残響のテロル第1話「FALLING」雑感

去年、都庁を観光しておいて良かった。自分の見知って思い入れある場所が、このようにテロの標的として爆破されてしまうと、より衝撃が増します。9.11を彷彿とさせる大惨事に、沸々と込み上げる不謹慎な興奮が抑えきれません。ああ、ついでに大阪のコスモタワーも爆破して!!

こうやって現実の建物がフィクションの世界でめちゃくちゃに破壊されるのは、一種の爽快感がありますね。天高くそびえる摩天楼が無惨に崩落していく様はインパクトとして絶大。リアリティある映像美に息を呑みながら、恍惚の笑みを浮かべる私…。

勿論、私はテロを肯定するつもりはなく、国家叛逆の思想も一切持ち合わせてはいません(ここはハッキリさせておかないと)。単純にディザスター・フィルムの一環として、破壊というエンターテインメントを楽しんでいるだけ。昔の子供が東京を壊滅させるゴジラに興奮していたのと同じような気持ちですよ、多分。

しかし、ゴジラよりは現実に起こりうる出来事ですので、そのぶん恐怖も真に迫ってきます。核燃料再処理施設でのプルトニウム強奪に始まり、Youtubeでの犯行予告、送電線切断による停電誘発、そしてテルミット爆弾による爆破テロ。まるでニュース番組を見ているような一連の出来事に、私は恐怖におののいていました

今後、物語の焦点となってくるのは、2人のテロ実行犯の動機でしょうか。まだ高校生に過ぎない九重新(ナイン)と久見冬二(ツエルブ)の2人の少年が、なにゆえこのような大掛かりな爆弾テロを巻き起こしたのか? 彼らの目的と同時に、テロリズムへと駆り立てたトリガーが気になるところです。

何やら施設育ちであることが示唆されていましたので、もしかすると彼らの複雑で悲劇的な生い立ちが、社会への復讐を企てる動機に繋がってしまったのかもしれませんね。

でも、私はそこにあまり重点を置きすぎないで欲しいとも思います。彼らがどれだけ不幸な人生を歩んでいようと、無差別テロを正当化することなどできないのですから、同情を掻き立てるようなエピソードは不要。彼らはただ非道なクズでいい。その代わり、最後まで日和ることなく、非道なクズを全うして欲しい。現代のピカレスクロマンをとことんまで突き詰めていってもらいたい。

残響のテロル オリジナル・サウンドトラック / 菅野よう子 / CD ( Music )

アニプレックス( 2014-07-09 )

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  1. >彼らはただ非道なクズでいい
    私はむしろ彼らの動機がこの作品の面白さを決める気がしました。
    避難が済んでから爆破していたようですし、人命を奪うつもりはないような。
    (まあ、瓦礫で死にそうになってる人もいましたし来週ある程度死者が判明するかもですが)
    ただの無差別テロじゃ現実のテロリストと同じで、頭悪すぎて私は楽しむのは無理ですね。

    とりあえず都庁崩壊シーンは久々にアニメでこういうすごい作画を見た気がしました。
    「王立宇宙軍」という作品で庵野秀明さんが描いたすさまじい打ち上げシーンを思い出します。

    • 彼らのテロは人殺しが目的ではないでしょうが、リサを殺すことを厭わなかったので、目的のために人命を奪うことに躊躇はないと思います。仮に人命を奪うつもりがなかったとしても、爆破テロを仕掛けるような人間はどう足掻いても悪人。どんなご大層な大義を掲げようと、彼らの行いが正当化されることはありません。私はそこを誤魔化して欲しくないのです。「ただ非道なクズでいい」というのはそういう意味ですね。無差別テロを仕掛ける現実のテロリストだって、みんな大義は抱いていますから。

  2. 浅生さんが言いたいのは「本人たちが実はイイ奴だったとしても「非道なクズ」扱いでいい」という意図のような
    僕も主人公だからといって、変に持ちあげて、テロを肯定するのはやめるべきと思いますが

    • DEATH NOTEの夜神月も大義を掲げて殺人を行うテロリスト紛いの主人公でしたが、彼の正義は利己的な正義として、決して肯定的には描かれていませんでしたからね。それでも夜神月は最後まで日和ることなく、「非道なクズ」を全うしてくれました。だから大好きです。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。