進撃の巨人第7話「小さな刃 -トロスト区攻防戦(3)-」雑感

わらわらと壁に張り付き、窓からこちらの様子を覗き見てくる巨人が怖い怖い。戦意喪失した補給班はただ恐怖に竦んで籠城するのみ。その中で、1人の男が妙案でも思いついたかのように「よし」と呟くと、いきなり銃口をくわえて引き金を引いたのは超びびりました。自殺することに一切の躊躇を見せない状況が途方も無い絶望感を演出しています。

補給班が任務を放棄したせいで、前線の兵士たちは立ち往生。既に撤退命令は出ているものの、立体機動装置のガス残量が足りないため壁を越えられそうにない。そして、ガスを補充するためには、群がる巨人たちの囲みを強行突破するしかないというのっぴきならない情勢。

そんな折り、後衛から駆けつけてきたミカサが合流。エレンの居場所はどこかと訊ねると、涙ながらに戦死を遂げたことを告げるアルミン。あれだけエレンに執心していたミカサだけに、果たして彼の死を取り乱すことなく受け止められるのか心配していましたが、ミカサは務めて冷静に、そして気丈に、エレンの分まで自分たちが生き延びなくてはならないことを説いたのが立派でした。

「私は…強い…あなた達より強い…すごく強い!」
「…ので私は…あそこの巨人共を蹴散らすことができる…例えば…一人でも」
「あなた達は…腕が立たないばかりか…臆病で腰抜けだ…。とても…残念だ」
「ここで…指をくわえたりしてればいい…くわえて見てろ」

この辿々しい発破のかけ方が萌えますね(笑) でも、口下手なミカサが敢えてリーダーシップを取り、味方を扇動しようとした姿はとても感動的でした。

勇ましく先陣を切ったミカサに続き、仲間を1人で戦わせるなとジャンが鼓舞。さっきまで気持ちがぽっきり折れていた彼なのに、愛するミカサを見殺しにはできないと、臆病な自分を奮い立たせたところに痺れる。やっぱりジャンは好きなキャラだな~。

無人の野を行くが如く、巨人を次々葬り去って行くミカサは「すごく強い」の言に偽りなし。彼女の立体機動アクションは本当に見ていてスカッとしますね! 身体を反り返らせながら、スピードに乗るところが超カッコイイ!

ところが、オーバーロードが祟って途中でガス欠を起こすという痛恨のミス。エレンの死に冷静に対処できていたように思えて、実は内心動揺しまくっていたんですねぇ。いくら鬼のように強いとはいえ、機動力を失ってしまっては巨人の前に無力。このまま万事休すかと思われたその瞬間…!

さぁ~。問題はここからですよ。

突如出現した“巨人を殺す巨人”。奇行種と呼ぶには明らかに異質な存在が、この作品の概念を一変させてしまう要因になろうとは…。

これまで人類の敵としか認識していなかった巨人が、人間の味方をしてくれるなんて夢にも思ってもいませんでしたので、確かに意外性という意味では抜群でした。間一髪でミカサが助かったことも喜ばしいことです。

ただ、これで“巨人VS人類”という根幹が揺らぎ始めたのは事実。「巨人の圧倒的な脅威に対抗する人類の叡智」という構図こそ進撃の巨人最大の魅力だと思い込んでいただけに、そこに亀裂が走ったことへの戸惑いは小さくなかったです…。無力な人間が強大な巨人を倒すからこそ面白いのになぁ…。

まだこの巨人の正体は明らかとなっていないので多くを語るのは控えますが(どうせ来週語るし)、今まで何1つ文句なく全力で楽しめていた進撃の巨人という作品に、初めて「あれ?」という疑問が入り込んだ瞬間でしたね。少なくとも、巨人が巨人を殺すシーンを見て、ミカサのように「高揚」はしなかったです。

★今週のミカサ・アッカーマン★

エレンが死んでしまったことで、ミカサが生きる意味を失ってしまうのではという心配もありましたが、エレンの思いを胸に留め続けるためにも生き続ける意志を見せたのが素晴らしいですよ。エレンよ安らかに。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. ヽ(`Д´)ノ巨人に見せ場を取られるヒロイン ~進撃の巨人 第7話「小さな刃 ――トロスト区攻防戦③――」~

    進撃の巨人 第7話「小さな刃 ――トロスト区攻防戦③――」( ̄Д ̄)ノウイ

    『サルでもわかる進巨講座』講師:井上麻里奈【黒板】\_(`・ω・)<ずっとあるんかコレ?

    デカいのと鎧…

  1. はじめまして、いつもアニメ感想など楽しく見させていただいています。
    私も原作読者なんですが、このへんの展開に失望したという人がいるのはネットで初めて知り、結構驚きました。

    私の場合、マジかよその手があったか!ってすごく感心したのを覚えています。
    原作の諌山さんはネットの反応を見て「読者の望むものを描かなきゃいけませんか」って2chに書き込むくらい悩んだらしいですが。
    でも、ここまでの展開でも大型巨人の出現が特殊とか、人類が修復できない壁の存在とかきちんと可能性を提示しての展開なんですよね(特にキャラの成績まである種の伏線にしていたのに感心しました。アニメでは削られてましたが)。
    だからしつこくアンチ発言を繰り返す人たちを見かけると「いや、自分で同人描けばいいんじゃね(人類のみで巨人を倒す方法を自分で考えて)」と不思議な気持ちになります。
    漫画的にもキャラの立ち位置的にこの展開しかないと思います(次期人類最強候補はミカサがいるので)。

    あと、進撃の巨人関係ないですけど麻呂の患者はガテン系すごく面白そうですね。
    蛭田ファンなので興味津々です。
    でも本当に蛭田さんだったとしたら今まで見破れなくて悔しい。
    女性キャラの上手さとか引き込まれる独創性のある雰囲気には共通点を感じてたんですけどねえ。

  2.  yukiさん
    初めまして~、管理人の浅生です。

    私は「巨人VS人類」という理想を進撃の巨人という作品に求めていたので、結果そうじゃなかったのは大変残念なことでした。無力な人類が巨人に立ち向かう、そんな困難な闘いぶりをこの作者ならきっと描きあげてくれるだろうという期待感が高かっただけに、今となっては「買いかぶりすぎたな」と失望感が隠せません。

    けれど、それで作者に恨みを感じたりアンチになったりするのはお門違い。作者が異なる路線を行くなら、楽しみ方を変えるか、スパッと見るのをやめるかを選ぶべき。私は原作コミックスでは後者を選択しましたけど、アニメは前者を選びたいと思っていますよ。

    >(土天冥海)本当に蛭田さんだったとしたら今まで見破れなくて悔しい
    どうなんでしょうね。私は希望的観測を含めて勝手にそう決めつけていますけど~。

    でも仮に別人だったとしても、蛭田さん並みの実力を持つ新人(?)がelfに現れてくれたのは喜ばしいこと。斜陽のelfを立て直す中興の祖としての活躍を期待したいです。