麻遠望のままでプレイしても、「遠望さん」とは呼んでくれず頑なに「  さん」なんで、これは拙いよねぇ。

主人公の名前を変更出来る作品であるならば、名前を呼ぶ部分は完全に無音にしておくか、貴方やキミといった対称代名詞に置き換えるのが常道でしょう。

エッチシーンのモノローグは優れたアイディアであったものの、突然テレパシーのように聞こえてくる独白には、不自然さと共に戸惑いを感じてしまう人がいるかもしれません。しかし、その点の心配は無用。シーン回想モードでは独白のありなしをちゃんと選べるようになっていましたんでね。ちゃんと配慮を行き届かせていたのは偉い。

存外に多かった射精量。原画家さんがKISS×200でお馴染みの岩本幸子さんなので、汁描写は結構目を瞠るものがありました。贅沢を言わせてもらうなら、塗りをもうチョット綺麗にして欲しいんですが…。

てっきり4姉妹の長女かと思っていた藍子さんは、実は3児の母だったのね。母親らしさとしてはそぐわぬ可愛らしさが、ギャップを感じさせてくれてすごく魅力的。通常は対象外になりがちな母親キャラでも、藍子さんなら別です。ママー。
04年3月11日