賭ケグルイ第5話「人間になった女」雑感

「2枚インディアンポーカー」というオリジナルゲームの底の浅さ。ゲームが始まった時点から疑問しかないゲームでしたが、私がよく理解できていないだけで、本当はものすごく奥深いゲームなのかもしれないと思い、批判の口を噤んでいました。が、やっぱり底の浅いゲームでした。作者はもうちょっと頭を使ってくれませんかね?

インディアンポーカーとは、自分のカードの強さを知らない状態で、ハッタリとブラフを駆使しながら強気に勝負に行く心理戦のゲーム。ところが、「2枚インディアンポーカー」は2枚のカードで手役の強さが決まるため、インディアンポーカーの肝といえる「如何に相手を降ろすか」という駆け引きがごっそり抜け落ちているんですよ。これじゃあ、何のためのインディアンポーカーなのやら。

カードを明示しながら手役を作るゲームなら、「スタッドポーカー」というものがあります。開示された一部のカードから相手の手役を推察し、勝負に行くか行かないかの判断力が問われるゲーム。実際に役ができていなくても、手役の気配を利用して相手にプレッシャーを掛けながら、賭け金を積み上げていったり。どちらかというと「2枚インディアンポーカー」はこちらの方に性質が近く、作者がやりたかったのも本来こちらだったんでしょうね。

しかし、「2枚インディアンポーカー」はその名の通りカードが2枚しか配られず、数字が同一の「ペア」、マークが同一の「マーク」という2つの役しかありません。そうなると、カードを1枚場に提示したところで、対戦相手は読みの材料がありゃしないんですよ。例えば、相手のカードがクラブの7だったとして、そこから「ペアになりそう!」「マークになりそう!」という推察は不可能でしょう? この時点でゲームが破綻しているんです。

こんな破綻したゲームで真剣なギャンブル勝負が行われても、ちっとも気分が乗りません。ゲームとしての面白さはないに等しいです。ついでに言うと、最終10戦目で木渡が取った行動も、明らかに理に合わないものでした。

2位に約3,000万円の差をつけてトップ目だった木渡は、このままオーラスで逃げ切りを図って、きっちり1位を確保したいところ。残念ながら自分には役が来なかったですが、手下の蕾に9のペアという強力な手札が入り、これでほぼ勝利は揺るがないという状況。

ところが、蛇喰と早乙女がそれぞれ高額なチップをベットしたため、急激に場が沸騰。賭け金が大きく釣り上げられた大勝負となり、こうなると蕾に安和了で場を流してもらうという算段は狂い、大勝する蕾が自分の持ち点を超えて逆転トップに躍り出てしまう結果に。これと似たような状況は、天という麻雀漫画にもありましたっけ。仲間からの差し込みの手はずが整っていたところを、動きを察知した敵陣営が意図的に裏ドラを乗せ、点数を一気に倍増させて味方同士の差し込みを未然に防ごうとしたみたいな。

自分が1位になるつもりだった木渡としては確かに不愉快な展開ですが、だからといって、ここで蕾に「降りろ!」と命令したのは変。だって、蕾が降りれば自動的に勝利は芽亜里に転がり込むわけで、芽亜里が1位になってしまうだけです。蛇喰・早乙女の1位を阻止することが最優先事項なのに、蕾にフォールドを命じて、芽亜里の1位をアシストする意味はまったくないはず。「2枚インディアンポーカー」はルールだけじゃなく、ロジックまで破綻しているんですよね~。

とまぁ、前回の感想での宣言通り、ボロカスにダメ出しさせてもらいましたが、でも最後のオチだけは素直にすごかったと評価できます。計算では2位でフィニッシュするはずだった木渡が、結果発表では何故か最下位だったというどんでん返し。ここは賭ケグルイで初めて「おおっ!」と感心させられる場面でしたから。

「債務整理大集会」では、多額の借金を抱えているほど、自分の持つチップの価値が上がるシステム。3億1,000万円の借金を抱えている蛇喰夢子のチップは、本来1枚3,100万円の価値がある。ところが、夢子は敢えて自らの借金額を過小申告し、逆に芽亜里が実際の借金額以上に過大申告をして、実際の借金額とは異なる価値のチップを手にした。そのことを知らず、蛇喰チップと早乙女チップの価値を見誤っていた木渡は、自分の正しい順位を把握できていなかったというわけ。

虚偽の借金自己申告で、チップの価値の錯誤を誘うトリックは、非常に秀逸なアイディアでした。これは私も予測できていませんでしたし、まさかのどんでん返しによるカタルシスで頗る気持ちがいい! せっかくこんな良い逆転のアイディアを思いついていたのなら、もっと「2枚インディアンポーカー」の細部を詰めれば良かったのにね…。私も変なケチをつけず、「神回だ!」と絶賛したかったですよ。

★今週の顔芸★


いろんな人の顔芸がありましたけど、やっぱり芽亜里の顔芸が一番好きだな! 顔芸クイーン。

今週は顔芸よりも百合芸の方が目立っていたかも。別に百合なんか興味ないですが、夢子と芽亜里がこの先仲良く共闘していく展開は楽しみ。

賭ケグルイ 1(イベント優先先行受付申込券付) [Blu-ray]

販売元:エイベックス・ピクチャーズ( 2017-10-13 )

定価:¥ 7,560 ( 中古価格 ¥ 3,980 より )

Amazon価格:¥ 4,682

時間:

1 枚組 ( Blu-ray )


この記事のトラックバックURL
  1. 賭ケグルイ 第5話 『人間になった女』 立場と心、2つの「家畜」

    たかが一回勝っただけ。いやもうダメでしょ、完全に読まれちゃってる。上乗せを受ければ夢子に負けちゃうし、降りれば芽亜里はブタ。面白いように裏目に出ています。コーあっフォ…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。