SHIROBAKO総括

アニメは如何にして作られているのか、その製作現場の裏側を描いた業界話。アニメを作るのはこんなに大変なんだよ、こんなに頑張っているんだよとアピールされると鼻につくものですが、SHIROBAKOは決してそのような自己弁護に終始した作品ではなく、そこに息衝く人たちの夢と希望を描いた極上のエンターテインメント作品でありました。……わっ!!(私の中で、歴代1位のアニメです!)

主人公宮森あおい(みゃーもり)は、全体のスケジュール管理などを取りまとめ、監督や演出家の指示をアニメーターに伝達する橋渡しとなる制作進行という役職。会社としての収益や合理性を優先しなくてはならない一方で、実際にアニメを作るのは職人堅気なクリエイターですから、この相容れない者同士の狭間に立たされる制作という立場は、本当に大変なんだと思い知らされました。あっちの都合、こっちの都合にいつも振り回されながら、それでも折り合いをつけて、良いアニメを作りたい一心で全力を尽くす。その仕事ぶりに何度感動させられたことか。

2クール目に入ると、入社2年目のみゃーもりはデスクに昇進。今まで以上に仕事量が増え、日々忙殺される彼女ですが、その大変さに泣き言をこぼすどころか、より強い責任感を持って、目の前の仕事に精力的に取り掛かる有能な人材に。上司にしっかり意見できる逞しさを見せながら、後輩の面倒も甲斐甲斐しく見てあげられる彼女に、私はガチで惚れました。自分にとって理想的な女性像ですよ~。

最も愛すべき存在がみゃーもりだったのは間違いないですが、私の心を多く占有していたのは、みゃーもりよりも声優志望の坂木しずか(ずかちゃん)だったという。必死に練習を重ねてきたのに、オーディション本番では緊張してちっとも練習の成果が出せなかったり、モブの演技に気合いが入りすぎて空回りしたり、その痛々しいシーンの数々で幾度となく心をえぐられ、同時に私は彼女のことが気になって気になって仕方ありませんでした。

社会の壁に何度もぶつかるずかちゃんはそれでも前向きで、表面上は気丈に振る舞い続けるもんですから、それがまた余計悲壮感を煽っていて…。周りの仲間たちは夢に向かって着実に前進しているのに、ずかちゃん1人だけが取り残されている過酷な現実は、もはや正視に耐えない…!!

声優というお仕事はそれだけ厳しい世界なんだと思いますし、ご都合主義で簡単に報われないところにSHIROBAKOの素晴らしさがあると思います。それにしたって、限度ってもんがあるでしょ!! こんなに頑張っている彼女がいつまで経っても不幸なまんまだなんて!! 先越された若手声優の活躍をTVで見ながら、酒をあおって一人で愚痴っている哀れな姿に、こっちの胸は張り裂けそう!! もう何でもいいから早く報われてください…!! 頼むっっ!!

アニメのキャラに対して、こんなにも心から応援することなんて今までなかったですよ。ずかちゃんの出番がないまま、第三飛行少女隊の全収録が終了してしまったとき、私の絶望と怒りはピークに達しましたね。SHIROBAKOは鬼畜かと。こんな無慈悲な脚本が許されてなるものかと! 私はP.A.WORKSを相手取って、訴訟の準備を始めていました!(笑)

しかし、三女の最終話にリテイクが入り、急遽新キャラが追加されることになって、そこでずかちゃんが抜擢された。このときのカタルシスといったら、もう~~~今までに感じたことがないレベルで! 安堵と歓喜と感動がぐちゃぐちゃに入り交じって、恥ずかしいぐらい涙してしまいました! 同じように声を押し殺しながらガン泣きしているみゃーもりの姿を見て、またそれでこっちももらい泣きして…。

ちょっと困ったのは、私はずかちゃんに感情移入しすぎるがあまり、いつの間にかSHIROBAKOというアニメがずかちゃんの物語にすり替わっていたこと。ずかちゃんが報われたあとはすっかり気が抜けてしまって、なんだか最終24話がオマケのように(笑) 勿論、最終回も素晴らしい回だったのですけど。

普段は大人しい性格の絵麻が、友人ずかちゃんの出演シーンを自分に担当させてくれと珍しく自己主張したのも感動しましたねぇ。絵麻もアニメーターという厳しい仕事をこなしながら奮闘し続けたキャラですから、ずかちゃんと並んで「報われてほしい」と痛切に感じていたキャラでした。会社の昼休みにわざわざ自宅のボロアパートに帰って、作り置きのカレーを食べるというさもしい生活を見せつけられたら、誰だって心がぎゅーっと締め付けられますって!(笑) こんなのズルイ!!

ネガティブに将来への不安を吐露していた彼女が、次第にアニメーターとしての自覚を持つようになって、仕事も上達して、後輩に教えられる立場になって、作監補佐として認められて、一人前に成長していく過程が本当に気持ち良かった。「私、アニメーターで食べていけると思う。だからもう心配しないで」とお母さんに電話していたシーンはヤバかったです。

あと、タローと平岡もいいキャラでしたよね~。どちらも結構な非難を浴びていたキャラですが、タローは“憎めないキャラ”として、平岡は“嫌えないキャラ”として、私は最初から2人のことを否定的になれなくて

タローは仕事の適当さで少々足を引っ張ろうと、その卓越したコミュニケーション能力を見れば、有用な人材であることがわかります。結局、社会人として必要なスキルなんて1にも2にもコミュ力ですから。常に切羽詰まった状況でギスギスしがちな職場だけに、タローのような場を明るくできる存在は何にも代えがたい。器が大きく、人間味に溢れ、ホントいい男ですよ。将来的には、みゃーもりと結婚してほしいな(笑) みゃーもりの尻に敷かれているタローの姿が浮かぶ。

平岡は無気力な態度が癇に障る男でしたが、悲しいかな、彼には共感を憶えてしまう。入社して間もない頃、理想に燃えていた自分がいつしか現実と折り合いをつけてしまい、本気になれなくなってしまうのは、社会人なら多かれ少なかれ共感してしまう部分があるのではないでしょうか。言わば、彼は衛宮切嗣(髪型も似ているし)。「正義の味方になりたい」という壮大な理想を抱えていたからこそ、夢破れし現実に打ち拉がれた。そりゃ笑顔も消えますし、セイバー(みゃーもり)にも冷たく当たりますって!

とまぁ、こんな風に一人一人のキャラについてコメントしていたら、キリがなくなるぐらいSHIROBAKOには魅力的なキャラクターがたくさん。当たり前のことですが、アニメ製作というのは誰か1人の手柄ではなく、各々が各々の仕事を懸命にこなしていった先にある集大成。監督も、プロデューサーも、演出家も、音響監督も、3D監督も、作画監督も、撮影監督も、原画家も、アニメーターも、声優も、それぞれのキャラクターが等しく主人公なんですね~。だから、それぞれの仕事ぶり・生き様が本当に格好良くて。

私はそんなSHIROBAKOを最高傑作だと褒め称えたいですけど、嬉しいのはこの作品は世間的にもすごく評価されていること。私だけがすごいすごいとはしゃいでいるわけじゃなく、SHIROBAKOをご覧になった皆様が、等しく私と同じ感動を共有できている事実が何より嬉しいのです。

学園モノ偏重なアニメ業界の中で、こういった社会人をメインにした作品がちゃんと評価されるなんて感無量ですよ。オタクは現実逃避したいから、リアルな社会人アニメなんか需要がないとか、まったく根拠薄弱なでたらめだということが証明されましたね! 仕事の辛さが描かれていようとも、主人公が最初から万能でなくとも、ヒロインが10代の制服少女でなくとも、いい作品なら普通にオタクは受け入れられますし、最大限の評価ができる。「オタクは○○だから」という先入観で好みを決めつけて、作り手が勝手に“配慮”する必要なんてないんです!

変な話、現実社会における仕事の苦労や辛さは万人が共感できる思いだからこそ、挫けず頑張って乗り越えようとする主人公の姿に勇気がもらえるんじゃないでしょうか。これからもSHIROBAKOのように、社会を舞台にしたアニメがもっともっと増えてほしい! 20代以上の働く女性ヒロインをもっともっと出してほしい!

SHIROBAKO名セリフ集


1話 「どんどんドーナツどーんと行こう!」
「何このダサイ掛け声。いらないよ」と思っていたのに、最終話で聞くと感極まってしまう不思議。

1話 「万策尽きたー!」
汎用性が高い名言です(笑) 今後アニメ総集編のあるたび、「万策尽きたー!」といわれるんでしょうね。

12話 「アニメーターも人間だから、この仕事はお前にしかできないって言われたいんだよね」
庵野秀明さん(っぽい人)の登場は衝撃的すぎました。声優さん、声真似上手すぎ!(笑) てっきりご本人かと。

14話 「経験の少なさが不安という意見も理解できます。その時は、私達が育てればいいんですよ」
「政治的なキャスティング」も含めて、この回の稲浪さんは超格好良かった。三枚目役の多い岩田光央さんのカッコイイ一面が見られて満足。

16話 「辛い時期のない職業なんてありません。ですからあとは、屈辱をバネにどれだけ自分が頑張れるかです」
さすが年の功! 美しく優雅な佇まいは、タフネスを得るための武装だったというのが素敵。

17話 「そのうっかりをちゃんと憶えておいてね。憶えておけば次の失敗はないから」
一歩間違えれば致命的になりかねなかった後輩のミスを、優しく諭すみゃーもり。こんな上司、一生ついて行きますよ。

20話 「いいよな、女は。オッサンにちょっといい顔すりゃなんでもやらせてもらえるし、なんでも思い通りになるもんな」
これまでジェンダー観を意識させてこなかったSHIROBAKOだけに、この平岡の女性蔑視の発言はびっくり。平岡を肯定するわけではないですが、こういうセリフを意図して持ってこれるところにSHIROBAKOの深さを感じます。

22話 「僕は才能っていうのは、なによりまずチャンスを掴める握力と、失敗から学べる冷静さだと思う」
杉江さんの含蓄あるお言葉。「握力」という言語センスがいい。チャンスを掴むには、タイミングだけでなく力がいるということですね。

22話 「これは……これは、下着、ですか!?」
極度のあがり症で1文字ずつしか喋れない久乃木ちゃんが、ようやく普通の言葉を喋った! それを見守る監督たちのお父さん感が半端ない(笑)

22話 「大ちゃんはバカじゃないよぉ…。辛かったねぇ、偉かったねぇ。大ちゃん…、頑張ったねぇ~」
泥酔していたとはいえ、タローの底知れぬ優しさが自分の殻に閉じこもる平岡の本音を引き出した。タローがいなければどうなっていたことか。

23話 「今私、少しだけ夢に近づきました」
このセリフが聞きたいがために、どれだけ神経を磨り減らしてきたことか…(笑) 何度シーンを繰り返し見ても、瞬間的にぶわっと涙が溢れます。

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時間:72 分

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ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. 長年、なでしこやまとを見る専だったのですが今回初めて書き込ませて頂きます。
    白箱、良かったですね!
    総括以外にも浅生さんの一話ごとの感想が読みたかったですw
    私自身がアニメ業界ではないのですがデザイナー系の仕事をしているので
    白箱のキャラ達を見ながら、ああこういう人いるな〜と
    自分の周りの人に重ねながら視聴していました。
    そんなフィクションを交えつつリアリティあるキャラやお話に魅入られて最終話までダレる事なく楽しいアニメでした。

    特にタローが平岡を表彰するシーンとずかちゃんのあのシーンは涙ぽろぽろでした。
    あとは杉江さんが最終話を引き受けてくれるシーンや井口さんがキャラデザする会、おねーちゃんがくる会など好きな所をあげるとキリがないですね。
    毎話見所があってぎゅぎゅっと内容が詰まった良いアニメでした。

    • 初めまして~。管理人の浅生です。長年なでしこやまとをご覧になってくださっているようで、ありがとうございます!

      SHIROBAKOを毎週の感想に選ばなかったのは、私の一生の不覚ですよ。もし選んでいれば、きっと毎週9~10点ばかりの感想になっていたでしょう(笑) 7点以下の回は一度もなかったなぁ~。

      >デザイナー系の仕事をしているので白箱のキャラ達を見ながら、ああこういう人いるな?と
      クリエイターと相通ずるデザイナーのお仕事なら、きっと思い入れが強くなるシーンも多かったでしょうね! まったく関係ない私ですらこんなに感動させられたんですから、アニメ業界に近ければ近い人ほど感じ入るものはあるはず。

      >リアリティあるキャラやお話に魅入られて最終話までダレる事なく楽しいアニメ
      リアリティがありながらリアルになりすぎない、シリアスでありながらいい具合にギャグも差し込むという、非常にバランスの取れた脚本だったからこそ、だれることなく最後まで楽しめる秘訣だったと思いますね。

      >タローが平岡を表彰するシーンとずかちゃんのあのシーンは涙ぽろぽろ
      やはり22話と23話が強烈すぎましたね(笑) 1クール目ラストが感動的すぎて、2クール目がこれを超えるのは容易じゃないと感じていましたが、SHIROBAKOは自ら上げまくったハードルを更に上回るという偉業。感服致しました。

  2. そっ!(総括お疲れ様です!)

    ホントにいいアニメでした。
    最終話の集合写真でほとんどの人の名前がわかるという…。あれだけ情報量が多かったのに、それだけ各キャラのエピソードが印象深く、キャラクターを好きになっていたということですね。
    ムサニの人たちはいい人が多すぎて…アニメ業界っていい加減な部分もあるけどだからこそ許される空気がユニークでした。「これは、下着ですか?」あたりのやりとりなんか爆笑したしほんと微笑ましいです。久乃木ちゃんは後半の愛されキャラだったなぁ。

    3話ぐらいからは毎週すごく面白かったですが、印象に残っているのはお姉ちゃんが来た回と23話のラストでしょうか。
    お姉ちゃん回はラストのみゃーもりの「もう、大丈夫?」が完全に意表を突かれました。「なんなん、姉ちゃん?」とか言っていたのにちゃんと分かっていたという…。みゃーもりの人間性をああいう形でさらりと伝えた脚本に惚れ惚れします。
    23話は浅生さんと同様、もうずかちゃんがドアを開けた辺りから涙が止まらなかったです。23話分の蓄積でもうぽろぽろ来てるのに「私、今少しだけ夢に近づきました!」なんてね、もう、卑怯ですよ。嗚咽ですよ。
    それに、私はずっと「役の連絡をもらって嬉し泣きするずかちゃん」を想像していたのですが、実際はずかちゃんは心の整理をつけていて、みゃーもりが嬉し泣きするなんて。感動的なのに非常に巧みな演出でした。

    しかしみゃーもりは主人公なのにトップクラスに人気がある貴重なキャラですね。
    明るく性格がよく、気が利いて礼儀正しい。それが進行という仕事での有能さに直結していた印象です。

    前半でヒール役を担ったタローの印象の転換も見事でした。後半で嫌われていた平岡を救うのがタローで、平岡もタローも印象が変わるという、こんなアニメは初めて観ました。おかげで最後には嫌な奴が茶沢ぐらいしかいないという(笑)。その茶沢も「変な話」という妙に癖になるセリフで憎みきれないあたり、隙がありません。

    続編があるなら出番の少なかったみーちゃん(CG)関係の話をもっと観てみたいです。あと今は欠かせない存在の海外への動画の委託の話とか。
    なんにせよ、続編あってよし、無くてもよしのとてもきれいに終わった作品でした。

    • 脇役のオジサン・オバサンがこんなに魅力的な作品もなかなかないですよ。堂本さんと新川さんのおでん屋台での愚痴とかずっと聞いていられる(笑) 息子がお小遣いをラノベに全部注ぎ込んでいるという悩みがリアルすぎて!

      久乃木ちゃんは一文字だけしか喋らないのに、その一文字に感情と可愛らしさを乗っけてくる声優さんがすごいです。彼女は好き嫌いが両極端にわかれるかと思いますが、私は完全に好きでした。あの引っ込み思案だった絵麻が、先輩としての自覚が芽生えて人間的成長を遂げたのも、久乃木ちゃんのおかげ。久乃木ちゃんと一緒に行動していたら、誰だって自分がしっかりしなくっちゃと思いますよね(笑)

      >お姉ちゃん回はラストのみゃーもりの「もう、大丈夫?」が完全に意表を突かれました
      姉の思いやりと妹の思いやり、なんだかんだでお互いがちゃんとわかり合えている姉妹ならではの関係性がすごく良かったです。この回もそうでしたが、SHIROBAKOはエンディングの入りが毎回余韻を残すいい終わり方なんですよね。だから、毎週毎週満足感の高い回が続いたんだと思います。わざとらしい引きで下手に引っ張るより、ちゃんと1話で区切りをつけられる方が偉い。

      >私はずっと「役の連絡をもらって嬉し泣きするずかちゃん」を想像していた
      ここも演出の上手さですよね~。恐らく、視聴者はみんな嬉し涙で泣き崩れる彼女の姿を脳裏に描いていたはず。だから、想像できるシーンは敢えて省いて、第三者(友人)の涙で感動を促した。まさに脚本と演出の勝利ですよ。

      ずかちゃんが初めてもらった役を、緊張することなく堂々と演じていたのもまた感動的で。彼女がこの落ち着きを得たのは、過去に幾度となく失敗を重ねてきたからこそ。あの失敗続きの惨めな日々は、決して無駄ではなかったということですから。今の失敗がいつか未来に繋がるという教訓は、実際に声優を目指している人たちに勇気を与えられるんじゃないかと思います。

      >みゃーもりは主人公なのにトップクラスに人気がある貴重なキャラ
      部下としても同僚としても上司としてもほしいと思わせてくれるキャラですね(笑) 年上の姉的な魅力もあれば年下の妹的な魅力もあり、仕事での成長に伴って多面的な魅力を見せてくれました。こういう風な感情を抱いたのは、PSYCHO-PASSの常守朱以来。やっぱり、成長するヒロインって最高!

      >ヒール役を担ったタローの印象の転換も見事
      ヒール役だった人間が、挽回して好かれるという安易な流れではなく、視聴者が彼らへの理解を深め、徐々にその存在を認められるようになるという流れが、並みの作品ではなかったところですね。

      唯一の心残りは茶沢さんで、彼一人に悪役を押し付けて事件を落着させたのはちょっと残念かなと思いました。SHIROBAKOはそれぞれの役職に対して強いリスペクトが込められていたのに、「編集者」に対してだけはそのリスペクトが欠けていたのは残念。私がSHIROBAKOに疑問を抱いたのは、その1点だけです。

      >今は欠かせない存在の海外への動画の委託の話
      いいですね~! その辺の事情を中心にしてまた1クール話が作れますね! アニメ業界の話なんて、無限にネタが転がっているようなもんですから、延々と続ければいいんですよ。でも一発目でこんな大傑作をやっちゃうと、続編は作りにくいだろうなぁ(笑)

  3. >浅生さん

    私も1クール目が綺麗に終わり過ぎて、
    この後はこれを越えれないだろうなと思いながら2クール目を見たのですが
    見事にハードルを上回ってくれて
    ホント、感動でした。

    ちなみに同じデザイナーの友人は
    「見てると仕事を思い出すので見ない」と言って
    1話以降見てくれないので
    周りに感想を話せる人がいないです…

    >yukiさん

    ホント良いアニメでしたね!
    一人一人の出番は決して多くはありませんが
    どのキャラもみんな印象的で個性がたってましたね。

    おねーちゃんの回はyukiさんと全く同意見ですね。
    ラスト部分のみゃーもりがおねーちゃんを気遣っていたのがわかるシーンで
    一気に彼女の事が好きになってしまいました。

    平岡は最初散々なんだこいつーと思ったくせに
    後半まんまと嫌いになれなくなってしまいました。
    キャラの印象操作やセリフ、ストーリーの組み立て方など
    脚本の方の手腕に惚れ惚れしてしまいますよね。

    みーちゃんメインの話は当初あったけどカットされてしまった
    みたいな話をどこかでみた気がします。
    確かに彼女メインの話だけしっかりないので見てみたいですね〜

    • 好きなキャラが多すぎて語り始めるときりがないですね(笑)。
      お姉ちゃん回で同じように思われた方がいらっしゃって嬉しいです。
      みーちゃんの話カットされちゃったんですか、残念。
      やっぱりCGがまだ業界に導入されてから日が浅いのも関係した感じがします。
      何かしら続きがあったらぜひCGの突っ込んだ話を見たいですね。

    • 1クール目ラストがあまりに理想的すぎる最終回でしたから。ただでさえハードルが上がりまくった中で、メインの人気キャラが休職・退職して、2クール目は大丈夫かなと心配する向きもありましたけど、結果的には文句なしの出来で終わってくれました。

      >同じデザイナーの友人は「見てると仕事を思い出すので見ない」
      やはりそういう方もいらっしゃるんですね。食わず嫌いでスルーするにはあまりにも惜しい作品なんですけど。

      >みーちゃんメインの話は当初あったけどカットされてしまった
      そうだったんですか。5人の中で一番影が薄かったのはみーちゃんですからね…。彼女が退職するまでの流れは、もう少し葛藤を含めて詳細に出来事を描いてくれれば良かったのになとは感じていました。カットされたのはその辺かな~。

  4. 私にとってこのSHIROBAKOという作品は、アニメへの関心を失いつつあった自分が久々に心から夢中になれたアニメでした。
    己の嗜好の変化ゆえでしょうが、見渡せば過剰で大仰であざとくてわざとらしいとしか思えないキャラクターばかりが幅を利かせているアニメの世界に私はいつしかあまり興味を持てなくなっていました。

    この作品の登場人物たちは、視聴者の歓心を乞うための操り人形でも物語の役割を演じるだけの都合のいい駒でもありません。一人ひとりがその世界に息づく血の通った人間として描かれており、それぞれがそれぞれの生き方考え方でもって独立した人生を歩んでいます。どんな端役にもその人固有の背景と生活とストーリーがあるのがわかります。
    観ていて鼻につくような「ほらこういうのが好きなんだろ」といわんばかりの魅力の押し付けは感じなくて、むしろゆっくりと時間をかけて視聴者自らが「この人のこういう所すごく良いな、好きだな」と魅力を見出していけるような作りになっていると感じました。実際に人を好きになる過程って本来こういうものですよね。

    登場人物から発せられる名言の数々が、まるで何でもない場面のように自然でさり気なくて、だからこそすんなり入ってきて心に残ります。
    22話の「りーちゃんは怖くないんだね」という絵麻の言葉に対しりーちゃんが発した「何いってんすか絵麻先輩、怖いのは脚本家になれないことです!」にはシビレました。

    アニメというメディアへの期待を自分に取り戻させてくれたクリエイターの方々には深い感謝と尊敬の念を抱いてやみません。浅生さんが手放しで絶賛するのも頷ける大傑作でした。この作品が高く評価されているのを私も本当に嬉しく思います。

    • どなたか存じませんが、的確すぎるSHIROBAKO評に大変感銘を受けました。私自身はまだアニメに関心を失っていませんけど、売り上げという目安でアニメの善し悪しが語られるようになって、大味なジャンクフードのようなアニメばかりが幅を利かせている現状には危惧を持っており、その中でスローフード的なSHIROBAKOのようなアニメが生またこと、尚且つ、それが世間でも高い評価で受け入れられていることに、発展的なアニメの未来を感じることができましたね。

      >視聴者の歓心を乞うための操り人形でも物語の役割を演じるだけの都合のいい駒でもありません
      >どんな端役にもその人固有の背景と生活とストーリーがある
      >視聴者自らが「この人のこういう所すごく良いな、好きだな」と魅力を見出していけるような作り

      特にこの辺の表現は、私が漠然と感じていたSHIROBAKOに対する想いを、綺麗に言語化してもらえた感じですよ~。素晴らしい。

      従来のアニメは、作り手が萌えを「信号」で発信して、それをキャッチした視聴者がロボットのように操られ、意のままに洗脳されていることがほとんど。視聴者側もそういった受け身が気持ちいいと感じてしまっているところがあるんですが、SHIROBAKOのように自分から能動的にキャラの魅力を見出せる作品に触れると、やはり本質はこっちなんだと改めて感じました。「人を好きになる過程って本来こういうもの」という意見は、誠に仰る通りです。

      前者のような、信号を発信するアニメに慣れきってしまうと、「優しくしてくれたから、その人を好きになる」といった受動的な体質になってしまうでしょう。向こうから先に信号を発信してくれないと、こっちから好きという意志が示せなくなる。相手に優しくされたから好きになるのではなく、「その人の優しさを見出して好きになる」ようになりたいものですね。

      タローと平岡は非難を浴びながら、最終的には「いい奴だ」と認められるキャラでしたが、最後の最後でタローと平岡を「いい奴だ」と手の平返した人は、言っちゃなんですけど受け身だと思います。それまでに彼らの良さを見出せるポイントは幾つもあったのに、明確なアンサーが得られないと彼らを「いい奴だ」と思えないのは、人間の魅力を見出す作業を怠っていたように思えますから。

      >「何いってんすか絵麻先輩、怖いのは脚本家になれないことです!」にはシビレました
      このやりとりもすごく良かったですね。りーちゃんの言葉はまだ失うものがない若さゆえの発言。しかし、絵麻だってアニメーターになる前には同じような純粋な気持ちを持っていたはずです。そんな初心を忘れて、余計な雑念にばかりとらわれていたからこそ、りーちゃんのシンプルな答えで本質に気付かされるという。

  5. SHIROBAKO面白かったですねぇ。
    これだけ反響あって、DVDもそこそこ売れてるようですから
    当初の構想通り4クール分やってくれたりしないかな。
    ちょっとだけ残念だったのは
    監督が原作者と会いに行くくだり。あそこは正攻法でいってほしかったw

    • 続編を出してもさすがにこれ以上のものは望めないとは思いますが、例え面白さが下回ったとしても続編は出してもらいたいですね。みゃーもりが監督になるまでの軌跡を。

      >ちょっとだけ残念だったのは監督が原作者と会いに行くくだり
      リアリティを保ちつつ、重くなりすぎないようにギャグを織り交ぜてくるのがSHIROBAKOの良いところだと思いますが、ここだけは少しおふざけがすぎたようで。これまで築いてきた世界観すら壊しかねない逸脱だったんじゃないかと…。「竜巻旋風腹!」とか、ギャグの程度としても低かったですし。