輪るピングドラム11話「ようやく君は気がついたのさ」雑感

「私の姉、荻野目桃果は、あの事件の犠牲者なの」 16年前、3月20日の“あの事件”って、地下鉄サリン事件のことかぁ…。第1話からただ者ではないアニメだと睨んでいましたけど、頭がグラグラするようなまさかの衝撃展開。毎回必ず地下鉄(丸ノ内線)の描写を入れていたのも、これを示唆したものだったわけね。

“95”という数字が車内一面に浮き出ている場面は、そのおどろおどろしい色彩も相俟ってかなりショッキングな映像。なんだか95年がものすごく恐ろしい年だったように思えてきました。実際、阪神大震災とサリン事件が重なる未曾有の国難に見舞われた年で、今年との共通点も多い大変な年だったんですが。

高倉家は兄妹仲睦まじい幸せな家庭でありながら、これまで何故か両親の描写がなかった。立ち退きを迫られたときや、苹果に家族のことで責められたときに過剰な反応を見せるなど、どうも両親に何か社会的な問題がある、罪人であるかのような節を感じていました。晶馬は桃果の死の原因が僕たち兄弟にあると告白しましたが、その日生まれたばかりの晶馬と冠葉に本当に責任があったとは思えないので、これは自分たちの両親を指しているのではないでしょうか? つまり、晶馬たちの両親はオウム真理教信者であったという推理も成り立ちます。

しかし、アニメでさすがにその名前を出せるとは思えません。サリン事件の13人の犠牲者の中の1人が桃果だったというのはフィクションでも無理がありますし、実際の地下鉄サリン事件ではなく、それをモチーフにした事件と考えるのが妥当ですね。

それでも、半ばタブー化されている95年3月20日のデリケートな事件を物語に絡めてくるのは相当の勇気。不謹慎との反発も強いものが予想されますが、私は改めて事件を考える上でもいいことだと思いますよ。アニメを見ている世代は、もう地下鉄サリン事件のことをよく知らない人も多いでしょうから。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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