ジョーカー・ゲーム第9話「ダブル・ジョーカー(後編)」雑感

風機関で一旗揚げるんや! D機関をライバル視して立ち上げたスパイ組織で、風戸は大きく野心に燃えていた。“死ぬな殺すな”の生温いD機関とは違い、死も殺人も厭わない風機関こそスパイの本流! 風機関の優秀さをお偉いさんにアピールし、日本最高のスパイ組織に成り上がってみせる! そんでいけ好かないD機関の結城をぎゃふんと言わせたるんや! ……今、風戸の壮絶なアンダードッグ伝説が幕を開けた

白幡からグラハムへの統帥綱領受け渡し現場を押さえるため、住み込みで働いている森島という書生から受け渡し日時の情報を得た風戸は、闇夜に紛れて白幡邸へと潜入。この辺は、先週執事を抱き込んでグラハム邸に忍び込んだ蒲生のやり方とほぼ同じ。

ところが、着いた先の屋敷はもぬけの殻。どこから情報が漏れたのか、風戸が踏み込んだ頃には既に白幡は行方を眩ませており、代わりに結城中佐が1人その場に鎮座していたという。出し抜いたはずのD機関の結城が何故ここに…!? 一体どういうことだと激しい剣幕で問い詰める風戸。

結城中佐はそもそも統帥綱領の機密性など大して重要視しておらず、それよりも英国とのチャンネルを持つ白幡の隠然たる力はまだまだ利用価値があると見ていて、最初から白幡を取り押さえる意志などなかった。こうなると、結城が白幡の逃亡の手助けしたかのように思えますが、そうではなく、白幡は独自に風機関の動きをキャッチしていたとのこと。

というのも、風機関のメンバーは企業の研修と称して料亭で作戦会議を行っていましたが、あからさまに怪しい集団の物々しい会合に、仲居さんたちの間でも軍関係者だと正体がバレバレ。そこから報告を受けた白幡は、危険を察知してさっさと身を隠したのでした。なんとも締まらないというか、スパイとしては大変お間抜けなお話。

最初の情報源だった書生の森島も、実は1年前から白幡邸に潜伏していたD機関の人間(実井)。そんなことは露知らず、用済みとなった彼を始末するつもりだった蒲生は、油断を突かれて逆にやられてしまうという醜態。張大明の時は首尾良く暗殺を遂行した蒲生も、D機関相手では形無しなのですから、こちらも情けない話です。

それにしても、「やれやれ」と呟きながら羽交い締めで蒲生をスタイリッシュにKOした実井は、実にクーレストな手際でしたね(笑)

「貴様、天保銭の意味を知っているか?」
「江戸で使われていた天保銭は、その価値八厘。カタチは大きいのに一銭にも満たない。外の社会じゃ木偶の坊の意味だ」
「ところが何故か、陸軍関係者の間でだけは逆の意味で使われている。そんなことだから、旅館の仲居にすら正体を見抜かれるんだ」
「お前らは、スパイごっこに興じる裸の王様だったということだ」

統帥綱領なんか大した機密でもないよと諭され、情報を得ていた書生はうちの人間だよと明かされ、白幡が逃げたのは君のミスのせいだよと突っ込まれ、スパイが殺人しても周囲の詮索を招くだけで意味ないよとダメ出しされ、これだから陸軍大学校卒は…と自慢の学歴までバカにされ、何から何まで結城中佐に否定されまくってフルボッコ状態。ぐうの音も出ないほど格の違いを見せつけられて涙目の風戸は、“潔く死ね”と自ら掲げたスローガンの下、あっけなく自害したのでした…。

D機関と風機関、どちらがスパイ組織として優秀なのか、その対決の行方に注目していましたけど、ちょっとこれは…っていう結末でしたね。そりゃあ、D機関が勝つのは当然だったとしても、同じ土俵に立つことすらできず、独り相撲で勝手に自爆しただけの風機関はあまりに肩透かし。風機関の無能さで相対的にD機関の有能さをアピールするより、優秀な風機関の更に上行くことでD機関の有能さを証明してもらいたかったですよ。せっかくライバル登場の気運を高めて、前後編でその対決をじっくり描いていたんですから、もっと歯応えのある奴らじゃないと…。

まったく風機関はスパイの面汚しもいいところ。風機関は四天王の中でも最弱で、まだ火機関、水機関、土機関といった更なる強力なライバルたちがあとに控えているんだと信じたいです(笑) そいつらもひとまとめに串刺しにされてしまいそうですけど。

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  1. 結城中佐のキャラクター性が垣間見えたこともあって個人的に気に入ってはいますが、
    最初の書生の段階でゲームセットしていたのは少し残念でしたね。二重スパイを疑われながらも器用に立ち回って欲しかった…
    やっぱり英国諜報機関とはレベルが違うか…と思っていたら来週からは外国人記者や外国諜報機関が相手のようなのでラストスパートに期待してます。

    • 情報源の書生がライバル側の人間で、風機関は初手から詰んでいましたので、まったくいいところなしでした。本当にガッカリな奴らですよ…。

      日本国内の地固めはそろそろ終わりにして、早く他国とのスパイ合戦を始めてほしいと思っていましたので、次回からそういった展開が望めるなら期待大。結城中佐直々の活躍も見てみたい。結城中佐の力なら、きっと第二次世界大戦勃発も回避できる!(笑)

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。