一週間フレンズ。第4話「友達とのけんか。」雑感

誰も友達がいない、もしくは何らかの病や障害を抱えている“可哀想なヒロイン”というのは昔から一定の需要(人気)があります。それは「そういう女なら自分でも上から目線で接することができる」「そういう女なら自分だけを見てくれる」という傲慢さが根底にあると思うんですよね(全員がそうではないにせよ)。俺がお前の力になってやるから、お前はいつまでも俺のものでいろ的な。

長谷君も無意識化でそのような思いにとらわれていたようで、藤宮さんが桐生君と仲良さげにしていると途端に不機嫌になってしまう。まるで藤宮さんは自分だけの所有物であるかのような思い上がり。

単純に彼女のことが好きで他の男に振り向いて欲しくないというのなら、最初から友達なんか望まず彼女になってくれと言うべきでした。友達というフラットな関係を望みながら、他の男と仲良くすることを許さないというのは非常に身勝手な考えですよ。

そうはいっても、それは第三者から見た論理。嫉妬という感情はそう易々とコントロールできるものではなく、人間関係においてエゴは完全に切り離せるものではありませんから、これだけで長谷君を未熟だと断じてしまうのも酷な話。長谷君は今回の失態で独り善がりだった自分を省みて、ちゃんと学習することができましたし、キチンと成長はできている。ならば、何も問題はございません。

藤宮さんと仲違いしてしまった後悔のあまり、教室で泣き出し始めた長谷君は、チョット女々しすぎるんじゃないかという思いもありましたが…(笑) 嫉妬を露わにしたり、後悔で涙したり、良くも悪くも自分の感情を包み隠さずオープンにできる実直な人柄だってことですかね。

本来なら、ここで長谷君が謝罪して仲直りという単純な話で終わっていたはずなんですが、間の悪いことに藤宮さんがこのタイミングで日記を紛失。これまでの長谷君との思い出は完全に失念したまま月曜の登校を迎えることとなり、仲良くなる以前の警戒感剥き出し状態な藤宮さんに戻ってしまいました。

ケンカした直後だけに、彼女は意図的に記憶を抹消したんではないかとネガティブに捉えてしまう長谷君。幾つもの誤解と不運が重なり、些細な軋轢が今や修復不能な溝へと広がりつつある…。しかし、そこで2人の関係を繋ぎ止めたのが桐生君でした。彼は落ち込んでいる長谷君を叱咤激励した上で、藤宮さんには“忘れてしまった大事なもの”を長谷が今必死に探している事実を伝えてあげた。

坂本竜馬ばりの仲立ちで2人を取り持った桐生君のおかげで、無事長谷君と藤宮さんの関係は修復。友達のためにこんなにも一生懸命骨を折ってくれた桐生君は、本当に素晴らしい友人ですね! 自分が迷ったときには相談に乗ってくれて、困ったときには力になってくれる頼り甲斐ある存在。ああ、こういう友達キャラとエロゲで出逢いたかった…(笑)

結果的に、先週桐生君にも藤宮さんの事情を打ち明けて、一緒に友達になってもらったことが功を奏しました。ヒロインとの愛情を育む上では、やはり男同士の友情も欠かしてはならないってことですよ。エロゲの主人公なんて、自分以外の男は全員邪魔者だとしか思い込んでいませんからね! 仲の良い(という設定の)親友にも決して心を許さず、内心バカにして見下していたり…。そんな性格悪い奴に惚れるヒロインもどうかと思う!

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. こちらの紹介による鋼の恋愛術師こと長谷くんの奮戦が気になり、途中から視聴開始してみました。
    背景が綺麗なアニメだ・・・確か「あの花」と同じ製作会社でしたか。

    藤宮さんにしてみれば、桐生くんを話題に挙げるのは「長谷くんが作ってくれた自分の友達」であり
    それに対する喜びや感謝の気持ちがあるからなのですが、ここへ来て
    「桐生くんの事は覚えているのに長谷くんの事はリセットされている」という謎の障害があったため
    長谷くんは見事にそこで蹴躓いてしまってますね。
    なんともワケの分からん都合が働く記憶障害で、そりゃあ桐生くんでなくても疑いの目を向けようと言うもの。

    しかし我らがフルヘタレアルケミストの長谷くんは桐生くんが提示した「なくしたからかも」の一言を
    真に受け、自分の記憶を頼りに懸命に日記を探す。
    藤宮さんがなくした記憶の為に、自分の記憶を頼りに探すという対比がなかなかジンときました。
    日記を提案した時といい桐生くんを紹介した時といい、長谷くんは頭で考えた作戦が
    ことごとく失敗していますが、不屈のメンタルと風邪を引かない程度に頑強な肉体で
    すさまじい再浮上を遂げてくれるのがカッコイイ。今後も脳筋で頑張って欲しいものです。

    •  ゲストさん
      鋼の恋愛術師は素晴らしいフレーズだなぁ(笑) 思わずパクりたくなるほど。「一週間フレンズ。」は私も事前の期待値はそんなに高くなかったんですが、蓋を開けてみたら思わぬ名作だったのでびっくりです。あと、ダイミダラーも(笑)

      >「長谷くんが作ってくれた自分の友達」でありそれに対する喜びや感謝の気持ちがある
      長谷君も理屈ではわかっているんでしょうけど、それでも不愉快な思いを止められないのが嫉妬という感情の厄介なところ。嫉妬しているくせに、格好付けて気にしていないフリをしているよりは、わかりやすく感情を露わにしている長谷君の方が好感持てますけどね。

      >藤宮さんがなくした記憶の為に、自分の記憶を頼りに探すという対比
      ここはグッとくる場面でしたね。好きな女子のために必死になれる男子というのはいいものです。ほぼノーヒントの状態から河川敷に落ちている藤宮さんの日記を見つけ出した警察犬もびっくりの嗅覚は、この際不問に付しましょう。

      >不屈のメンタルと風邪を引かない程度に頑強な肉体ですさまじい再浮上
      失敗したあとに頑張って挽回できる主人公は立派です。頭でっかちで口先だけの主人公は結局自分で何もしないから…。至らなさは行動力でカバーできるというのは見ていて気持ちいいですね。

  2. はじめまして。いつも楽しくレビューを読ませていただいてます。

    今回の話は私の思い出と重なる部分もあり、見ていてとても親近感がありました。
    そして改めて長谷君の素直さと桐生君の考え方が素晴らしいと感動しました。

    3話で長谷君が桐生君を紹介したのは、藤宮さんのためではなく、自分自身の為と思っていました。
    作中では藤宮さんの為といってましたけど本心は「好きな女の子と仲良くなったので、友人に紹介したい!!ちょっと複雑な事情だから友達にも協力してもらいたい!!自分の為に!!」だと思うんですよ。

    長谷君には桐生君と藤宮さんが恋人になる可能性なんてこれっぽちも考えてなくて、桐生君なら応援してくれる!!友達なんだから!!という幸せいっぱいの状態。

    長谷君が「俺のほうが先に友達になったのになんでだよ」みたいな事を言ったと思うのですが、これは「応援してくれるはずのお前がなんでだよ!?裏切るのか!?」と。

    さらに、愛しの藤宮さんが友達の話題ばかりだったら嫉妬の心に支配されてしまうのは当然。

    私の脳裏に嫉妬に狂った友人が浮かびました。
    その時は「Aちゃんと話すのをやめろ!!(かなり要約)」的な感じでしたが。

    当時私は友人をしばらく放置しておいたのですが(長谷君以上に大暴走だったので)、桐生君は冷静に神対応。
    そしてそれに素直に考えを改める長谷君が素敵。

    嫉妬が激しいと、都合の良い、自分に納得できる答えを相手にぶつけてしまうこともあるわけで、
    日記をなくした可能性を言われても「はあ?大切なものを無くすなんてそれこそあり得ない!!というかお前、放課後藤宮さんと何話してたんだよ!?実はお前だけ記憶残ってるのも何かしたんじゃないの!?」

    なんて事になってもおかしくないんですけどね。
    いつの間にか全部桐生君の責任にすり替わっていて、聞く耳持たないという状態に。

    でも長谷君は違った。
    藤宮さんに「話せるのは桐生君だけ」といわれても、桐生君の言葉を素直に聞いて、考える。

    嫉妬したり、好きな人を疑ったりするけれど。
    一生懸命藤宮さんと向き合おうとする長谷君は本当に素敵です。

    これがラノベの主人公だったら、ラッキースケベで「偶然」うっかり「事故でキス」をしてしまい、記憶が戻ってハーレム復活ですよ。
    本当に長谷君で良かったw

    •  ゲストさん
      初めまして~。管理人の浅生です。

      「一週間フレンズ。」は藤宮さんの記憶喪失設定こそファンタジーですが、ラブコメとしては充分リアリティあるものですから、自分の経験と重ねながら視聴している人も結構いるでしょうね。特に第4話の嫉妬全開だった長谷君を見て、身を摘まされる方は多かったのでは。現実世界にも、桐生君のような友人がいてくれればいいのですが。

      >長谷君が桐生君を紹介したのは、藤宮さんのためではなく、自分自身の為
      断定はできませんが、どちらかというと私もそういう捉え方をしています。でも、それはそれで人間臭くていいと思います。元々「顔が好き」で始まった恋愛。高尚な愛を説く必要はなく、年齢相応の愚かさやエゴをどんどん出した恋愛でも全然構わない。あとになって、それをちゃんと省みることができるなら。

      心配なのは、そういった主人公の未熟さを視聴者が許容できる器を持っているかどうか。アニメ視聴者の多くは、びっくりするくらい主人公の失敗に対して厳しいので…。少しでもミスしたら「クズ」だの「死ね」だのボロカスに叩きますもん。もうチョット温かい目で見守ってあげて欲しいなぁ~。エロゲ主人公に死ぬほど厳しい私が言うのもなんですが(笑)

      >藤宮さんに「話せるのは桐生君だけ」といわれても、桐生君の言葉を素直に聞いて、考える
      ここはちゃんと桐生君と信頼関係が結ばれているからこそですねー。それこそ自分以外の男を全員邪魔者だと思い込んでいるエロゲ主人公では成り立たない話。まぁ、そもそもエロゲなら主人公の友達は恋愛に絡んできませんけどね…。絶対的な安牌である存在。

      >一生懸命藤宮さんと向き合おうとする長谷君は本当に素敵
      結局はそこですよね。人間関係はどこまでその人と向き合おうとするかどうか。自分からちゃんと向き合わないと成り立たないものですから。
      藤宮さんとの繋がりは極めて脆弱であるからこそ、せめて長谷君はとことん藤宮さんと向き合って関係を繋ぎ止めてもらいたいものです。