輪るピングドラム第18話「だから私のためにいてほしい」雑感

親の興味の喪失を恐れるあまりに及んだ自傷行為。だが、逆にそれが原因で親から見捨てられてしまった幼少時代の多蕗は、子供ブロイラーなる施設へと送り込まれる。そこは“いらない子供”が集められる場所。施設員は子供たちを粉々に砕き、誰が誰だかわからない「透明な存在」に変えるのだと言う。

こんな恐ろしい施設が実在していたとは考えにくいですし、何らかの比喩表現であるとは思うんですけど、現状何を指し示しているかは見当が付かないです。「透明な存在」というフレーズ自体は、97年の神戸連続児童殺傷事件を連想させるんですけどねー。

考えてみれば主人公たちの身近にも「透明な存在」はいました。そう、ペンギン。高倉兄妹にしか視認できない彼らもまた透明な存在。この子供ブロイラーと何か因果関係はあるのでしょうか?

陽毬を追ってやってきた冠葉が見たものは、復讐に燃える多蕗の手によって、ビルの屋上からゴンドラで吊される陽毬の姿。今や風前の灯の陽毬を助けたければ、父親の居場所を吐けと脅しをかけられる。居場所は知らないと言い張る冠葉に対し、多蕗は躊躇なく命綱のワイヤーを吹き飛ばし、そのまま陽毬は地上数百メートルの高みからの自由落下。月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)でもなければ助からないシチュエーションでしたが、気付けば寸前で改心した多蕗によって陽毬は一命を取り留めていた。

あのタイミング、あの位置状況を考えれば多蕗が陽毬を救うのはいくらなんでも不可能だと思うんですけど、これがご都合主義による力なのか、それともピングドラムの力なのか…。まだ答えは見えないです。

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時間:72 分

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. 多蕗は一見するとすんでのところで復讐を思いとどまったように見えますが、実は、初めから殺すつもりはなく陽毬を助ける用意をしてたのではないでしょうか?

    あそこで陽毬を殺さないでおけば、冠葉たちは被害を訴えることができず、多蕗はあの後も普通に社会的な生活を過ごせるわけですからね。人が死ねばどうあっても国家権力が動きますし。

    ちょっと深読みしすぎでしょうかね。

  2. そこまで冷静な判断ができるならば、もしくは我が身可愛さで安寧を望んでいるのであれば、最初からこれほど手の込んだ復讐劇は行わなかったと思いますね…。多蕗の怒りと覚悟が、逮捕を恐れて日和ってしまう程度だったとは思いたくない。

    なので、あの時点での多蕗は本気だったんじゃないかと~。