セイレン第4話「ホシゾラ」雑感

自分の料理で人を幸せにできることにやりがいを感じ始めた耀は、卒業後料理人としての腕を磨くため、住み込みで修行に出ることを決心していた。そうなれば、しばらくは正一とも離ればなれ。夏期講習を機に距離が急接近し、キスまで交わした2人でしたが、ここで再び今まで通りの友達に戻ろうと耀は切り出す。

彼女の夢を尊重するのは当然大切です。でも、卒業まではまだ1年以上も猶予がある。もし常木耀のことが本気で好きであるなら、例え卒業後に別れる運命だったとしても、「僕は常木さんが好きだから、真剣に付き合っていきたい」と迫るべきじゃないでしょうか。いくら彼女が「1年だけ付き合ってそれからは? 中途半端はイヤ。だから今まで通りでいたい」と難色を示そうと、必死に追いすがって彼女を説得すべきなんです。

正直、ここでの常木さんの言い分はかなり身勝手でした。もし逆の立場で、男が少女の唇を奪ったあと、「俺は卒業後遠くに行くからここでお別れだ」と言い出したら非難囂々のはず。端から付き合うつもりないなら、無責任にキスをするなと。だから、常木さんに“責任を取ってもらう”意味でも、彼女に「付き合ってくれ」と要求するのは正当な権利だったんですよ。

しかし、正一君はそんな必死さを微塵も見せることもなく、自分の本心を一言も口にしないまま、彼女と疎遠になることをあっさり受け入れてしまいました。(くそっ…。俺がもっと大人で、余裕のある男だったら…)と泣き言抜かしていましたが、大人で余裕のある男じゃないからこそ、「常木さんと友達に戻るなんて嫌だ!」とみっともなく食い下がらなくちゃいけないんじゃないの? 余裕ないくせに、余裕ある大人のフリをしたのがダサいんですよ。

5年後、料理人修行を終えたスペイン帰りの耀と再会し、ここから5年越しの恋が再び始まるようなニュアンスで物語は幕を閉じましたが、はっきり言って、ここから2人がくっつくのは無理です。5年前のあのタイミングで告白できなかった奴が、今になって改めて告白なんか無理無理無理。常木さんだって、もうとっくに別の彼氏作っていますし。こんな状況で、都合の良いハッピーエンドを想像するのは私には無理ですね。

結局、正一君は徹頭徹尾常木さんの言われるがままに従うだけだったのが情けない。彼は何か1つでも自分から行動を起こしました? 昼食呼び出したのも常木さん。合宿部屋に乱入したのも常木さん。ジャージを借りたのも常木さん。夜食を作ったのも常木さん。飲みかけのスープを飲み干したのも常木さん。男湯に連れ込んで水着を披露したのも常木さん。浜辺で押し倒したのも常木さん。キスをしたのも常木さん。別れを切り出したのも常木さん。何もかもが常木さん主導で、正一君はひたすら相手の行動に対するリアクションをしていただけ。メールも相手から送ってこなかったら送らない。こんなもの恋愛と呼べるでしょうか?

もし常木さんがちょっかいかけてこなかったら、恐らく正一君は彼女と一生口を利くことがなかったでしょうね。ここまで受け身で相手任せの主人公だと、この先まともな恋愛ができるのか思いやられますよ。女子からの問いかけに対して、正しい答えを返していれば、いつか恋人になってくれる。……言いたかないですが、それはギャルゲー脳なんです。ラブストーリーとは似て非なるものなんです。

アマガミだって正真正銘のギャルゲーでしたが、主人公はここまでだらしくなくなかったでしょ。森島先輩をポンプ小屋に連れ込み、膝裏を舐めたいと要求してドン引きさせた橘さんの血筋を受け継ぐ主人公ならば、もっと自分から泥にまみれるアクションを起こさなきゃダメ! 常木さんにジャージを着てもらうんじゃない、お前が常木さんのジャージを着るんだ! お前が常木さんの飲みかけのスープを飲み干すんだ! お前が常木さんを男湯に連れ込むんだ! お前が常木さんの唇を奪うんだ! そうだろう!?

★今週の声優ピックアップ・藤田咲★


先週、荒木先輩を巡る由貴恵との修羅場を匂わせながら、特に揉め事もなく終了。ここ、いらなかったよね? 由貴恵役の藤田咲さんは、初音ミクと伊波まひるへの苦手意識からか、なんとなく好きになれなくて…(笑) でも今度、プリキュアに抜擢されたそうですね。おめでとうございます。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. セイレン 第4話 常木燿 最終章 『ホシゾラ』 ストーカーの妹が風紀委員なの?

    これってギャグ?まあ情報収集スキルあれば役に立ちそうだけど。そんな訳で上崎真詩が遂に登場。見た目一番好み。ちょっとトロそうな所とか、豊満なスタイルとか、ちょっと厚い唇…

  1. 個人的には今回は恋愛話にしようとしてたぶん、今までで一番マシでした。
    ここまでは恋愛以前の何の主題かも分からない、中身空っぽで評価以前の話でしたので。
    今までが酷すぎて、全く期待してなかったってのもありますが…といっても10点が20点になっただけですけど。

    にしても、常木さんはともかく、正一君が駄目すぎて話にならないですね。
    制作側は彼の妄想を楽しんで欲しいんでしょうが、何も行動しない奴の妄想など無意味で虚しいものですね。
    次のヒロインで正一君がまたこの調子だと、本当にきついなぁというのが正直なところです。

    • 視聴者サービスとしてのフェチ要素を合間合間に差し込もうとするので、なかなかメインの恋愛話が進展しないもどかしさはありましたね。フェチ要素はこのシリーズの売りみたいなものですから、必要なのは必要なんですけど、強烈なのを1つ入れるぐらいに留めるか、もしくは付き合ってからあれこれしてほしいです。過程の中でフェチに走ると恋愛が進展せず、第4話にしわ寄せが来ますよ。

      >何も行動しない奴の妄想など無意味で虚しいもの
      うわぁ…。まさにその通りだと思います。頭おかしい変態妄想で楽しめるのは行動が伴ってこそ。ただの妄想止まりを見せられて、こんな虚しいことはございません。

      >次のヒロインで正一君がまたこの調子だと、本当にきついなぁ
      正一君と常木さんは相性が悪かったと思いましょう。自分で突っ走って自己完結するヒロインだったので、奥手な主人公が入り込む余地がなかったのは事実。1人目のヒロインとしては不適格だったかもね。次はもう少し難易度落としたヒロインでいいですよ。

  2. あれもこれもと色々な要素に手を出して、ストーリーの本筋がスカスカになっちゃってましたね。
    主人公が受け身で、とってつけたような変人キャラがいて、内容がスカスカ。
    「つよきす 2学期」を思い出しました。

    最後のシーンは運命的な再会にしたかったのかも知れないけど、5年も経ってるのに
    フラれた彼女のバイト先で未練がましく働いてるのが、女々しくて最高に気持ち悪かった。
    最初からバイトしてたならともかく、フラれた後にワザワザあの店でバイトするとかないわ~。
    海でフラれた夜に正一君が見た、自分にとって都合のいい夢なのではないか?

    ・二十代半ばで弟とベッタリ
    ・姉が言ってたよ「アレは絶対に付き合ってる」→勘違い
    この女子力の低さ。 安心してください、七咲 逢は今でも独り身ですよ(笑)

    • 初っぱなはある程度王道のラブコメ路線で、クセのないヒロインを持ってきた方が良かったですね。常木耀はかなり変わり種で、万人受けするタイプじゃなかったと思いますから…。

      とってつけたような変人キャラも今のところ邪魔だとしか言えない。変態キャラは主人公だけでいいですよ、ブレるから。

      >5年も経ってるのにフラれた彼女のバイト先で未練がましく働いてる
      そこ深く考えていませんでしたが、冷静に考えると相当気持ち悪いですね~(笑) 彼がわざわざ常木さんの元バイト先で働き始めたのは、彼女の帰りをずっと待っていたという意思表示? 一度も付き合ったことのない男が、自分の前職場に潜り込んで5年も待っていたなんて、軽くホラーですよ…。恐ろしすぎる。正一君は何1つ自分から行動してないというのは取り消そうかな!

      卒業までの1年を付き合い、卒業後に一度お別れして、「もし今度日本に帰ってきたとき、お互い相手がいなかったら再び付き合おう」ぐらいの軽い約束を交わして、5年後再会する……という展開じゃダメだったのかなぁ?

      >七咲 逢は今でも独り身
      七咲逢再登場してくれないかな~。後輩(年下)キャラだったのが、今度は年上キャラとして出てくるって、今までにない新鮮さがありそう。

  3. 1話で10年前のアニメを見ているようだとコメントした者ですが、やっぱりその印象は変わりませんでしたね……。

    校舎裏のシーンで自分の言葉で伝えたところは偉いと思いましたが、結局引いてしまうのにはガッカリしました。浅生さんの言うとおり「余裕ないくせに、余裕ある大人のフリ」はよくありません。若いんだからもっと貪欲に行くべき。ただ、「中途半端はイヤ」と常木さんに先手を打たれて行動できなくなってしまったのはわからないでもないです。童貞特有の自信のなさ(笑)

    細かいところですが、海でのシーンは波打ち際なのに膝まで浸かったり、急に大きな波が来たりと深いんだか浅いんだかよくわからなくて混乱しました(笑)

    次からはようやく宮前先輩のターンですね。キャラ的にあちらから来るようなタイプではなさそうなので、今度こそ正一君の行動に期待です。

    • ヘタレな主人公は一概に害悪とも言えなくて、「彼女を誘いたいけど、勇気がなくて誘えない!」という内なる葛藤を吐露してくれれば、視聴者としては大いに応援したくなります。奥手でも草食でも童貞でも、本人にその自覚があればいいんですよ。ヘタレであることを魅力に変えられる方法は、いくらでもあるんですよねぇ。

      >「中途半端はイヤ」と常木さんに先手を打たれて行動できなくなってしまった
      あそこは常木さんも意地が悪いですよ…。自分からキスしたくせに、告白させないように釘指すなんて、良識を疑います。本来好きなタイプだったはずなのに、最後まで好きになれなかったのが残念。

      >次からはようやく宮前先輩のターン
      宮前先輩はラストだと思っていました。残り1人の桃乃今日子は自分的にそんなに興味をそそらないので、次アウトならもう終わりかな(笑)