セイレン第5話「コウカン」雑感

ヒロインが常木耀から宮前透先輩にバトンタッチ。年上の女性との恋愛において、肝になるのは接点作り。学生身分ですと、一学年上というだけでなかなかお近づきになるのは至難ですし、宮前先輩は常木さんと違って、向こうからぐいぐい来るタイプでもなさそう。どうやって彼女と親しくなるきっかけを作れるのか、主人公のお手並みをしかと拝見させてもらいました。

そうしたら、主人公が携帯ゲームで遊んでいてレアアイテムをゲットしたところを、勝手に向こうが興味示して近付いてきただけという…。憧れの先輩と接点を作るその過程が楽しいのに、こんな現実味のないファンタジー展開じゃ興醒めも興醒め。ゲームに没頭していたら、たまたま同じ趣味の美人に声かけられて仲良くなれるなんて、なんとも浅はかな男子の夢ですなぁ…(笑)

クールで人付き合いが苦手そうだったイメージの宮前先輩も、結局向こうからぐいぐい来るタイプで、男子3人女子1人で平気でカラオケにも行く。そして、マイクを握った彼女が選曲したのは、特撮ヒーローの主題歌。振りまで付けてノリノリで歌う先輩。歌い終わって自分の座り位置まで戻ろうとしたとき、壁に手ををつきながら男子の目の前を通る。ソファではほてった身体を手で扇ぐと、ちらり覗く胸元。主人公が食べかけていたプリンアラモードを、間接キスも気にせず一口おねだり。

わかりますよ。男のオタク趣味に理解があって優しくて、ちょっと天然が入って無防備で、セクシーな魅力に溢れているなんて、最高の女性ですもんね。男の願望がぎっちぎちに詰まっている夢のようなヒロインだと言えるでしょう。

しかし、男の願望だけで設計されたヒロインは、往々にして気持ち悪さがあります。大して親しくもない男3人とカラオケに行き、思わせぶりなあざとい態度を連発している女、普通に考えたら非常識な女ですし、「こんな奴いねーよ」的な滑稽さに満ちています。彼女がクズの本懐の皆川茜のように、計算尽くで男の歓心を引いている腹黒ビッチなら私は手の平返して絶賛しますけど、別にそういうわけじゃないんでしょ?

確かにアニメやゲームのヒロインには、男の願望を満たせる魅力が必要不可欠なんですけど、あまりに男の願望ばかりを投影しすぎていると、「ぼくがかんがえたさいきょうのひろいん」的な黒歴史確実の痛々しいヒロインになりがち。今のところ、宮前透からはそれに近しい匂いを感じています。最初からここまで必死に“男受け”を意識しなくても良かったでしょうに。こうやって男が好きそうな、男が喜びそうな要素だけ詰め込んだところで、簡単に男を惹き付けられると思ったら大間違いですよ(惹き付けられていたらどうしよう…)。

宮前先輩はかなりゲームがお好きらしく、ゲームセンターで小学生と対戦して、圧倒的な強さで蹴散らしていました。しかし、勝負がついたあとに追撃を入れたことを正一君に窘められ、「そんなことやっているといつか対戦相手がいなくなっちゃいますよ」と忠告される。すると、何やらその言葉が先輩の胸に甚く突き刺さったようで、頬を赤く染めながら彼に好意を持ち始めたのです。

「ねぇ。お願いがあるの。もう死体蹴りはやめるから、ガソガルのパートナーになってくれない?」

……いくらなんでも先輩ちょろすぎませんか? 「もう死体蹴りやめるから」というフレーズはシュールで大好きですけど、まだ主人公が何もしてないのに勝手に惚れてくるようじゃ、ラブコメとして早くも店じまい感が…。この先、私が楽しめる可能性はほぼゼロでしょうね、これ。

それと腑に落ちなかったのが、対戦を終えたあと、正一君が対戦相手の小学生に宮前先輩からもらったストラップ(人形)をあげたのは何故? 宮前先輩の大事な手作りで、もらったときはあんなに嬉しそうにしていたのに、どうして見ず知らずのガキに簡単にあげてしまうのか。別に彼らはこのストラップを欲しがっていたわけでもなく、むしろ「いらねぇ」と拒否していたぐらいなのに、半ば強引に譲ってしまったのはどうしても意味がわかりませんでした。変な匂いがしていたのかな。

★今週の声優ピックアップ・下地紫野★


おおっ! 下地紫野さんですよ! アイカツ!の大空あかりちゃんということで、これは明確に贔屓せざるを得ない!(笑) でも、宮前先輩はあかりちゃんらしさが全然なく、聞いていてもあかりちゃんの面影はほぼ感じません。ちょっぴり寂しさがありつつ、でも声優さんとしての演技の幅広さに感心させられています。

EDの歌(ムテキの女神)も良かったです。こんなに歌お上手なら、アイカツ!でも歌ってほしかったなぁー。

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ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. セイレン 第5話 宮前透 第1章 『コウカン』 パートナーになって!…ゲームの。

    今度は年上、宮前透。最後は年下の幼なじみで全学年コンプリートって所でしょうか。あとセイレンって「鹿押し」 なんだろうか。郁夫、荒木先輩と鹿の携帯ゲームに興じる正一。ここ…

  1. 郁夫が宮前先輩にアイテムをあげると言った時の主人公の顔。
    なんちゅームカつく顔してるんだ(笑)

    常木さんが、「主人公の姉にライバル意識を持ってるのはポーズで、本当は憧れている」シーン。
    なぜコレを常木さんルートで掘り下げないのか? 女友達との修羅場モドキより面白くなっただろうに。

    最後の、宮前先輩に男の影がっ!? みたいなシーンも余計に感じました。
    どうせ、家族でしたーってオチなのは決まりきってるし。

    • ライバル意識と憧れは両立しますから(アイカツ!で学んだ)、恐らくどちらも常木さんにはあるんだと思います。ただ、できれば彼女のエピソードで「憧れも持っている」ことを描いてほしかったですね。そうすると、彼女を見る目も多少違ってきたかと思いますし。

      正一君と常木さんの一番の接点は「姉」ですから、もっと姉についての話題があっても良かった。

      >宮前先輩に男の影がっ!? みたいなシーンも余計
      だから、感想でも一切触れずにスルーしました(笑) 宮前宗太って名前も出ていますしね。

      常木さんのときもそうでしたが、どうして無駄に男の影をちらつかせようとするのやら。どうせ他の男とくっつける勇気なんかないくせに~。日本が「戦争するぞ!」と脅すのと同じぐらい無意味な脅しです。

  2. 今回、個人的には常木さんでハードルが下がりまくった効果もあってか割りと楽しめました。
    何というか、よくある平凡な出来で50点て感じですが、今までが酷すぎたんで。

    >男の願望がぎっちぎちに詰まっている夢のようなヒロイン
    逆に言うと王道ヒロインみたいなもんなんで、宮前先輩こそ最初のヒロインに相応しかった気もします。ちょろい私は普通に好感を抱いてしまいましたよ(笑)

    問題の正一君ですが、妄想が減ったのは有難かったですね。
    ただ一々頬を染めるのが、なよっとしたキャラデザと相まって気持ち悪いんで止めて頂きたい。
    あとストラップあげたのは意味不明ですね、最初はまさか貰ったものではないよなと思って何処か見逃したかと思いましたよ…

    まあ何にしても常木さん編のおかげで期待値0で観れるんで、気楽に続きも観たいと思います。

    • 逆に私は常木さんのマイナスが尾を引いて、宮前先輩まで累を及ぼしてしまった感じ。彼女が一発目なら、もうちょっと温かい目で見られていた気がしますが…。

      >一々頬を染めるのが、なよっとしたキャラデザと相まって気持ち悪い
      なよっとしたキャラデザが受け付けないのは同感ですが、主人公が頬を染める仕草って結構好きなんですよ。少なくとも、その瞬間は好意という主人公の感情が表現されていますから。

      私は主人公が「好き」という感情を表に出そうとしない(自分の意志を見せない)のが一番腹立つので、ちゃんと「好き」という気持ちをストレートに出せる人には好感が持てます。

      >最初はまさか貰ったものではないよなと思って何処か見逃したかと思いました
      子供にストラップをあげたことが、後々物語に意味が出てくるんでしょうかね…? なかったら、ただ単に正一君は最低な奴でしょ。

      そもそも宮前先輩がストラップを正一君にあげた理由もちょっと意味わからなかったというか…。郁夫からアイテムをもらったんですから、郁夫にお礼としてストラップあげろよと思いましたね。

  3. まあ理想ではあるんだすが、もう少し丁寧に仲良くなる過程を描いてほしいというか、出会ったばかりの時はもう少し距離感を図ってほしいというか先輩はおおっぴらに自分の趣味を見せすぎる感じがしますね。仲良くなったあとならかわいらしいポイントだとは思うんです。あとはやはりもっと主人公からアクション起こしてほしい。

    大切にしますっていったものを本人の前で初対面の子供に上げちゃうのは私もちょっと理解できなかったです、せっかく事前にUFOキャッチャーでグッズを狙う描写があったんだからそこで得たものをあげたらいいのに…
    せっかく1人あたり4話も割くんだからもっと丁寧に描いてほしいなって思いますね。常木さんのときも数日後、数週間後、数年後と特に何も達成されてないのに短いスパンで時系列飛ばしすぎじゃないかなーって思ってました

    • 男と趣味が近くて、自分から積極的にぐいぐいいける女子なんて、それだけ男友達の数すごい多いですよ。何故か“自分にだけ”だと勘違いしやすいですが。

      ゲームが趣味だけど、あまり他の人には言い出せないタイプにして、主人公から共通の趣味を話題に、少しずつ宮前先輩との距離を縮めていく方が良かったと思うんですよね~。共通の趣味があれば、そんなに話しかけるハードルは高くないですから、内気な正一君でもできたでしょうに(笑)

      >(ストラップ)本人の前で初対面の子供に上げちゃうのは私もちょっと理解できなかった
      子供がストラップを欲しがって、対戦で勝ったら譲るという話になって、勝負には勝ったけど子供が不憫だからストラップをあげた……という流れならまだ納得できなくもないですが…。それでも“先輩の了承を先に得た上で”ですよね。他人のプレゼントを、事後承諾で勝手にあげるのって常識がなさすぎますよ。本当に理解に苦しみます。

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