私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!総括

最初はもこっちの滑稽な失敗談にお腹を抱えて笑っていたことでしょう。身に覚えのあるぼっち特有のネタに「あるある」と共感しながら笑っていたことでしょう。ところが、次第にその爆笑は苦笑い、引きつり笑いに変わって行き、気付けば真顔で「wwwww」を連打するような心境に。きーちゃんの話での尊敬→軽蔑→憐憫の変遷はニコニコ動画でも阿鼻叫喚でしたしねぇ(笑)

コミックス版での書評でも語りましたが、ワタモテはもこっちに感情移入する作品ではなく、もこっちがこちら側に“感情侵入してくる作品。自分ともこっちは違うと線引きしていても、勝手にその線を越えて向こうが取り憑いてくるから怖い! もこっちの見るに堪えない痛々しい失敗や報われない不幸が、全部我が身のことに感じて笑えなくなってくるんですよね~。

この作品で私が深いと感じるのは、“周りの人間は皆良い人ばかり”であること。作中で一番性格悪いキャラは間違いなくもこっち。私はもこっちのことが愛おしくて大好きですけど、彼女がこれだけ報われず悲惨な目に遭っている原因は、残念ながら彼女自身にあると言わざるを得ません。

これまで主人公が不幸な目に遭うドラマでは、必ず環境が悪かった。主人公はいつだって清く正しい存在なのに、悪い親、悪い友人、悪い大人、悪い社会に翻弄されて、辛酸を嘗めさせられるという不憫なお話ばかり。

でも、そういう悲劇の主人公系作品に慣れすぎたせいで、世の中にはチョット自分が不遇に感じたらすぐ他人や社会のせいにする人が増えてしまった嫌いがあります。“自分は正しい、間違っているのは社会”という思い込みが過ぎるがゆえに、自分の行いを一切省みず、「大衆はバカばっかりだ!」と他人を見下すことで自我を保とうとしている人が。

斯く言う私も、「周りのクラスメイトはくだらない話ばかりしてるレベルの低い奴ら」という閉鎖的ぼっち思考に一時取り憑かれかけた暗い過去がありますけど、如何にそれが愚かで間抜けな考えであるかを、作者はもこっちを通して視聴者(読者)に伝えたかったのではないでしょうか。

他人を不当に見下したりせず、素直に輪の中に入る努力さえすれば、もこっちだって普通に友達ができるのに……視聴者がもこっちに向けて送るアドバイスこそ、現実のぼっち(自分)に向けて送られるメッセージなんだと思う。他人や環境のせいにする前に、まず自分の行動を改めよってことですね。

★ワタモテ登場いい人ランキング★

1,成瀬優

高校デビューでリア充に生まれ変わったからといって、もこっちと距離を置いたり見下したりしないゆうちゃん。それは義理でも同情でもなく、彼女にとってももこっちはすごく大切な友達だから。それはゆうちゃんが歌う「私がモテないのは可愛くないからだよね?」を聴けばよくわかります。

これは思わず涙ぐむほどにいい歌(詞)でした。もこっちが羨むリア充要素を総て満たしているようなゆうちゃんでも、彼女は彼女で苦悩を抱えていて、もしかすると彼女の方が苦悩は根深いのかもしれない…。もこっちよりもゆうちゃんの悩みに共感を憶える人の方が多いんじゃないでしょうか?

2,黒木智貴

もこっちにあれだけ構ってやれるのは、いくら家族といえど、なかなかできるものじゃない。クズな姉のせいで一番迷惑被っているのは彼であるはずなのに、それでも我慢し続けられるなんて、ホント出来た弟です。

3,今江恵美

博愛精神に満ちた生徒会長。着ぐるみを着てもこっちを抱き締めたシーンは、作中で唯一もこっちが報われたシーン。

4,伊志嶺潤(乙女ゲー声優)

もこっちの最低なリクエストにも嫌な顔1つしないで快諾したプロ中のプロ。私もこの声優さんのファンになりました(笑)

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! (7) 初回限定特装版 オリジナルアニメDVD付き (SEコミックスプレミアム)

著者/訳者:谷川 ニコ

出版社:スクウェア・エニックス( 2014-10-22 )

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コミック ( 139 ページ )

ISBN-10 : 4757541228

ISBN-13 : 9784757541221


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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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