PSYCHO-PASS第15話「硫黄降る街」雑感

前回に引き続き胸糞悪いというか、見ているこっちの色相が濁りそうな悲惨な描写の数々。シビュラシステムによる絶対的な秩序は、サイマティックスキャンを欺くヘルメットの存在によって脆くも崩れ去ってしまった。免罪符を手に入れた虐げられし市民たちは各地で暴徒化し、それを鎮圧する有効な術もなく、完全なる無政府状態。世はまさに世紀末。

シビュラシステムを無効化しようと陰謀を企む時点で逮捕される世の中なので、確かにこのような事態は可能性として起こり得るはずがなかったのでしょうが、いくら万能のシステムといえど盲点や抜け穴は必ず出てくるもので、最悪の事態を備えて何も次善策を立てておかなかったのは疑問。システムが機能しなくなったら即お手上げなのは、あまりに杜撰すぎやしないでしょうか?

ただ、先の地震での原発事故を「想定外」の3文字で済ませてしまう現実なので、意外とこんな杜撰さが日本のリアルなのかな~とも思う。シビュラの統制でずっと機能してきた世界なら、人々の危機意識は思いっきり衰退していそうですしね。所長の「あまりにも平和が長すぎた」というセリフに重みを感じました

「ヘルメットがなけりゃなんの犯罪もできないクズどもだ」

こちらは狡噛さんのお言葉ですが、なんか匿名を武器にネットで攻撃的になる人と重なるのは私だけ? 表向きは穏やかで規律正しい日本人でも、匿名性を与えるとたちまち品性が劣化してしまうように、特殊ヘルメットによって容易くモラルも秩序も崩壊しちゃうのは、あながちフィクションの世界だけのお話とは言えないかもしれません。

シナリオが本題に入って俄然面白味が増してきたPSYCHO-PASSですが、システムが瓦解して社会に大混乱が巻き起こるというのは、近未来SFにまるで馴染みがない私でも充分予測できていた展開。ここから先、私の想像を上回る何かが欲しいところ。それを16話以降に期待したいと思います。

★今週の常守朱★

朱ちゃんは相変わらず狡噛に従順だよね! それはいいけど、9話でのプロファイリング設定はいつ活かされるのかな!? 来週も頑張れ朱ちゃん!

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. PSYCHO-PASS フジ(1/31)#15

    第15話 硫黄降る街 公式サイトから槙島の計略によって、シビュラシステムにおける犯罪抑制の信用度は地に落ちた。恐怖に駆られた市民たちは自己防衛意識から武器を取る。加速度的に…

  1. 不足の事態への備えについては、そういうことを想定する時点でシビュラシステムに対する不信でありあってはならない思想、みたいな風に考えられてる節が今までの局長の発言から窺えますね。それにしてももう少し現実的に考えようぜって感じですけど。
    今回グソンがシビュラシステムについて明らかにオーバーテクノロジーだというようなことを仄めかしていたので、そこら辺に信仰の理由があるのかもしれません。言葉通り人智を超えた何かがその正体だったり。

  2.  イノウエさん
    なるほど。シビュラに対する不信も色相を濁らせてしまう要因になり得るのですかね。機嫌を損ねたら嫌われてしまうって、シビュラ君はなかなか気難しいシステムだなぁ(笑)

    >(シビュラ)オーバーテクノロジーだというようなことを仄めかしていた
    ここまできたらシビュラの正体がただのスーパーコンピューターであるとは考えにくいです。エヴァのMAGIのように人格を移植した端末であるとか、もしくは人間そのものであるとか、とにかく有機的な何かであると私は推察しています。

  3. 色相が濁るというのもあるのでしょうけど「シビュラシステムによる絶対的な平和」という、現実よりも言葉の上だけの虚構の意識を守るためのものという気がします。
    いわゆるシビュラ教と言って差し支えないかと。

    >有機的な何か
    私も「シビュラの本体はひとりの女の子だったりしそうだなぁ」とぼんやり考えておりました(笑)
    色相システムなどにしてもどうにも一個人の独善的な判断による側面が大きい気がするなと思っていましたし、そういう風に考えると「免罪体質」という言い方もしっくり来るというか。まあそれに関してはシビュラが無機質のものであっても、擬人化した表現と考えれば不思議ではないのですけど。
    朱ちゃんの特殊体質にしてもシビュラそのものとの類似性とか同調性とかそういう要素だったりするのかな、とか。

  4.  イノウエさん
    どんな優れたシステムであろうと人々に信仰がなければ成り立ちませんので、宗教的側面があったと考えるのもありですね。秩序を守る上で、宗教の存在は強いです。

    >色相システムなどにしてもどうにも一個人の独善的な判断による側面が大きい気がする
    シビュラが有機的な端末、もしくは人間だったとした場合、恣意的にサイコパス判定を操作できるわけで、特定の人物の罪を敢えて見過ごすことも可能。即ち、槙島聖護が免罪体質である理由も付きます。

    では、何故槙島を贔屓して罪を見過ごそうとするのか? それは彼の親族であると考えるのが妥当。槙島の親族として怪しいのは……そう、13話ラストで槙島との関係を匂わせたあの人ですね。

    でも、私如きが予測できるレベルの展開だとガッカリですので、できれば私のこの推察は外れて欲しい…。さてさて、結果はどうなるやら。