PSYCHO-PASS第16話「裁きの門」雑感+シビュラシステム考察

狡噛と槙島、因縁の2人が遂に邂逅を果たす。Fate/Zeroの切嗣と綺礼然り、面識を持たぬうちから互いをライバルと認め合っていた2人の男が相見える瞬間というのは、実に興奮しますね。

第1話冒頭シーンもここで放り込んできて、漂うクライマックス臭。ノナタワー最上階にて決戦の火蓋は今切られた。

共に腕に覚えがある者同士、互角の戦いが繰り広げられるかと思いきや、意外にも槙島の一方的な展開に。手負いとはいえ、あれだけ格闘術に秀でた狡噛が手も足も出ずに組み伏せられてしまったのは驚きです。

万事休すと思われた瞬間、突如背後から現れた朱ちゃんが、ヘルメットを振りかぶって渾身の一撃! さすがの槙島も後頭部を鈍器で殴りつけられてはノックダウン。ピンフォール決めている間に、突然ロープから飛び出してきたタッグ仲間に不意打ち食らって逆転負けを喫するという、まるでプロレスのような戦いでした(笑) 凶器片手に乱入した朱ちゃんがヒールレスラーすぎるぅぅ!

昏倒した槙島に対して、このまま息の根を止めるべきか葛藤する朱。目前で友人を殺された悲しみと恨みが押し寄せてきたものの、最後は踏み留まって逮捕による身柄拘束を選択。さすがにヘルメットでボコボコ撲殺する朱ちゃんは見たくないよね。しかし、こんなに早く槙島との決着が付いちゃうとは、後々執行官として仲間に加わるフラグ?

一方、縢は単独でシビュラシステムの中枢である地下最深部へと潜入していた。道中、チェ・グソンに裏切りを持ちかけられるが、躊躇いも見せることなく一蹴。幼い頃から潜在犯扱いされ、人間らしい人生を送れなかった縢にとって、シビュラは間違いなく憎悪の対象。シビュラの支配から解き放たれようとしている今、公安を裏切って鞍替えしても何ら不自然ではないはずなのに、「気に入らない」という理由だけで彼らの誘いを撥ね除けたのはカッコイイ。

チェ「友達になれると思ったんだけどなぁ」
縢「俺のダチは上でアンタのボスとやりあってるよ。だからこっちも不義理はできねぇ」
縢「今すぐにでもアンタを殺しに行ってやる!」

ああ、なんて義理堅い男なんでしょうか…。だけど、こんなにカッコイイことを言われてしまうと、もはや死の予感しかしません…。

案の定、シビュラシステムの全容をチェ・グソンと共に目撃したあと、禾生局長の手によって消されてしまった。存在を知られることで有無を言わさず口封じされてしまうシビュラシステムの正体とは一体なんなのでしょうか? 長くなるので、その辺の考察は下記にまとめさせていただきたいと思います。

★今週の常守朱★

サイコパス数値を敵にコピーされないための対応策として、無骨なヘルメットを被らされる朱ちゃんはラブリーだったね! でも、結局敵は槙島の数値をコピーしていたからヘルメット被り損だったね!

太腿に被弾しながら泣き言1つ言わず淡々と止血して、狡噛に犯人を追えと命じる朱ちゃんの男気に惚れる。弱音吐いたり、愚痴こぼしたり、物事引きずったり、そういう女々しさが全然ないのが魅力です。来週も頑張れ朱ちゃん!

★シビュラシステム考察★

元々シビュラがただのスーパーコンピューターであるとは思っていなかったです。有機的な生体コンピューターであるか、もしくは人間そのものであるかと。シビュラ(SIBYL)は「アポロンの神託を受け取る古代の地中海世界における巫女」のことらしいので、そのまんま1人の女性がシステムの中枢として組み込まれていると推察ておりました。

となれば、怪しいのは槙島聖護との関係を匂わせていた禾生局長。仮に2人が親類関係(親子)であれば槙島の犯罪係数を恣意的に下げてもおかしくないですし、彼が免罪体質である説明も付く。なので、「シビュラシステムは究極の親バカシステムだった!」というオチを想像していたものです。

ですが16話を見る限り、シビュラシステムの口封じのために局長が登場してきたので、どうやら私の推理は的外れだったみたい。改めて新ヒントを交えて考え直してみたいです。

「なんなんだこいつは…!?」

“こいつ”なので単体ではあるんでしょう。ただ、縢の左右に落ち着きなく振られた視線から察するに群体である可能性も捨てきれません。何かの集合体によって1つの大きなシステムが形成されているという感じでしょうか?

「こいつを世間に公表すれば、この国はお終いだ! 今度こそ本当の暴動が起きる!」

こちらはシビュラシステム破壊を目論んでいたチェ・グソンの目撃証言。一目見て市民が暴動を起こすようなもの、つまりヴィジュアル的にアウトで、とっても非人道的なものである蓋然性

2人の反応から真っ先に頭に浮かんだ絵面は“人間の脳の集合体”ですね。機械で弾き出された独善的な数値であるように思えて、実は人間の集合知によって導き出される超民主的システムだった……となれば、「シビュラが司る社会は異常であるように思えるけど、実は現行の民主主義社会も似たようなものなんだよ」という皮肉が利いたオチにもなり得ます。

脳漿剥き出しのヴィジュアルはインパクトありますし、これが一番しっくりくるかと思いますが、同時に一番ベタでもある…。人間の脳を用いて民主的に裁決を下すスーパーコンピューターだと、完全にエヴァのMAGI(あちらは人格による多数決ですが)と被っちゃいますし。

もう1つ予想されるのは、地球上に存在しないような怪物という可能性。簡単に言えば、エヴァのリリス的な存在ですね。気持ち悪い謎の巨大生物に人類社会の運営をお任せしていたら、そりゃあ市民は暴動を起こすに決まっています。ただ、ここまで理詰めの近未来SFでやってきたのに、いきなりファンタジックなキャラクターを放り込む勇気があるかどうか。

生体コンピューターか、未知の生物か、私のSF知識ってエヴァンゲリオンぐらいしかありませんので、どうしても発想がエヴァっぽいものに偏ってしまう…(笑) エヴァっぽさを追求するなら、このまま最後まで視聴者に正体をお見せすることなく、投げっ放しで終わるという手段もありますけどね! それだけはやめて!

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2 Responses so far.

  1. T_U より:

    初期のかったるさを我慢して、虚淵さんを信じて見続けてよかった……
    となるといいなぁ、なんて思いながらPSYCHO-PASSを継続視聴中の
    T_Uです。お久しぶりです。

    さて、シビュラシステムについて。
    浅生さんの推理を敷衍すると、
    超リアルな惑星メーテル…とかですかね。
    鉄郎が生身のままでっかい機械に組み込まれてる、
    というような。

    昔のジュブナイルSF小説、「ソルジャークィーンシリーズ」であった描写ですが。頭の良い人間を全銀河からさらってきて生身のまま埋め込んで素子として使う巨大コンピュータなんてのがありました。

    同じシリーズでは超能力者のグループが、リーダーの意識をコアとして
    脳髄を素子として脊髄どうしでシナプスをつなぐ超巨大脳ってのもありました。

    まぁ、サイバーパンク以降のSFにはそういった描写はありふれているので
    虚淵さんなら上手いことその辺のネタを下敷きに、びっくりするような
    展開にしてくれるに違いないっ、と信者的に思って続きを楽しみに致します。

  2.  T_Uさん
    今年に入ってからのPSYCHO-PASSはジョジョに迫る勢いで面白くなってきていますね。第3話で朱ちゃんの可愛さに目醒めておいて良かったです。あれがなかったら、私は今頃PSYCHO-PASSを見ていなかったかもしれませんので。
    SFは、アニメは、もっと大胆であっていいと思うのです。いずれ訪れる「有り得ない未来」に立ち向かうための逞しさは、自由な想像力によってのみ培うことができる筈だからです。今になってようやくこの虚淵さんの公式コメントに説得力を感じるようになってきました。

    >浅生さんの推理を敷衍すると、超リアルな惑星メーテル
    銀河鉄道999ってそういう話だったんですか。綺麗なおねーさんと一緒に銀河旅行するだけの話だと思っていました。それは冗談ですけど、ああ見えてなかなか重たい作品だったんですね~。

    >昔のジュブナイルSF小説、「ソルジャークィーンシリーズ」であった描写
    こちらも未読ですけど、「頭の良い人間を全銀河からさらってきて~」というのはまさに私が想像していたものと近似していますね。やっぱり、こういうのは私だけでなくみんなも最初に頭に思い浮かべるものなんだろうなぁ。

    そういう安易なオチでないことを願っていますが、仮に的中したとしても話がそこで終止してしまわなければ良いこと。びっくりするような展開、まだまだ期待しています!