ジョーカー・ゲーム第11話「柩」雑感

ドイツベルリン郊外の列車事故に巻き込まれた三好。「死ぬな、殺すな」がモットーのD機関において初めて出てしまった死者でした。スパイは死ねば、自分がスパイであった事実が明るみに出て、その影響は他の協力者に及ぶ。芋づる式に他のスパイの存在まで暴かれれば、これまで築いてきたスパイ網は崩壊。スパイは死後が如何に重要であるかを知らしめる回でした。

列車事故の調査に当たっていたドイツ諜報機関アプヴェアに所属するヘルマン・ヴォルフ大佐は、被害者真木克彦(三好)の持ち物からスパイが用いる特殊なマッチを発見したことで、彼がスパイであると断定。身の上を洗っても真木からスパイらしい証拠は出てこなかったが、確信がまったく揺らがないヴォルフ大佐は、更にその後ろに結城中佐の存在があることまで見抜いてしまう。

前回、煙に巻かれてしまった結城中佐の本当の過去が、この11話で少し見えてきました。22年前、ドイツに潜伏してスパイ活動をしていた若かりし頃の結城は、情報傍受していた事実がドイツ側にバレたことであっさり日本陸軍参謀本部に切り捨てられるという苦い経験を持っていた。

捕らえられた結城は血路を切り開いて自力で逃げ出すことに成功。その後は消息を絶ち、しばらくして日本に新たな諜報機関、D機関を設立したとのこと。自分を切り捨てた恨みを持っているはずの結城が、日本陸軍参謀本部に帰参してD機関を設立したのも興味深い。そのあたりの真意が気になるところです。

なお、このとき結城を拘束して尋問していたのがヴォルフ。奪った手榴弾を爆破させて結城が脱走を企てたとき、爆風に巻き込まれた彼は右目を失っている。結城の影を執拗に追い続ける執念には、そういった浅からぬ因縁があったからなんですね。風機関の風戸は結城のライバルとして圧倒的に役者が不足していましたが、こちらのヴォルフ大佐はガチのライバルになってきそう。

しかし、結局真木(三好)からはスパイと結びつける決定的な証拠は出てきませんでした。それもそのはず、三好の事故死の報せを受けた結城中佐が、三好がスパイだと当局に疑われる前にいち早く駆けつけ、隠し持っていた協力者のリストを回収していたから。三好が遺した大事な情報を無為にすることなく、三好がスパイに繋がる一切の痕跡を消しておいた結城中佐。その速やかな事後処理こそ、三好に対する最大限の弔いだったと言えましょうか…。

三好の死に様もまた見事なものでした。偶発的な大事故に巻き込まれてしまう不運に見舞われながら、彼は薄れ行く意識の中で、冷静にリストを襟の中に隠し、誰よりも先に結城中佐が回収してくれるであろうと信じて、目印の血糊をつけて息を引き取った。スパイの職務を全うしながら逝った実に美しく気高いスパイの最期でした。

ヴォルフの部下、ヨハン・バウアー中尉。金髪碧眼のイケメン紳士でCVが川島得愛(かわしまとくよし)さんなので、最近ジョジョにでてきたトニオ・トラサルディーと被っていましたね(笑) ドイツ人とイタリア人の違いはありますが。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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