PSYCHO-PASS第19話「透明な影」雑感

公安組織を抜け、自らの手で槙島を始末することを決意した狡噛。槙島の行方を追う手掛かりを掴むため、プロファイリング能力に長けた雑賀教授の元へと訪れる。

「あいつは――マックス・ウェーバーを持ちだされた次の瞬間には、フーコーやジェレミー・ベンサムの言葉を引用して返すでしょう」
「もしかしたら、ガリバー旅行記辺りも引用するかもしれない」
「あの男は、シニカルで歪んだユーモアの持ち主です」

偉人の言葉の引用合戦をアカデミックと受け取るかペダンティックと受け取るかは人それぞれだと思いますけど、私は割と好き。槙島がガリバー旅行記を引用するだろうと読み切っている狡噛はカッコイイですね。こういう相手の思考の読み合いってすごくぞくぞくする

槙島の次なる一手を探るためネット掲示板の書き込みに目を通していると、「シビュラシステム崩壊させるなら食料の自給体制を破壊するのが一番だ」という書き込みに目がとまる。

この時代の日本は農業が完全オートメーション化され、北陸地方全域は人の居住がない穀倉地帯へと変化しているそうです。そこで収穫されるハイパーオーツという遺伝子組み替え麦は多様な食品に加工可能であるため、他国の食料輸入に頼る必要はなくなり、自給自足で賄えるようになった。

しかし、何らかの事情で食糧危機が訪れれば、国民の犯罪係数の上昇、輸入解禁に伴う外国人の流入が始まり、シビュラシステムの犯罪係数測定の意味合いが失われかねない。ゆえに、シビュラシステムの無効化を目論むのであれば食料の自給体制を崩壊させればいい

……なるほど。理屈は理解致しました。一見関連のなさそうな食糧事情とシビュラシステムは密接にリンクしており、もし槙島がそこに着眼していたのなら、何らかの手を打ってくるのは間違いないということですね。

ですがね。そういう話は今説明することではなく、予め伏線として張っておくべき情報でしょ!! そもそも私は日本が自給自足していたこと自体初耳ですし、日本が他国と国交を閉ざしていたことも初耳です! 今更になってハイパーオーツという初出のオリジナルアイテムを放り込んでくるなんて、後付け設定だと批難されても仕方がないですよ!

第2話か第3話辺りで「最近は、ハイパーオーツのおかげで食べ物には困らなくなったよね~」みたいな会話があれば、私も「食料自給体制の崩壊がシビュラシステム崩壊の鍵」という推理に至ったかもしれません。でも、こんな後付け設定じゃ推理なんて土台無理な話! こっちはもう解答モードに入っている段階なんですから、後付けの新情報で方向転換するのはやめて欲しい。それはズルイです。

「常守朱監視官。今から――貴女に総ての真実を告げましょう」

ドミネーターによって語られる総ての真実とは? これはもうシビュラ側からのアプローチだと捉えていいでしょう。果たして朱ちゃんはシビュラにの一員となるのか否か? ここまで来たら、私は「なる」と断言しますよ!

朱ちゃんにとってシビュラの一員に加わるメリットは、「槙島を処刑できる」ということ。禾生局長が犯罪係数の実値を無視して、ドミネーターを強制的にエリミネーター・デコンポーザーに変形させたように、免罪体質の槙島に対しても、朱ちゃんの意志でドミネーターを撃つことができるようになるはず。槙島は狡噛の手によって殺されるのではなく、朱ちゃんの意志によって殺される展開が濃厚。

「狡噛さんが――潜在犯じゃなくて本物の人殺しになっちゃうなんて、絶対に嫌です」

狡噛が普通の人殺しになることに抵抗を持つ彼女なら、自分がシビュラの一部となって代わりに槙島を処刑したいと考えるのは自然だと思いますね~。

★今週の常守朱★

一枚目のキリッとした表情がたまらないね! もしシビュラ化することになったら、いらなくなった肉体は頂戴ね! 来週も頑張れ朱ちゃん!

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。