夏雪ランデブー第11話雑感

気持ちは既に葉月へと移っていた六花でも、旦那への愛情が失われたわけではない。憐憫、贖罪、未練、いろんな感情が渦巻く中で苦悩する彼女が提案したのは「お揃いの骨になる」という1つの答え。えええっっっ!? 本気で心中エンドなの!?

結果的には、旦那はすんでのところで思い留まり、六花を手にかけることなく葉月の肉体から離脱した。残された六花と身体を取り戻した葉月は、お互いの気持ちが通い合っていることを確認し、熱い口付けを交わしてハッピーエンド。ふぅ、とりあえずヒロインが死ぬという鬱エンドは避けられましたか。

でもなぁ、これって本当にハッピーエンドなの? 葉月と六花が結ばれたことは喜ばしいことですし、そこにケチを付けるのは野暮なんですけど、結局あの時点で六花さんは旦那と共に死ぬ道を選んだわけで、その問題を放置したまま強引にハッピーエンドは釈然としない

生死を旦那の手に委ねた時点で、葉月の気持ちより旦那への気持ちを優先したということ。本当なら、あそこは六花さんが自らの意志で心中を拒絶しないとダメだったんじゃないのかな。「旦那と死ねなかったわ。しゃーない。それじゃ葉月と付き合うか」みたいな印象を植え付けかねません。少なくとも、死を受け入れようとした六花を葉月が叱りつける描写は必要だったと思いますね~。

場面はいきなり飛んで40年先の未来。あのあと無事六花とゴールインした葉月は、彼女が死ぬまで添い遂げた。そして、六花の後を追うように逝った葉月。花やしきデートでの約束通り、ちゃんと葉月は六花を看取ってから逝ったのね。

葉月と六花の娘に2人の面影を感じられたのは心が熱くなりました。でも娘さんは、お母さんの大きなくりくりお目々ではなく、お父さんのキツネ目に似ちゃったのか(笑) まぁ、私は目つきの悪い女性が大好きなんで、全然問題ないですけど!

旦那がこの時代になってもまだ成仏できずにいたことは驚き。最後、葉月と六花の孫に「お爺ちゃん」と呼ばせていた意味深なシーンはどういう意図? まさか六花に娘を宿したのは自分だったとか…? まさかね。

総括

失速しましたねぇ…。第2話が本当に神懸かり的の名作回で、これぞ平成のめぞん一刻だと信じて疑わないほどドはまりしていただけに、後半の失速感は残念すぎる…。

三十路の未亡人と、純真一路な青年と、幽霊の元旦那が織りなす不思議な三角関係は、三者三様の思惑が入り乱れ、そのやるせなさともどかしさが私の感情を思いっきり掻き乱してくれました。未亡人の旦那が幽霊として登場するだけで、こんなにも新感覚な恋の鞘当てが楽しめるとは、まさに発想の勝利。値千金のアイディアであったと思います。

敗因は、旦那が最後の最後まで葉月に憑依し続けたこと。不当に旦那が身体を占有し続ける展開は旦那のイメージを大きく損ない、せっかく築いた最高の三角関係の初期配置を乱してしまう悪手でした。値千金のアイディアを、作者自らどぶに捨ててしまったことは悔やまれます。

恋の行方が前半で早々に決着してしまったため、後半が時間稼ぎのように間延びしてしまったのも痛かった。

これは女性誌特有の弱点というか、読み切りサイズに慣れている作者が多いため、見どころや山場を序盤に盛り込んであとは惰性で終わるパターンが結構多いんです。序盤はものすごく面白いのに後半がイマイチというのは、少女漫画では割と顕著な例なんですよね。夏雪ランデブーは作者にとって初めての長期連載作品でもあり、まんまとそのパターンにはまっちゃったかなと。

それでも、前半あれだけ楽しませてくれたことですし、最後もまぁまぁな終わり方。悪くはない作品でした。登場人物がたった4人という(正確には第1話で退職したバイトの子を入れて5人)恐ろしく省エネなラブストーリーに敬意を表します。……ああ、でも惜しい。

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