残響のテロル第11話「VON」雑感+総括

スピンクス最後のテロは、原子爆弾を日本上空に打ち上げての高高度核爆発。私はここで高高度核爆発というものを初めて知りました。成層圏で核爆発を起こすと、衝撃波や放射線の影響が地表に及ばない代わりに強烈な電磁パルスが拡散し、広域に渡って電子機器障害が起きてしまうのですね。つまりナインは、核爆弾をEMP爆弾としての用途で放ったということ。

政府は即座に関東全域に避難勧告を出し、爆破を阻止するため航空自衛隊戦闘機をスクランブル発進。最終回らしい大掛かりな展開に、私も思わず身震いしてきましたっ。──が、「上空にありすぎて届きません」と戦闘機があっけなく帰投。めっちゃ格好良く出撃したくせに、何もできずおずおず引き返してくるとは役立たずの自衛隊め!(笑)

結局、打ち上げられた原子爆弾はそのまま成層圏において大爆発。「どうせ寸前で爆破が阻止されるパターンでしょ?」と侮っていただけに、ガチで原子爆弾を炸裂させたのは驚きでした。この大規模すぎるテロ行為は、一連の連続テロの仕上げとして上々。最後にどでかい打ち上げ花火が見られて私も満足です。

でも物語的には、お粗末さが否めません。日本全土に電子機器障害を引き起こす高高度核爆発は非常に面白味のあるアイディアだっただけに、もっと物語に上手に絡ませる良い手立てはなかったのかと…。単なる「嫌がらせ」でこんな大掛かりなテロをやられてもねぇ

スピンクスが行ったテロの真の動機は、自分たちが警察に逮捕されることで、日本政府がひた隠しにしてきた暗部(アテネ計画)を明るみに出したかったかららしい。前回も申しましたが、そういうのはネットで広めていけば良かったじゃないですか。どうしても直接裁判で証言したいにしても、連続テロを起こす理由は何1つなかったと思うんですけどね。最初の都庁爆破だけで充分でしたよ。

事件が終結を向かえようとした矢先、今度は米軍が事態を闇に葬るべく口封じにやってきた。その動きを察したナインは、何やら昭和的な爆破ボタンを片手に、自分らを殺すつもりなら原発を爆発させるぞと恐喝。おろおろと狼狽える米軍は、しょうがないから標的をナインからツエルブに変えて射殺。……えっ!? どういうこと??

ここで何故ナインではなくツエルブを狙撃する必要があったのか、私にはまっっったくわかりません。ツエルブが殺されたのに、爆破ボタンを押さなかったのも謎。

その後は、柴崎によってアテネ計画という悪事が白日の下に晒され、一応はスピンクスの本懐は遂げられました(ナインはハイヴ同様長くは生きられない身体だったみたい)。しかし、日本上空で核爆発が起きたことの方が大事件なので、国民はそんなニュースにあまり関心を示さない気がしないでもないですね…(笑) 最後は本当にすっきりしない終わり方。初期の犯行メッセージ「VON」はアイスランドの言葉で「希望」だったとか。「だから?」としか言いようがないですよ。

総括


何となく予感めいたものはありましたが、第1話で東京都庁が爆破されたところがピークになってしまいました。爆破テロによる崩壊シーンは、不謹慎な興奮に彩られたディザスターフィルム的魅力があったのですから、変にシナリオをこねくり回さずに、それだけを追求してくれたら良かったんですけどねぇ…。最後は華々しくお台場のフジテレビ社屋が爆破されて、丸く収まったのに(笑)

これまで何度も指摘してきましたけど、スピンクスVS警察(柴崎)というストーリー軸を貫けなかったことが失敗要因。途中ハイヴが現れてから、目に見えてストーリーの魅力が失せてしまいました。1クールしかないんですから、そんなにいろいろ詰め込もうとしても無理なんですって。シンプルに、ナインと柴崎のライバル対決だけに焦点を絞れば良かったんですよ。

ハイヴ以外にも、残響のテロルには存在価値を見出せないキャラクターが多すぎました。ツエルブなんて、普通なら「ナインの頼れる相棒」というポジションであるはずなのに、最後までただの役立たずだったじゃないですか。計画はほとんどナインが遂行していましたし、ツエルブは単なる下っ端でしかない。唯一の見せ場は、女に絆されてナインを裏切ったところだけ。ツエルブなんて最初からいらんかったんや!

ツエルブには、声を色分けで知覚できる「共感覚」という特殊能力が備わっていたのに、その設定が一切どこにも使われることがないまま終了ってあり得ないでしょ。一体何のためにこんな意味深な伏線を張っていたの?? 本当に打ち切りエンドだったのかと疑いたくなる唐突な最終回でしたよ。

そして、無能の極みであった三島リサ。最初から存在理由の希薄なヒロインでしたけど、こうやってメインに据えられているからには、必ず彼女が何かしらのキーを握る存在になり得るものだと信じていました。ところが、散々無能っぷりを晒しまくってスピンクスの計画を邪魔しただけ…。存在自体がただただ迷惑という、キングオブいらない子でした。

どうせ彼女は、「絵的にカワイイ女の娘が1人はいるだろう」ぐらいの感覚で据えられたヒロインなんでしょ? そんな薄っぺらいキャラだから、あざとい萌えに無駄なエロを振りまくことしかできない無能女に成り下がるんですよ。女性キャラを単なるお飾りで配置する作品って、本当に印象悪いです。

ナイン・ツエルブ・リサ・ハイヴ・柴崎。メインキャラ5人のうち3人が不必要って言うんじゃ、もうどうしようもありません。どう考えても脚本が破綻していました。最初から設定を練り直して、もう一度やり直し!

【Amazon.co.jp限定】残響のテロル 1(オリジナルステッカー付き)【完全生産限定版】 [Blu-ray]

販売元:アニプレックス( 2014-09-24 )

定価:¥ 7,560

時間:48 分

2 枚組 ( Blu-ray )


ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
この記事のトラックバックURL
  1. 桐・・・ゲフンゲフン、種﨑敦美さん初メインヒロインだったのにしょんぼりです。となりの怪物くんの夏目あさ子以上のキャラにはなりませんでしたね-。

    第1話を見たときに、攻殻機動隊とかパトレイバー2みたいな押井守的な雰囲気感じたので楽しみだったんですが、何とも言えない話になってしまいました。

    • 種﨑敦美さんが好きだからこそ、この三島リサの不甲斐なさには我慢なりませんよ。せっかくのメインヒロインなのに、こんなしょぼいキャラにしやがって! 種﨑さんが可哀想です。まだまだ種﨑敦美=夏目あさ子のイメージは覆せそうにないな~。

      今期は「大図書館の羊飼い」に出てくるみたいなので、種﨑さん(この場合は桐谷さん?)の登場シーンだけ見てみたいです(作品に興味はない)。