ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

エヴァンゲリオンといえば、私にアニオタという大迷惑な属性を植え付けてくれた元凶。そのアニメが12年ぶりにリメイクされると聞き付けました(正確にはリメイクではないようですが)。

でも、今更エヴァンゲリオンってどうよ? さすがに10数年も経てば興奮の余韻は残っていませんし、かといってリメイクが望まれるほど旧態依然のアニメでもない。大体、DVDで出るならともかく、リメイク如きをわざわざ映画館で観る気にはなれないなぁ。しかも、4部構成ですって? これを全部観に行こうとする人は、余程の物好きか暇人しかいないでしょ…。

というわけで、早速、ヱヴァンゲリヲン序を観て参りました! この日本には、私のような物好きや暇人が相当数いるらしく、劇場は満席。立ち見客も出るほど盛況でした。客層は30代と思しき方々が大多数で、ぶっちゃけ年齢高め。10代のお客さんはほとんど見かけなかったです。やはり、青春時代エヴァに魅せられた人たちのための映画なんでしょうかねー。

内容の方ですが、想像していた以上にTVアニメ版に忠実。セリフ回しもほとんど変わりませんし、最初は「あれ? どこが変わったの?」と意識して相違点を探していたぐらい。

ただ、ヴィジュアル面は確実に進歩を遂げています。キャラクターは全体的に美化されていて、シンジ君はイケメン度が200%アップ。ミサトさんは色気が150%アップ。綾波は可愛さが300%アップ。背景はどのシーンも細部まで描写されており、使徒を迎撃する兵器はその1つ1つが豪華になっている。CGを駆使することで、これまで不可能だった表現が可能となり、画面のクォリティは見違えて良くなりました。

日常シーンではわかりにい差異も、戦闘シーンでは迫力が段違いですよ。シャムシエル戦で、撤退命令を無視し、絶叫しながらプログレッシブ・ナイフを突き刺すシーンも一段と迫力が増している。今回、使徒は倒されたあと、派手に血飛沫が噴き出して消滅するように変更されている(レリエルのように)んですが、このせいで夕日をバックに活動を停止するシャムシエルと初号機の両者の構図がカット。この点だけは、チョット残念だったかな。

「序」の最大の見せ場は、なんと言ってもラミエル戦。TVアニメ第6話の「決戦、第3新東京市」に相当する部分は、新作カットの嵐で全面的なアレンジが施されています。ラミエルさんは、ただの◆ではなく、オフェンス・ディフェンスで複雑に形状を変える、アグレッシブな使徒になっていました。リフトオフと同時に、ラミエルにいきなり照射されてしまうシーンでは、なかなか初号機がスムーズに回収されず、長時間に渡ってシンジ君は敵の攻撃に標的に…。あんな悲惨な目に遭ったら、シンジ君でなくても戦意喪失で、EVA搭乗を拒否したくなるわ。

そして、陽電子砲(ポジトロンライフル)で超長距離から狙撃するヤシマ作戦。日本の電力を総て結集して使徒を撃墜するというこのシチュエーションは、やっぱり痺れますね~! 劇場版だと、大勢のギャラリーが成り行きを見守っており、「日本の命運はシンジ君に託された!」という感じが一層演出されていて良かったです。作戦決行前の静かに張り詰めた緊張感はすごい。一転、作戦開始後の盛り上がりも凄まじい!

TVアニメ版では、初号機とラミエルが同時に撃ち合い、お互い被弾を避けるというものでしたが、劇場版では共に被弾して痛み分け。といっても、ダメージはEVA側が甚大で、シンジ君は既に虫の息。その様子を見て「使えない」と判断した碇司令は、即時息子の更迭を決断しますが、シンジ君は諦めず、這いずりながらも第二射の体勢に入ろうとする。この辺はマジで感動。勿論、ラミエルの次弾を身を挺して防ぐ綾波も。ラミエルの攻撃は半端じゃなくなっているので、まさにTVアニメ初見時のように「早く撃てー!」と心で念じながら見入ってしまいましたよ。

最後はカヲル君の全裸というサービスカットで幕。「今更リメイク~?」と懐疑的だった私も、終わってみれば大満足&大興奮。ヤシマ作戦はエヴァの中でも1,2を争うほど好きなシーンでしたんで、ここが大幅に強化されていたのは本当に嬉しい限りですね。これだけでも観た価値は大ありでした! なんだかんだで私はエヴァ大好きっ子ですから~。

次回の「破」では皆さんお待ちかねのジェットアローン……もとい、惣流・アスカ・ラングレーが登場しますし、ますます見逃せません。予告では、EVA伍号機六号機の存在も明らかに。「破」は「序」以上に大胆な修正が加えられそうですよ。使徒もラミエル以上の変貌が期待できるかも? というか、まったく別な使徒の襲来も可能性としてありますね。

ラミエル戦で冬月が「あと8体」と明言していたので、幾つかの使徒が削除されるのは決定事項でしょう(原作ではこの時点で残り12体のはず)。リストラ候補は、ガギエル(お魚の使徒)、イスラフェル(ユニゾンで倒す使徒)、サンダルフォン(火口に潜んでいた使徒)、イロウル(MAGIに侵入した使徒)辺りかなぁ…。ユニゾンの話は好きなんで、出来ればイスラフェルは残して欲しいんですけど。

とにかく、出来の良い映画でしたので、興味を持たれた方は是非観に行ってください。“エヴァに嵌った世代”が懐古する道具としてだけでなく、“エヴァを知らない世代”が新たに知るきっかけの映画でもあると思います。実際、今回私と一緒に観に行った人は、エヴァを見たことがなくて、ブームも体感していない世代の人でしたけど、すごく面白かったとはしゃいでおりましたよ。10代~20代前半の人も、積極的に劇場へ足を運びましょう。30代が埋め尽くす館内はそこはかとなく寂しいものだったので…。

2007年9月12日