賭ケグルイ第2話「つまらない女」雑感

ギャンブルによる厳格な階級制度が敷かれた私立百花王学園において、そのギャンブルを一元的に取り仕切っているのが生徒会。現生徒会長である桃喰綺羅莉(ももばみきらり)こそ、この学園の実質的な支配者なのだという。夢子が生徒会役員共をやっつけながら、ラストに綺羅莉を倒すというのが大筋のストーリーでしょうかね。生徒会が絶対的権力を持っている作品っていい加減ウンザリなので、そろそろこういう設定は禁じ手にしてもらいたいものですけど…。

今回のギャンブル対決のお相手は、そんな悪(?)の生徒会の一味、皇伊月(すめらぎいつき)ちゃん。日本有数のトイメーカーの社長令嬢で、豊富な資金力を駆使して生徒会入りを果たした彼女。声優はi☆Risの若井友希さんですが、「こういうキャラも演じられるんだ」と新たな一面を感じさせてくれる素晴らしい名演でした。若井さんは元々声優志望でこの業界に入ってきたわけじゃないのに、立派に声優演技できていてすごいな~。

彼女が持ちかけてきたギャンブルは「ダブル真剣衰弱」。賭け金はなんと「2,000万円」。……昼休みのレクリエーションでぽんと2,000万円賭けちゃうのは異常すぎますし、2話目にしてここまでギャンブルが高額になると、この先あっという間にインフレが起こるんじゃないかと心配ですね。ギャンブルの賭け金って、一定額を超えると実感が遠のく上に、「1億負けるのも2億負けるのも一緒だ!」みたいな開き直りに繋がってしまうので、逆に緊張感が落ちる恐れがあるんですよ。学生同士のギャンブルなら、(いくら富裕層とはいえ)200万円ぐらいで良かったんじゃないかなぁ?

なお、「ダブル真剣衰弱」という種目は、2組のトランプを混ぜ合わせ、104枚のカードで通常の真剣衰弱を行うというもの。数字とマークが完全に一致したカードだけが正解になりますので、運否天賦で当たりを引きあてようとすれば、確率はたったの103分の1しかありません。強運だけに頼って勝つのはまず無理。

となれば、問われてくるのは記憶力の正確性ですが、この記憶力において夢子と伊月は互角。常人では到底不可能といえる全カードの位置を両者共に完璧に憶えており、一度開いて目にしたカードは忘れない。ハイレベルな実力伯仲、どっちに転ぶか分からない勝負は、後半続けて連取に成功した伊月が逆転勝利。夢子は、あっさり2,000万円の大勝負に負けてしまうのでした。

自らこのダブル真剣衰弱を仕掛けてきた伊月は何かしらの勝算・必勝法を持っているはずで、私もそのトリックを懸命に探りながら視聴していましたが、カードにガン(印)がついていたという“つまらないオチ”だったのは心底ガッカリ…

トランプを用いたギャンブルにおいて、カードの裏面に印がついていたなんてことは、この世で最も浅はかなトリック。それも勝負の途中にこっそり印をつけるならともかく、最初から用意していたカードに自分に有利な目印がつけてあったなんて、こんなのギャンブル作品としては下の下の下だと思いますっ!

「そんなの卑怯だ!」と怒っているんじゃありません。卑怯であることはむしろ大歓迎。だけど、そのイカサマの程度があまりに低すぎるから私は怒っているんです! だって、普通はギャンブルで相手が持参したトランプなんか使わないでしょう? どんな仕掛けがあるかも分からないトランプで、大金賭けた大博打をするバカはいませんよ! そこは「カードに印なんかついていない」という暗黙のルールがあるからこそ、視聴者も茶々を入れずに受け入れているんです。なのに、その大前提を作者が裏切ってしまったら、お話にならない!!

推理小説におけるアンフェアを禁じた「ノックスの十戒」というルールがありますが、もしギャンブル漫画版の「ノックスの十戒」があったとしたら、絶対に「カードに予め印をつけてはならない」という一項目があるはず。「自分で用意したカードに印がつけてあった」というオチは、「犯人が証拠が一切残らない新薬を使って毒殺した」というオチと同じぐらい、バカげたルール違反なんです!

ちなみに、2,000万円勝負で破れた夢子は泣きの再戦で、今度は自分の生爪を賭けて勝負。伊月が他人の爪を剥がして蒐集するのが趣味という猟奇的な一面を見せていたのは、話の盛り上がりとして良かったですけど、2,000万勝負のあとに生爪を賭けろと言われても、それほど恐怖心は沸いてこない…。だって、2,000万円と生爪のどっちかを賭けなくちゃいけないとなったら、私はフツーに生爪賭けますし~(笑) 最初が200万円の勝負で、次に生爪を賭けるとなったら、負ければ負けるほど深みにはまっていくギャンブルの泥沼感が出せていたのにねぇ…。

リターンマッチに挑んだ夢子は、自分のファーストターンでめくったカードを全部的中させて、相手に1枚もめくらせずに圧勝。勝因は、「カードの印に気付いていて、それを一瞬のうちに全部記憶したから」でした。イカサマを仕掛けた相手の裏をかく絶妙な機転があったわけではなく、単なる人間離れした超人的能力で勝っちゃうとは、これまた“つまらないオチ”。このアニメ、まともなギャンブル勝負のクォリティを求めちゃダメなのかもですね…。

★今週の顔芸★


芽亜里と比べると伊月の顔芸は大人しいかなと思ってたら、最後の泣き顔がブッサイクで満足(笑) すごい老け顔に見えちゃうのがリアルで。

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  1. 賭けグルイ 第2話 『つまんない女』 最後の芽亜里に笑ったwww

    夢子、で良いですよ♪すごい勢いで距離詰めてきますね夢子、涼太が羨ましい。但し自分は「鈴井さん」と名字呼び。あと階段を登る夢子の黒ストッキングが何とも扇情的。そんないい雰…

  1. ギャンブル物で主人公側があんまり超人的な能力持ってるのは駄目ですよね。記憶能力あればぶっちゃけなんにでも応用できそう
    主人公の戦法は、読者でも覚悟さえあればできるような行動であってほしいですよ
    じょうたろうだってスタンドを利用してはいるけど決め手はあくまで人のできる範疇の戦法やイカサマでしたし

    • そうそう。この超人的記憶力は今回のギャンブルに留まらず、あらゆる種目で有効になってきますので、今後の影響が半端じゃないような…。たった2,3分で消える小さな目印にノーヒントで気付いて、それら伏せてあるカードの図柄と全部一致させるとか、無理がすぎます。「一度開いたカードは絶対忘れない」ぐらいの記憶力で丁度良かったのに…。

      超能力で犯人を割り出す推理小説など読みたくないように、超能力で勝負に勝つギャンブルアニメも勘弁願いたいものです。

  2. この先も、似たような拍子抜けの展開が続きますね

    浅生さんの貴重なレビュー枠を費やすには勿体ない作品だと思います
    別の視聴作品のレビューに回って、浅生さん独自の視点や分析を見たいものです

    • 賭ケグルイを切って別のアニメのレビューにシフトしようにも、今期視聴アニメが賭ケグルイ・ボールルーム・ナナマルサンバツと、早くも3本だけに絞られてしまいましたので…。ナナマルサンバツも「ヒロインの演技が棒すぎて、それ以外の感想がない」という惨状ですから、やはり賭ケグルイに頑張ってもらうしか!(笑)

      今のところ救いは、キャラで特別嫌いな奴がいないってことかな(あ、鈴井涼太は嫌いだわ)。顔芸含めて、キャラにはそこそこ魅力を感じていますので、なんとかそっちで活路を見出さなきゃ。

ABOUTこの記事をかいた人

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。