僕らはみんな河合荘第12話「近づきたくて」雑感+総括

むりやり合コンへと連れてこられた律ちゃんに迫る男の魔の手。イケメン特有の強引さにあらがうこともできず、今まさに貞操の危機…!! 途中から男の顔が宇佐君っぽくなったのは作画ミスではなく、宇佐君の脳内変換によるものだったせいですか(笑) くそっ、これは予想外で吹いてしまった!

実際の合コン模様は、宇佐君の妄想よりだいぶ健全で、お相手もちゃんと読書を愛する文学男子。本を読む習慣のない人間を見下す嫌な一面はありましたけど、ニワカを批判する人間はどこの世界にもいるもの。律ちゃんもそこまで毛嫌いしなくてもいいのにー。

結局途中で合コンを抜け出してしまった律ちゃんは、その後前村さんと距離を置く。無断で男子たちに写メを送って、騙すように合コンに連れて行った前村さんの行為は褒められたものではないですけど、それは律ちゃんの交友関係を広めてあげようとする彼女なりの親切心。決して悪い娘ではなく、至って平均的な、フツーの女子高生なんですよね。友達とケンカして仲間ハズレにされたから、一段レベルを下げた子(律ちゃん)と友達になろうとしたところもリアルだわ。悲しきスクールカースト。

アニメは律ちゃんサイドの視点で描かれていますので、多少前村さんの方に悪いイメージが残りましたけど、中立的な視点で見れば本当にどっちもどっち。河合荘の住人も、一方的に前村さんのやり方を批判するのではなく、律ちゃんの許容範囲の狭さを同時にダメ出ししていましたからね。

「何もかもがぴったり合うやつなんていねーよ」
「合わないのが問題なんじゃなくて、その合わないが許容できるか、近付きたいと思うかどうかだよ」

律ちゃんと前村さんが相容れなかったのは、単純にお互いの価値観に相違があっただけ。どちらが悪いという話ではなく、敢えて言うならどちらも悪い。ここで“律ちゃん=善良”“前村さん=悪人”という安易な決めつけの着地点に終わらなかったことは素晴らしかったと思います。「いい奴だと思っていたら、実は嫌な奴だった」というありがちな二面性で前村さんを悪人に仕立て上げ、傷心する律ちゃんを宇佐君が優しく慰めて、何やら2人はいい雰囲気に……というのが私の想定していた最も忌むべきシナリオでしたんで。

宇佐君も、前原さんを叱ったり、落ち込む律ちゃんを慰めたり、そういったヒロイックな格好良さに軽々に走らなかったところを評価したい。彼が見せたのは、律ちゃんから借りた難解な小説をノートにメモを取りながら一生懸命読解しようとしたいじましい努力。この地味で若干気持ち悪いところが、宇佐君の格好良さですよ! 一時の感情で愛情を示すのは簡単ですけど、こうやって“好きな女の娘と趣味を共有したい”という一心で健気に頑張れるなんて、なかなか真似できることじゃないですから。

最後には、ずっと聞き出せなかった律ちゃんの電話番号とメールアドレスを、真正面からお願いして交換してもらった宇佐君。これもすごく格好良かったです。これまで宇佐君と律ちゃんのことをいろいろ批判する部分もありましたけど、こうしてみるとやっぱり2人はすごく魅力的な主人公であり、ヒロインであったなと感じました。偉そうに批判してごめんね。

★今週の河合律★


少量のお酒でべろべろに酔っ払い、酒乱の気を見せた律ちゃんはとても可愛かったですけど、こういうのはなぁー。劇場版Steins;Gateのレビューでも語ったように、「お酒」という言い訳を借りて、普段と違った大胆な一面を見せるやり方はあまり好ましくない。こういう可愛さは素面のときに見たいんですよ。

最終回だけあって、気合の入った作画で律ちゃんのカワイイ表情がたくさん見られて満足♪ CV花澤香菜さんのショートカットヒロインは至高です。

総括

視聴前の期待値が高すぎたのが仇となったのか、序盤からなかなかエンジンかからない展開にヤキモキ。第7話~8話の頃には視聴継続する気力を失いかけるほど落ち込みましたけど、終盤は急激に盛り返して、最終回を迎えた今では名残惜しさが募るばかり…。「ようやく本領発揮してきたぜ!」というタイミングで終わっちゃったんだもん~。

ヒロイン河合律のことは、初回に宇佐君と同じタイミングで一目惚れして、でもそこから彼女の新たな引き出しが見られなくて、ただ毎週赤面するだけの芸風に飽きを感じ始めて、思うように好感度が伸びませんでした。でも最後の最後に、彼女の友達観という部分で新たな魅力を感じ取れた気がします。

最近のアニメでは視聴者の共感を喚起したいのか、ぼっち系ヒロインが随分増えてきましたけど、律ちゃんは孤独を望みながら孤独であることを嫌う複雑な二律背反を抱いているところに深みがあります。

友達のできない人間は、酸っぱいブドウの理論と同じで「別に友達なんかいらない」と自分に言い聞かせがち。でも、律ちゃんは価値観の相違で前原さんと仲違いしてしまったとき、「やっぱり私に友達なんかいらない」とドライに割り切ったのではなく、前原さんと友達になれなかったことに素直に涙していた。私はそんな律ちゃんがとても愛おしく感じました。

宇佐君も良いところはたくさんあったんですけど、唯一「変ショリ」という痛々しい設定が影を落としてしまいましたね…。この設定さえなければ、もっと心から宇佐君のことを応援できたと思うんですけど(笑)

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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