ラブライブ!サンシャイン!!(2期)第13話「私たちの輝き」雑感+総括

1期最終回のときのような頭おかしい終わり方じゃなかったのはいいんですけど、なんか釈然としない終わり方。アニメ終了後に劇場版やるみたいですから、そっちに力を入れて、こっちはあんまり考えていなかったのかな? と邪推しつつ、最後のレビュー。

Aパートは普通に良かったです。浦の星女学院の卒業式と閉校式。花丸がみんなで一緒に戸を閉めることにこだわったり、鞠莉が全校生徒から卒業証書をもらったり、千歌がスクールアイドル部の部室プレートを最後に外したり、終わり行く切なさはちゃんと描けていました。最後、みんなで校門を閉める際に、「泣かない」と心に決めていたのに堪えきれず、嗚咽のような涙が溢れ出てしまうのもグッと来ます。さすがにここでじーんとこないほど、私も冷酷ではございません。

謎なのは、Bパート。せっかく綺麗に閉校式を終えて浦の星女学院との別れを告げた直後だというのに、いつものようにポエムを吟じながらお外を駆け回る千歌が、勝手に校舎に侵入して、あっちにうろうろこっちにうろうろ。屋上に出て空を見上げては不意にメソメソ泣き出し、生徒と仲間たちが帰ってきた白昼夢を見るという不気味な終わり方

ラブライブ!サンシャイン!!のこれまで軌跡を振り返るようなライブシーンが見られたのは悪くなかったですけど、ストーリーとしては破綻していたとしか思えないです。この状況に、笑えばいいのか、悲しめばいいのか、どういう感情を持てばいいか視聴者も迷ったんじゃないですか? 私は笑っていましたけど。

個人的に一番疑問に感じたのは、“ラブライブ優勝”というアニメ最大のハイライトであるべき瞬間を、なんでもっとしっかり見せてくれなかったんだろうという点。漠然と「優勝」という結果を突きつけただけだなんて。これまでずっとそれを目指していて、ようやく到達した頂点じゃないですか? ライバル不在の出来レースとはいえ、ラブライブ優勝を遂げた喜びと興奮を、Aqoursたちと一緒に共有したかったのがファン心理じゃない? なんでそこを描かなかったの?

ラブライブ大会って、現実でいうと日本高校ダンス部選手権のようなイメージだと思いますが、やっぱり見ていて一番感動するのって結果発表の瞬間。今年紅白にも出演して一躍有名になった大阪府立登美丘高校の部員たちが、3連覇を逃して準優勝に終わったとき、悲鳴を上げるように号泣していた姿は今も忘れられません。片や、優勝を告げられた同志社香里高校の部員同士が抱き合いながら歓喜していたのにも涙。高校生活総てを捧げて死ぬほど練習してきた彼女たちが、順位という結果を突きつけられる無情の瞬間にこそ、悲喜こもごもの感動があるというのに。

だから、Aパートでラブライブ優勝という喜びの絶頂を見せてくれたあと、Bパートでしんみりと閉校の寂しさを描いた方が、落差があって良かったと思うんですけどねぇ。結果のみならず、ラブライブ大会そのものが一切描かれていませんでしたので、Aqoursが優勝したという実感が非常に乏しい。どういうグループが何組出てきているかも知らないですし、どういう基準のどういう審査が行われたのかも全然わからない。謎の大会すぎる。本当にラブライブ大会というものが存在していたのかさえ疑わしい(笑)

逆のパターンでもよかったですよ? 敢えて先にAパートで閉校の寂しさを描いて、時間を巻き戻してBパートでラブライブ優勝の瞬間を見せて華々しく終わるような。とりあえず、喜びと悲しみでコントラストをつけた方が、印象に残るエンディングになったんじゃないのかなぁ…と。「感動したから、これでいいんだ!」と言われれば、それまでですけど。

好感度ランキング推移

1 - 津島善子
2 - 渡辺曜
3 - 黒澤ダイヤ
4 - 国木田花丸
5 - 桜内梨子
6 - 小原鞠莉
7 - 高海千歌
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8 - 松浦果南
9 - 黒澤ルビィ

曜「私ね、ずっと言っておきたいことがあったんだ。実は梨子ちゃんのことが、だーーーーーーーーーーーーーーーーーい好き!!」

ここ、「嫌い」って言うと思った人、私以外にもいたでしょ?(笑) 千歌を巡ったライバル同士で、決して仲よさそうな2人じゃなかっただけに、最後に修羅場が始まるかとヒヤヒヤ(ワクワク)していました

最終的に、一番のお気に入りは津島善子という結果になりました。その善子も2期は話の腰を折るだけの若干ウザめのキャラになっていて、1期の頃のが好きだったかな…。それでも彼女を凌駕する対抗馬は出てこなかったです。主人公の千歌が、後半は走りながらポエムを叫ぶだけの可哀想なキャラになっていたのは残念。まーた発作が始まったって感じでしたから。

総括


仲間集めと内輪揉めに終始していた1期に比べれば、2期はまだ見どころがなくはなかったですけど、ストーリーの歩みは遅々としていて、双六でいうとサイコロの出目がいつも1~2しか出ないため、物語の大きな動きを感じることなく終わりました。マス目には「一回休み」と書かれた「この回いる?」というエピソードも多く、合計26話も費やした割に中身スカスカ。

ラブライブ!のストーリー作りで問題なのは、泣けるシーンありきで、感動に至るまでの行程を後付けで考える“感動の逆算”をやっていること。感動の演出のため、火のないところに火をつけ、延焼が広がってから消火活動を始める花田式マッチポンプ。力業で感動という結末に収斂させるやり方のせいで、いろんなところに歪みが出ていたと思います。

私がレビューで度々指摘していた「ラブライブ!の連中は、どうして仲間同士で相談をしないのか?」という疑問も実は答えが出ていて、「小火のうちに鎮火してほしくないから」という作り手側の勝手な都合なんですね。物語中に起きた揉め事の大半は、お互いがしっかり話し合っていれば、大事に至らず解決した問題ばかり。でもそれじゃあつまらないから、仲間同士で話し合いをさせないで、大事にさせるという。

その結果、これだけ仲間の絆をアピールしていながら、グループ同士の仲の良さをちっとも感じない極めて歪な関係になっています。いくら親友ぶっていても、卒業の2ヶ月前まで進路も教えてくれない間柄。「涙腺崩壊!」と言いたいだけならともかく、普通に考えて感動の逆算は批判の声を上げるべき下策だと思いますよ。

最後なんでもう一つぶっちゃけて言わせてもらいますけど、作中に男性が出てこなかったのってやっぱり異常です。男性の登場人物を忌避すること自体、私にはまったく理解できないのですが、モブまで全員女性というのは、さすがに狂気の沙汰でしょう。秋葉原を行き交う通行人も、遠足に来ていた園児たちも、ジャンボ飛行機の搭乗客も、全員女性しかいないという光景を見せられて、皆さんは不気味さを感じないのでしょうか?

この世界に男性がいない理由は一切語られず、ただ無言で存在を消されているのが何よりも恐ろしい…。こんな排外思想にも近いホロコーストを、多くのファンが黙認していることに気味悪さを感じます。

いくらラブライブ!を愛する人でも、男性の存在が徹底的に排除されている世界観を異常だと思える感覚を持ち合わせてほしい。ラブライブ!がどんなに高尚な青春アイドルアニメだと謳ったところで、男を出せないという枷がある時点で、ただの美少女動物園アニメ。その認識で終わってしまうのですから。アニメの枠組みを超えて幅広い影響力を持つラブライブ!という一代の作品が、このような差別的表現を平気で行っていたのはとても残念です。

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  1. あんまり顔を出すことだ出来なかったのですが、レビューお疲れさまでした。
    今年からジョジョ5部のアニメ化が決定したとのニュースがありますが、ボスに匹敵するキンクリの使い手であるラブライブシリーズのレビューはフロム脳を駆使してのフォロー力が鍛えられそうですね。

    アダルトゲームのレビューサイトとして名を馳せていらっしゃいますけれど、アニメのレビューも面白かったです。
    要点要点を見やすく語る手腕は私など足元にも及びません。今まで本当にありがとうございました。

    • これまでなでしこやまとを応援していただき、どうもありがとうございました。

      ジョジョ5部のアニメ化決定!? 全然知らなかったので慌てて調べてみましたが、正式発表ではないものの、蓋然性の高いニュースみたいですね。ジョジョは新しい部が始まる前、どうしても「次面白いの…?」と懐疑的になってしまう不思議。これまで1~4部どれも最高に面白かったので当然5部も面白いはずなんですが、「前回よりは落ちるんじゃないか?」という不安の方が勝ってしまいます(笑) 5部視聴していたら、感想書きたくてうずうずしちゃうんだろうな。

      >(アニメレビュー)要点要点を見やすく語る手腕は私など足元にも及びません
      いえいえ。過分なお褒めをいただきましてありがとうございます。楽しい時間を過ごさせていただきました。

ABOUTこの記事をかいた人

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。