PSYCHO-PASS2第8話「巫女の懐胎<AA>」雑感

鹿矛囲の正体は、航空機事故の犠牲となった184名の子供の亡骸を繋ぎ合わせ、複数の脳・肉体・人格で形成された全身移植人間でした。先週、たくさん親切なヒントをくれましたので、大方の人はこの答えの予想がついていたんじゃないかと思います。

ただ、腑に落ちないのは、どうしてこれでサイマティックスキャンの感知が逃れられるのかという根本的な部分。通常の生体移植はこの時代でも普通に行われているでしょうし、1期では泉宮寺豊久という全身サイボーグ化した人間も出てきたのに、どうして鹿矛囲だけがサイマティックスキャンの対象にならないのかが謎。手術直後は普通に捕捉されていたのに、移植した部位が定着するにつれ、次第に感知されなくなったという理由もハッキリしませんね。

こうなると、前回私が予想した「犠牲者の臓器をそのまま移植したのではなく、臓器培養によった造り出された人工的な臓器で生命を吹き込まれた実体のない人間」という説の方が、説得力ないですか? フランケンシュタイン説は簡単に辿り着ける地点だっただけに、もう一捻り欲しかったなぁ。

鹿矛囲と並んで怪しさを増している東金の正体。こちらは彼の行動に不信を抱く霜月監視官が、その裏にある陰謀と合わせて暴くことに躍起。いらない子だった霜月ちゃんにやっと活躍の場が回ってきたのは嬉しい限りですが、無能が急に1人で張り切り始めるとろくな結果にならないのが世の常。勇み足で事件の核心に首を突っ込んだ奴は、真っ先に真犯人に始末されるのがお約束なだけに、この時点でオチは見え隠れしていたと言えましょう。

それでも、過去の資料を徹底的に洗い、東金財団と鹿矛囲の関係性を突き止めた霜月監視官はお手柄でした。どうやらただの無能ではない、頭の切れる無能(?)だったようです。東金財団を告発する報告書なのに、むりやり朱ちゃんの悪口に帰結させていたのは相変わらずでしたが…(笑)

私怨混じりの報告書を完成させると、一仕事終えた満足感でもぐもぐとカツカレーを頬張る霜月ちゃん。不覚にも、この瞬間はちょっとカワイイと思っちゃいましたよ! カツカレーを頬張る女子に悪い子はいないよね~。

禾生「この『AA(ダブルエー)』だが、これはオープンドアデータと呼ばれるものだ」
霜月「オープンドアデータ?」
禾生「重要機密を暴こうとする社会不適合者をおびき寄せて把握するための罠。君はそれにまんまと引っかかった」
霜月「?」
禾生「『AA』即ち、アプリオリアクイット(Apriori Acquit)。先天的な免罪体質について。シビュラの重大な秘密だ」
霜月「ん? んえ?」

局長からお褒めの言葉を賜れるとうきうきだった霜月ちゃんに突きつけられたのは無情な現実。現在の禾生壌宗(かせいじょうしゅう)の中に入っている人格は東金の母親であり、つまり霜月ちゃんは、東金財団の告発をその元凶に告げ口するという間抜けっぷりを晒したということ。すぐ目前に危機が迫っているのに、まだ状況がよく飲み込めていない霜月ちゃん。そんな察しの悪さもカワイイ(笑)

シビュラ構築に一役買っていたであろう東金の母親が、シビュラシステムの一員として参画している可能性は充分予測できた範囲ですが、そもそもシビュラの仕組みを知らない霜月ちゃんにそこまで想像を巡らせろというのは無理な話。ですが、導き出した真相を朱ちゃんに相談できていれば、この最悪の事態は避けられていたはず。結局、朱ちゃんへの無益な反発が、自分の首を絞める結果に繋がったわけです。

これまで散々イライラさせられたキャラだけに、「ざまーみろ」という気持ちがないわけではないですが、いざ彼女が死の瀬戸際に立たされてしまうとやっぱり心配。なんだかんだで2期を代表するキャラですし、ようやく彼女の魅力が“少し”わかりかけてきたところですから、こんなところであっけなく死んではほしくない! なんとかこの危機を乗り切って!

というか、私は東金朔夜が味方だと信じているので、霜月ちゃんの身は彼が守ってくれると思っていますけどね。東金みたいに怪しすぎるキャラが、“実はシビュラ側の人間だった!”なんて、そんな安直すぎる展開ではないでしょう。自分の母親を含めて、シビュラを欺いている立ち位置なんだと思います。それも安直っちゃ安直ですけど。

★今週の常守朱★


東金「感服しますよ。貴女は生まれながらの刑事(デカ)だ」
常守「あはは…。ありがとうございます」
東金「可愛げが足りないという意味です」

東金に軽口を叩かれて、ふて腐れる朱ちゃんの顔が可愛かったね! と言いたいところだけど、作画が悪すぎて全然可愛くなかったよ! 来週も頑張れ朱ちゃん! というより、タツノコプロが頑張れ!

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2 Responses so far.

  1. イノウエ より:

    >>なぜ鹿矛囲がサイマティックスキャンに検知されなくなったのか。
     恐らく複数人の生体データが混ざり合い過ぎた結果、鹿矛囲桐人という個人として認識されなくなってしまったのではないかと思います。
     通常の生体移植であればベースとなった人間の要素が強いので問題ないのでしょうけれど、鹿矛囲の場合はツギハギだらけの身体が「一個」として定着してしまったがために、それらがノイズとして働きシビュラシステム(と言うよりはそのスキャンシステム?)の網の目を潜っているのではないでしょうか。
     あるいは「定着していく毎に検知されなくなっていった」とありますから、多数の他人の要素が混ざり合うことで単純にまったく別の個人・生命体として認識され得るほどに身体が勝手に修復・変化してしまったとか。そんなところではないでしょうか。

     そう考えると、一期のサイボーグじいちゃんも脳髄(?)の他は人工物ですから、鹿矛囲と比べてしまうとむしろ凄く分かりやすい存在だと言えると思います。
     たとえばサイボーグじいちゃんの肉体部分が10%ほどだとしても、その10%の中身は100%がおじいちゃん本人ですから、一個人として検出する分にはおじいちゃん以外には有り得ない、と。
     そもそも生体データとは言っても具体的になにをもってしてシビュラは個人を特定しているのかがハッキリしていないので、全て根拠不足ですけれど……。

    • 鹿矛囲と泉宮寺を比較して、その顕著な違いは脳味噌の部分ですから、サイマティックスキャンは人間の脳波か何かで個体を識別しているのかも。それが混ざり合ってノイズになっている鹿矛囲は測定不能だと。それなら「認識できません」とエラー表示でも出してくれればいいのに、存在しない空気として扱うのは納得いかない~。

      「どうしてドミネーターが反応しないの!?」は2期の出発点となる疑問であるだけに、ここはもうちょっと丁寧に設定を練り込み、万人が納得できる理由付けをお願いしたいところ。これから先、もう少し詳しい説明があるものだと信じていますけど…。

      今のままだと、イノウエさんも仰っているように総てが根拠不足で、想像の上での仮定しか成り立たない状態。理由や説明を放棄して「そういう仕様です」の一点張りでごり押しされても、お客様は納得しませんよ!(笑) ドミネーターをリコールするべき!