一週間フレンズ。第2話「友達との過ごし方。」雑感

彼女の記憶は1週間で失われてしまう。その設定自体は特別珍しくもなく、同ネタの作品は映画にもドラマにもエロゲにもあります。ですが、この作品の素晴らしいところは、何と言っても主人公長谷君の精神的タフさ! 「友達になってください!」を繰り返す不毛ともいえる過酷なループに、果たして彼はどこまで耐えられるのか? 長谷君のエンドレスエイトはまだ始まったばかり

振り出しから再スタートとはいえ、長谷君は前回までの経験値を引き継げるのが強み。言わば、“つよくてニューゲーム”の2週目だといえましょうか。藤宮さんに先週まで友達だったという事情を話せば、割とすんなり受け入れてくれましたし、火曜日の時点で早くも友達関係に持って行けるメリットは大きい。前回は無下に断られてしまった「クレープを食べに行こう」という約束も、今回は無事取り付けることができました

そして、藤宮さんと初めてのデートの日。目当てのクレープ屋さんが定休日だったというアクシデントに見舞われつつも、すかさず行き先をカラオケボックスに変更してデート続行。藤宮さんも大いに楽しんでくれて、傍目から見れば2人の交際は順調そのもの。あれ…? なんかこのまま2週目でクリアできそうな勢いじゃないですか? 攻略困難なマゾゲーかと思ったらとんだチョロゲーだった!?

問題は、この楽しかったデートの想い出が明日になってしまえば藤宮さんの中から消えてしまうこと。しかし、それも「日記を書いて記憶を引き継ぐ」というごもっともな解決策を長谷君が提案していました。藤宮さんは素直にその方法に従い、細かくこの1週間の出来事を日記に付けている。これで次週からは、記憶がリセットされてもすぐに記憶を取り戻せる! もう何も怖くない!

そうはいっても、禍福は糾える縄の如し。「そんなに都合良く事が運ぶのかなぁ…」という不安は拭えません。むしろ嫌な予感しかしない! 物語の都合上、日記を使って記憶を引き継ぐような“ズル”は許されるのかと…。なんだかんだで失敗して、また月曜日の藤宮さんは怪訝な目で睨んで来るというオチなんじゃないかと…。

意外にもその心配は杞憂でした。藤宮さんは翌朝に日記に目を通して、ちゃんと先週までの記憶を“憶えて”きてくれたのです。理想的な結果に上機嫌で喜ぶ長谷君。……が、藤宮さんの普通ではない様子を見て、すぐに自分が大きな思い違いをしていたことに気付く

そう、これはあくまで記録としての継承に過ぎないんですね。いくら先週まで友達だったという事実を日記で学んだとしても、本人にとって見ず知らずに近い人間といきなり打ち解けられるわけがない。なにより、日記に書かれてある幸せな出来事を、1つも憶えていないことを負担に感じないわけがない。そんな彼女の精神的な負担にまで考えが及んでいなかったことを、長谷君は深く反省するのです。

「本当はまったく憶えていないんだよね。嘘吐かせちゃって…ごめんね」
「俺、すごく自分勝手だった。ホント、自分のことしか考えてなかったんだなぁ」
「それ(日記)も全部自分のためだったんだ」
「本当は友達になってくださいという過程を飛ばすためだったんだ」
「ホント、俺ってバカだよなぁ…。そんな大事な過程全部すっ飛ばして、前みたいな友達になれるわけないって、少し考えればわかるのにね…」

正直、そこまで考えが及ぶ人ってなかなかいないと思いますよ。ましてや高校生なら、「日記作戦が成功した! やったー!」のままで終わっても何ら不思議じゃないこと。それでも長谷君は、彼女が無理していることを察して、自分の至らなさを詫びることができた。本当に立派な主人公だと思いますね。鈍感さを競い合うラブコメ主人公たちの中で、こんなにも他人の気持ちを慮れる長谷君はもはや神です!

藤宮さんが夜中に起き上がって、日記の最後に書き留めた言葉、「神様、お願いします」は泣ける…。どうしてもあの日の想い出を忘れたくなかったんだろうなぁ…。でもここで必要以上に暗くならず、敢えて明るく振る舞ってくれた彼女もまた、最高のヒロインだと思います。

長谷「こんな俺で良かったら、また……友達になってくれませんか!?」
藤宮「うぅ~ん…。しょうがないなぁ」

「しょうがないなぁ」いただきました!(笑) これまで藤宮さんは自分に負い目があるせいか、少し畏まりすぎていたのが気掛かりでしたけど、こんな風にわざと悩んだフリをして茶目っ気を見せる余裕が出てきたことはとても嬉しい。段々、本当の友達(恋人)っぽくなってきたじゃないですか! いい傾向ですよ!

今のところ、思った以上にとんとん拍子で2人の関係は上手くいっていると言えますね。日記に一定の効果があるとなれば、彼女の1週間限定記憶というのはそれほど大きなハンディにならないでしょうし、今後はどういうストーリー展開をお考えなのか。新たなアクシデントを望んでいるわけではありませんが、次にどういった切り口を見せてくれるのかは見物です。

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ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. 一週間フレンズ。 TokyoMX(4/13)#02

    第2話 友達との過ごし方 公式サイトから「友達との記憶が一週間で消えてしまう」。その言葉通り、月曜日に 香織は祐樹との記憶を失くしていた。それでも香織と友達になりたいと願…

  1. 「楽しかった記憶が消える」ということは「楽しくなかった・嫌だった記憶は残る」ということ……。
    私もアクシデントや精神に過負荷がかかるようなシリアス展開などはまったく望んでいないのですが、上記のことを考えると今から恐怖に震えてしまいます。
    このふたりには一刻も早く、平穏で温かな幸せを掴み取って欲しいものです。

    •  イノウエさん
      私は単純に友達と認識した相手との記憶が丸々消えるものだと思っていましたが、もし不快だった記憶だけが残ってしまうとするなら、相当厳しくなりますね…。長期戦になればなるほど不利。失点が挽回できないのは恐怖だなー。

      日記による記憶の引き継ぎも量的な限界がありますし、長谷君に与えられた猶予というのはそれほど長くないのかも~。

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    •  シホさん
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