ジョーカー・ゲーム第8話「ダブル・ジョーカー(前編)」雑感

軍事機密として特定の将校だけに閲覧を許された軍事書物「統帥綱領」(Wikipediaで調べました)を、かつて英国大使を務めた元外交官白幡樹一郎に盗読された疑い。彼は現在蟄居(ちっきょ)の身であるが、親英派でイギリス人の知人が多く、現英国総領事のアーネスト・グラハムとは昵懇の仲。グラハム経由で機密が漏洩する危険性に備えねばならない。

ここ2週ほど探偵ごっこが続いていただけに、久々のスパイらしい案件で私のテンションも上がります。グラハムが統帥綱領の情報をイギリス本国に流そうとしている現場を取り押さえ、阻止するのが今回の目的。グラハムのチェス相手として信頼関係を築いていた蒲生次郎は、統帥綱領の中身が知らされている形跡がないか証拠集めに奔走。執事の張大明を金で抱き込み、徹底して探りを入れる。

結局、張の口からは確信に至る証拠は得られなかったものの、彼の手引きで深夜の屋敷に忍び込み、金庫に隠されていたグラハムの日記を盗み見ることに成功。そこには夫人を使い秘密裡に情報の伝達が行われていた事実が記載されており、遂にグラハムを“クロ”だと突き止めた。

ここまでは、「さすがD機関のスパイだ」と手際の良さに感心するばかりでしたが、次の展開で予想外の衝撃が走る。なんと蒲生は口封じのために執事の張を殺してしまった。“死ぬな殺すな”が教えのD機関において、殺人は何よりも御法度であるはず…? 何故、蒲生はその禁忌を破り、あっさりと張の息の根を止めてしまったのか、まるで理解が追いつかない私。

その後、上官に経過報告をしていたシーンでようやく氷解。この蒲生次郎という男、実はD機関のメンバーではなく、風機関というパチもん臭い……もとい、D機関とは異なる組織に属するスパイだったのですね!

「これで貴様も風機関の一員だ」というセリフがありましたので、もしかすると“D機関から風機関に寝返ったスパイ”と呼ぶのが正確なのかもしれませんが、ともかくここに来て急に実態が明らかになったD機関のライバル的存在に、私のワクワクが止まらない!!

風機関を組織したのは、日本帝国陸軍中佐の風戸哲正という男。スパイ組織に自分の名前を一文字取り入れちゃうセンスはどうかと思いますが、興味深いのは“躊躇なく殺せ。潔く死ね”という“死ぬな殺すな”がモットーのD機関とはまったく対となる理念を持っていること。つまり、D機関と風機関の対立は、“死ぬな殺すな”と“死ねや殺せや”のどちらがスパイとして正しいかを証明する戦いでもあるわけです!

更にD機関は地方人(民間人)をスパイに育て上げてているのに対し、風機関は陸軍大学校の卒業生(天保銭組)を中心に組織されている。雑草VSエリートという構図の側面もありますので、ますますその対立軸を色濃く、面白くしていますよ。言わば、高校サッカー日本一とクラブユース日本一、どちらが真の日本一かを競うようなもの。これは燃えるでしょう! ガンバファンとしては風機関を応援せざるを得ませんが!

「白幡の件に関してはD機関にも伝えてある。ダブル・ジョーカーを使うつもりはない。どちらか失敗した方がスペアだ」

ダブル・ジョーカーっててっきり二重スパイのことか思いましたが、2つのスパイ組織による対立を意味していたのですか。ぶっちゃけ、風機関はどう考えても“噛ませ”ですし、D機関の引き立て役に成り下がるのが関の山でしょうけど、スパイにとって命は守るべきものか捨てるものか、その答えはとても重要な解であるはず。両者の決着の行方、見逃せません。

余談ですが、風機関を率いる風戸中佐の声(黒田崇矢)があまりに悪人声すぎて笑う。龍が如く(桐生一馬)のイメージが強いせいもありますが、こんなのヤクザ以外の何者でもないでしょ! 阿久津陸軍中将の声(西村知道)も威厳溢れる悪の親玉ヴォイスですし、送迎車の後部座席で2人が密談していたシーンは、怖すぎて身体が震え上がりました(笑) 運転手ひりついているよ!

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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